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🚀 最匷の勉匷法【2025幎8月版】
もう二床ず「勉匷法」で迷わない。あなたの努力を100%結果に倉える、孊習効率最倧化のトヌタルスキルセット。明日から䜿える、䞀生モノの歊噚を手に入れろ。
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おくさん
2025/08/13
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「効率的な孊習法」ずか「科孊的に正しい勉匷術」みたいな情報はもはや䞖の䞭に溢れかえっおたすな。あたりに情報が倚すぎお、「結局どれが䞀番効くんだよ」っお、気持ちになっおくるわけです。

たあ実際、このニュヌスレタヌやNoteも䞀翌を担っおいるかもしれたせんで、過去に䜕床も孊習法に぀いおは取り䞊げおきおおりたした。

以䞊の蚘事ではその時々の最新の知芋をお届けしおきた぀もりですが、情報もアップデヌトが必芁っおもんです。っおこずで今回は、いったん立ち止たっお、乱立する孊習法の知芋を敎理しおおきたす。結局のずころ、私たちが本圓に優先しお意識すべきこずは䜕なのか っおずこですね。その䞊で、おたけ的にさらにパフォヌマンスをブヌストしおくれるような新しい遞択肢はあるのかっおこずで最新の論文たでシェアできればず。

これ䞀本読めば、少なくずも今埌1幎は勉匷法に迷わなくなる。そんな決定版を目指したすので、ある皋床長くなっおしたうかずは思いたすが、ぜひ最埌たでお付き合いいただければ幞いです。


本ニュヌスレタヌでは、培底的に調べあげた゚ビデンスをベヌスに「より信頌でき、真に䟡倀ある情報」をレポヌトし、ゎミがあふれるネット䞊においおキラリず光る質の高いコンテンツをお届けするこずを目指しおいたす。あなたの人生を圩るヒントずしおご掻甚いただければ幞いです。


賌読䞭


目次

  1. 鉄則怜玢緎習
  2. 鉄則間隔孊習
  3. 鉄則むンタヌリヌビング
  4. 鉄則デュアルコヌディング
  5. 睡眠䞭の「アむマスク」が、翌日の勉匷効率をブチ䞊げる説
  6. 勉匷郚屋、殺颚景すぎ問題
  7. オヌディオブックの孊習効率
  8. アルファ波ニュヌロフィヌドバックの最前線
  9. 「音楜を聎きながら勉匷」はアリナシ 
  10. 講矩スラむドのスマホ撮圱は、察面授業だず蚘憶力が䜎䞋させるが、オンラむンなら逆に向䞊する説
  11. カマンベヌルチヌズで頭がよくなる
  12. おわりに


鉄則怜玢緎習

たず絶察に倖せないのは「怜玢緎習」でございたす。本ニュヌスレタヌ読者の皆様なら耳タコでしょう。

䞀応確認しおおくず、怜玢緎習っおのは、芁するに「思い出すこず」を勉匷の䞭心に据えるアプロヌチのこず。「教科曞やノヌトをひたすら䜕床も読み返す」みたいな受け身の孊習じゃなくお、䞀床むンプットした情報を、自分の頭の䞭から匕っ匵り出すトレヌニングを繰り返すわけですね。具䜓的には、緎習問題を解いたり、フラッシュカヌドを䜿ったり、誰かに内容を説明しおみたりずか、そういうや぀です。

䞀般には「テスト」ずいうず、自分の実力を枬るための「評䟡ツヌル」だず思いがちですが、認知科孊の䞖界ではずっくの昔に垞識がひっくり返っおたしお、「テストこそが最匷の孊習ツヌルである」っおのが結論なんですよね。この「思い出す」ずいう行為自䜓が、蚘憶をめちゃくちゃ匷固にしおくれるんだ、ず。

怜玢緎習の効果に぀いおは、メルボルン倧孊が2021幎に発衚したメタ分析がかなり信頌性が高いでしょう。ここでは242もの先行研究、16侇9179人分の参加者のデヌタを解析しおたす。

で、10皮類の孊習テクニックの効果を比范した結果、

  • 怜玢緎習の効果量は d = 0.74 ã§ãƒˆãƒƒãƒ—クラスに高かった

っおこずで、ざっくり蚀えば、ただ参考曞を眺めたり、マヌカヌを匕いたりするだけの勉匷に比べお、テスト圢匏で「えヌっず、なんだっけ」ず頭をひねっお思い出す緎習を組み蟌むだけで、孊習効果がずんでもなく跳ね䞊がるっおこずですね。

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Source: Donoghue, G. M., & Hattie, J. A. (2021). A Meta-Analysis of Ten Learning Techniques.

どうすれば怜玢緎習の効果をさらにブヌストできるのかっお点に぀いおは過去にがっ぀りたずめおおりたすが、䞀぀最新の知芋を玹介しおおくず、「フィヌドバック぀たり答え合わせ」はやはりかなり重芁。問題を解きっぱなしにするんじゃ、効果は半枛しおしたうよヌっお話ですね。

この点で面癜いのが、2024幎にりム・アルクラ倧孊が発衚した研究。ここではサりゞアラビアの倧孊生177人を以䞋の4぀のグルヌプにランダムに分けお、文章の内容をどれだけ芚えおいられるかを、盎埌、1週間埌、1ヶ月埌にテストしたんだそう。

  1. 反埩孊習グルヌプ同じ文章を4回繰り返し読む。
  2. 怜玢緎習フィヌドバックなしグルヌプ文章を1回読んだ埌、テストを3回受けるが、答え合わせはしない。
  3. 怜玢緎習即時フィヌドバックグルヌプテストで1問答えるたびに、すぐに正解が10秒間衚瀺される
  4. 怜玢緎習遅延フィヌドバックグルヌプ15問のテストをすべお終えた埌で、たずめお正解が衚瀺される

その結果、

  • フィヌドバックをもらったグルヌプ3ず4は、フィヌドバックなしのグルヌプ2や、ただ読んでるだけのグルヌプ1ず比べお党おのテストで点数が高かった
  • 「即時フィヌドバック」のグルヌプは、「遅延フィヌドバック」のグルヌプよりも、1週間埌ず1ヶ月埌のテストで有意に成瞟が高かった

芁するに、問題を解きっぱなしは論倖。答え合わせは絶察にやるべきで、しかも1問ず぀、なるべく早くやったほうが長期的に芋お忘れにくい、ずいうこずっすね。

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Source: Aljabri, S. (2024). Timing of feedback and retrieval practice: a laboratory study with EFL students

正盎、私も昔は「キリがいいから1章終わっおからたずめお答え合わせしよヌ」っおタむプだったんですが、この手のデヌタを芋おからはなるべく现かく分割しおテストや想起の時間を挟むようにしおたすねたヌこだわりすぎるず時間がかかりすぎるのである皋床諊めも肝心でしょうが、絶察頭に残したいっおテヌマの時は培底しおたす

ただし、怜玢緎習にも泚意点もありたしお、2025幎にテキサス工科倧孊のSerra先生のレビュヌ論文でも指摘されおたすが、Ankiみたいなツヌルを駆䜿しおいおも、それが単なる事実の䞞暗蚘に終始しおいるず、応甚力が問われる本番の詊隓でコケる可胜性があるぞヌ、っおのは泚意でしょう。 ただの暗蚘マシヌンになっおも意味ないぜ、ず。

ここで思い出されるのが、2022幎のレビュヌで玹介されおいた研究。医孊生に神経孊のトピックを孊ばせる実隓で、ただレビュヌシヌトを繰り返し読んだグルヌプより、間に緎習テストを挟んだグルヌプの方が、6ヶ月埌に行われた応甚問題新しい症䟋ぞの察応を問うものの成瞟が圧倒的に良かったっおこずが瀺されたらしんですな。怜玢緎習が単なる蚘憶の定着だけでなく、「䜿える知識」ぞの深化、぀たり知識の転移を促すこずもできる、ず。

っおこずで、衚局的な孊習を超えお、もっず耇雑な抂念の理解や、党く新しい未知の問題に応甚する「遠隔転移」にたで同じように効くかは、ただ議論の䜙地がある、ずされおいるテクニックではありたすが、あらゆる孊習の土台ずなる知識を効率よく、か぀匷固に脳に刻み蟌む䞊で、怜玢緎習が最匷クラスの歊噚であるこずは揺るぎないでしょう。たずは日々の勉匷に「思い出す」トレヌニングを意識的に組み蟌むこず。そしお、答え合わせはなるべく即座に行うこず。この2点を培底するだけでも、あなたの孊習効率は劇的に倉わるはずでございたす。

鉄則間隔孊習

こちらも盎球ですが、必ず死守しおおきたいポむントっすね。

間隔孊習分散孊習は、その名の通り「孊習の間隔を空ける」こず。やりがちな「䞀倜挬け」や「培倜での詰め蟌み」専門的にはMassed Practiceず蚀うずは真逆のアプロヌチで、同じ勉匷時間でも、䞀気に片付けようずするんじゃなくお、䞀日1時間ず぀を5日間、みたいに分散させた方が、蚘憶の定着率が爆䞊がりするっお方法ですね。

「忘れる前に䞀気に芚えた方が効率いいでしょ」っお気持ちもわかりたすが、盎感に反するずころが、たさに「科孊的に正しい孊習法」の面癜いずころだず思っおいたす。

先ほども䞊げたメルボルン倧孊の巚倧メタ分析では、間隔孊習の効果量は、 d = 0.85 ã§ã€10皮類の孊習法の䞭で堂々のトップずなっおいたす。

芁するに、詊隓前日に8時間ぶっ通しで勉匷するより、毎日1時間ず぀8日間勉匷した方が、はるかに蚘憶に残り、テスト本番で思い出せる確率が高たるぞヌ、っおこずですね。

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Source: Donoghue, G. M., & Hattie, J. A. (2021). A Meta-Analysis of Ten Learning Techniques.

なぜ間隔を空けるず蚘憶に定着するのかこの疑問を考えるうえで、カギを握るのは「忘れるこず」の重芁性。

アむオワ州立倧孊のレビュヌ論文によれば、孊習の間隔を空けるず、䞀床芚えた情報を思い出すのが難しくなりたす圓たり前ですが。この「うヌん、䜕だっけな 」ず少しだけ苊劎しお思い出すプロセスが、「怜玢緎習」そのものになっおるわけです。そしお、このちょっずした苊劎、いわゆる「Desirable Difficulty」こそが、蚘憶の匷床ず怜玢匷床をダブルで鍛え䞊げ、忘れにくく、か぀思い出しやすい匷靭な蚘憶を䜜り䞊げおくれるんですね。

䞀方、䞀倜挬けだず、この「思い出す努力」が発生したせん。短期蚘憶の䞭で情報をこねくり回しおいるだけなので、脳は「こんな簡単なこず、すぐに思い出せるわ」ず勘違いしおしたい、長期蚘憶に情報をストアせずにサボっおしたう。その結果が、テストが終わった瞬間に党おを忘れる、ずいうお銎染みの悲劇なわけです。

間隔孊習の効果は、実際の教育珟堎でも繰り返し実蚌されおおりたしお、䟋えば、実際の物理孊の授業における実隓では、倧孊生を2぀のグルヌプに分け、宿題の出し方を倉えおたす。

  • 集䞭グルヌプあるトピック䟋えば「運動量」に関する問題は、すべお同じ日の宿題でたずめお出題する。
  • 間隔グルヌプ「運動量」に関する問題は、耇数日の宿題に分散させお出題する他のトピックの問題ず混ぜながら。

䞡グルヌプが解く問題の総量は党く同じ。違うのは、特定のトピックをたずめおやったか、分散させたか、だけです。そしお4週間埌、抜き打ちで応甚問題のテストを実斜したずころ、

  • 宿題を分散させた「間隔グルヌプ」の成瞟が、たずめおやった「集䞭グルヌプ」を圧倒した

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Source: Carpenter, S. K., Pan, S. C., & Butler, A. C. (2022). The science of effective learning with spacing and retrieval practice. Nature Reviews Psychology, 1(9), 496-507. (Adapted from Samani, J. & Pan, S. C. (2021))

だったそう。宿題の出し方をちょっず工倫するだけで、これだけの差が生たれるっおので䜿わない手はないでしょうね。

で、ここで匷調しおおきたいのは、怜玢緎習ず間隔孊習を組み合わせるこず。専門的には、この孊習法には名前が぀いおたしお、「連続的再孊習Successive Relearning」ず呌ばれおいたりしたす。

具䜓的には、

  1. たず、緎習問題やフラッシュカヌドなどで、目暙範囲を100%正解できるたで怜玢緎習を繰り返すセッション1
  2. 数日埌、再び同じ範囲を100%正解できるたで怜玢緎習するセッション2
  3. さらに数日埌、もう䞀床同じこずを繰り返すセッション3

ずいう流れです。Carpenter先生らのレビュヌでは、この連続的再孊習の効果を玹介する研究が取り䞊げられおいたす。最初のセッションで正解を3回思い出すたで繰り返したグルヌプは、1回だけ思い出したグルヌプに比べお、その埌のセッションで思い出すのがずっず楜になった、ずいう結果が出おいたりしたすね。

私自身も、新しい分野を孊ぶずきにはこのやり方をかなり意識しおいたす。䞀床で完璧にしようずは党く思っおいなくお、むしろ、「どうせ忘れる」を前提に、忘れた頃にもう䞀床、たた忘れた頃にもう䞀床、ずゟンビのように蘇らせる感芚です。この「忘れかけた頃に思い出す」ずいう負荷が、蚘憶をゎリゎリに鍛えおくれるわけですこの感芚を䞀床掎むず、勉匷が「苊しい暗蚘䜜業」から「脳の筋トレ」みたいに思えおきお、ちょっず楜しかったりしたす。

最適な間隔はどれくらいかずいう問いに察する答えは案倖難しくお、孊習内容の難易床や、どれくらいの期間芚えおいたいかによっお倉わっおきたす。ただ、䞀぀の目安ずしおは、「完党に忘れおはいないけど、スラスラずは思い出せない」くらいのタむミングがベストだずは蚀われおたすね。

â–Œ 参考

鉄則むンタヌリヌビング

続いおの鉄則はむンタヌリヌビング。こちらも過去にニュヌスレタヌやNoteで䜕床か玹介しおいるずころ。

â–Œ 参考

むンタヌリヌビングは、䞀蚀でいうず「耇数のトピックをごちゃ混ぜにしお緎習する」こず。

普通のテキストの構成・勉匷の進め方はこんな感じでしょう。

  • 「二次関数」の章があったら、たず解説があっお、そのあず二次関数の緎習問題がずらヌっず10問くらい䞊んでいる
  • それを党郚マスタヌしおから、次の章の「䞉角関数」に進む

このように䞀぀のトピックをたずめお緎習する方法を「ブロック孊習」ず蚀いたす。

むンタヌリヌビングは、これをぶち壊す抂念で、぀たり、「二次関数の問題①」をやったら、次は「䞉角関数の問題①」、その次は「ベクトル問題①」を解く、っお感じで進めたす。圓然その埌はたた「二次関数の問題②」に戻る ずいうように、異なる皮類の問題をシャッフルしお緎習するわけです。

「ごちゃ混ぜにしたら混乱するだけでしょ」っお気持ちもよくわかりたす。先ほどから觊れおる巚倧メタ分析でも、むンタヌリヌビングの効果量はd=0.47ず、他に比べお䜎めに分類されおたりしたす。

が、個人的には、個別の研究をみおいるずかなり有望なんじゃないかず思っおたりしたす。䟋えば、先ほども觊れた2021幎のUCLAの物理孊の授業の研究をもう䞀床芋おみたしょう。ここでは350人の孊生を察象に、8週間にわたっお宿題の出し方をコントロヌルしおたす。

  • ブロック孊習グルヌプある週は「電磁気孊」の宿題だけ、次の週は「回路」の宿題だけ、ずいった具合にトピックをたずめお緎習。
  • むンタヌリヌビンググルヌプ毎週の宿題に「電磁気孊」も「回路」も、他のトピックもごちゃ混ぜにしお出題。

䞡グルヌプが解く問題の総数や内容は党く同じ。違うのは、緎習の順番だけ。そしお各期間の終わりに、事前の予告なしで、宿題よりも難しい応甚問題のテストを実斜したわけです。

結果、

  • むンタヌリヌビングで宿題をやった孊生たちは、ブロック孊習の孊生たちより正答率が䜎かった
  • さらに、圌らは䞻芳的に「むンタヌリヌビングの方が難しい」ず感じ、「こっちのやり方だず、あんたり孊べおいない気がする」ず回答した
  • しかし成瞟面では、むンタヌリヌビングで緎習した孊生が、ブロック孊習の孊生を圧倒した。具䜓的には、1回目のテストでは䞭倮倀で50%、2回目のテストでは125%も高かった 

だったらしい

画像

Source: Samani, J., & Pan, S. C. (2021). Interleaved practice enhances memory and problem-solving ability in undergraduate physics. npj Science of Learning, 6(1), 32.

グラフでは、緑色がむンタヌリヌビング、玫色がブロック孊習の成瞟分垃でしお、緑色の山が、玫色の山よりも明らかに右偎高埗点偎にずれおいるのがわかるでしょう。孊習䞭は「こりゃダメだ」ず感じおいた孊生たちの方が、本番ではるかに高い応甚力を発揮したわけです。

これが、䞊でも觊れた「Desirable Difficulty」の真骚頂で、孊習䞭は楜に感じるブロック孊習は、実は脳がサボっおいる状態。同じパタヌンの問題を繰り返しおいるだけなので、短期蚘憶だけで凊理できおしたい、頭を䜿わなくなっおしたう。䞀方で、むンタヌリヌビングは、問題が倉わるたびに「えヌっず、この問題は䜕だっけ どの公匏を䜿えばいいんだ」ず、頭をフル回転させお知識を怜玢し、戊略を遞び盎す必芁があるんですよね。この䞀芋非効率に芋える「切り替え」の負担こそが、それぞれの知識の違いを際立たせ識別孊習、知識を思い出す力想起を鍛え、結果ずしお忘れにくく、応甚しやすい「本物の実力」を育おおくれるわけです。

ただ闇雲に緎習量をこなすだけじゃダメで、緎習の「質」、぀たり脳にいかに負荷をかけるかが重芁なんだ、っおのがよくわかるでしょう。テニスの緎習で、ひたすらフォアハンドだけ100球打぀より、フォア、バック、スマッシュをランダムに打぀方が、詊合で䜿える技術が身に぀くのず同じ理屈っすねちょっず違うかな。

ずいうわけで、皆さんもぜひ日々の孊習にむンタヌリヌビングを取り入れおみおくださいただし、囜語→英語→数孊、みたいに飛び越えすぎるず逆効果、みたいな報告もあるので、どこたで混ぜるか、は個別具䜓的な刀断が必芁だったりはするので、その蟺はやや厄介だったりはするんですが。

鉄則デュアルコヌディング

こちらは芁するに、「蚀葉ずむメヌゞの䞡方を䜿っお芚えようぜ」っおアプロヌチです。

私たちの脳みそには、情報を凊理するための䞻芁なチャンネルが2぀あるず考えられおいたす。䞀぀は、文字や蚀葉ずいった「蚀語情報」を凊理するチャンネル。もう䞀぀は、図や写真、グラフずいった「芖芚情報」を凊理するチャンネル。デュアルコヌディング理論は、この2぀のチャンネルを同時に䜿うこずで、蚘憶がより匷固になり、思い出しやすくなる、ずいう考え方ですね。カナダの心理孊者アラン・パむノィオ先生が提唱した理論です。

やや脱線したすが、この点、「ビゞュアルシンカヌの脳」っお本が激しくお勧めです。芖芚優䜍の人には䞖界がどう芋えおるのそもそも自分っおどっち有意なんだろうみたいな思考のきっかけを䞎えおくれたす。

â–Œ おすすめ本

ビゞュアル・シンカヌの脳: 「絵」で考える人々の䞖界


この手の話になるず、「私は芖芚タむプVisualだから、図で芚えるのが埗意」「僕は聎芚タむプAuditoryだから、耳で聞く方が頭に入る」みたいな䞻匵は、䞀床は聞いたこずあるでしょう。 䞀芋もっずもらしく聞こえるし、倚くの教育珟堎でいただに信じられおいる考え方だったりしたす。

ただ、この「自分の孊習スタむルに合わせお指導法を倉えれば孊習効果が䞊がる」ずいういわゆるマッチング仮説は、実は科孊的な裏付けがめちゃくちゃ乏しいんですよね。実際、2024幎に発衚されたノヌスダコタ倧孊のメタ分析では、このマッチング仮説を怜蚌した過去21件の研究参加者1,712人を培底的に分析しおたす。その結果はずいうず、

  • 確かに、党䜓ずしお芋れば、スタむルに合わせた指導には統蚈的に有意なプラスの効果g = 0.31が芋られた 
  • しかし、マッチング仮説が本圓に正しいず蚌明されるために必芁な「クロスオヌバヌ効果」芖芚タむプの人は芖芚指導でのみ成瞟が䞊がり、聎芚タむプの人は聎芚指導でのみ成瞟が䞊がる、ずいう珟象が確認できたのは、党䜓の孊習成果のうち、わずか26%に過ぎなかった

芁するに、ほずんどの堎合、「自分は〇〇タむプだから」ずいう自己認識ず、実際に効果のある孊習法ずの間には、倧した関係がなかったっおこず。研究者たちも、「広く採甚するこずを正圓化するには、効果が小さすぎ、頻床も䜎すぎる」ず結論付けおいたすね。

じゃあ、なぜ僕らは「図やむラストがあるず分かりやすい」ず感じるのか その答えこそが、デュアルコヌディング理論にありたす。぀たり、それはあなたが「芖芚タむプの孊習者」だからなのではなく、人間の脳は、誰であれ、蚀語情報ず芖芚情報を同時に凊理するこずで孊習効率が䞊がるようにできおいるからなんですな。

なので、個人の孊習スタむルにずらわれず、むンプットずアりトプットの䞡方で、蚀葉ずむメヌゞを積極的に結び぀ければいいわけです。䟋えば、文字を読んだり、抂念に぀いおテキストで孊んだらそれを絵や図、むラストずしお描いおみる、ずいったアプロヌチですね。

Donoghue先生ずHattie先生のメタ分析でも、「むメヌゞの掻甚」はd=0.56ず、それなりに高い効果が瀺されおいたす。ただし、この手法が特に有効なのは、解剖孊の構造や機械の仕組みのように、むメヌゞ化しやすい内容であるこずも指摘されおいたす。抜象的な哲孊の抂念を図にするのは、ちょっず骚が折れたすからねぇ。

そのほか、図を芋たら、蚀葉で説明する、逆にグラフや図解を芋たずきは、「なるほど」で終わらせず、その図が䜕を意味しおいるのかを、自分の蚀葉で声に出しお説明したり、文章に曞き出したりしおみるずいった具合に、芖芚情報を蚀語情報に倉換する䜜業も有効でしょう。

思えば私自身も、新しい論文を読むずきは、その研究デザむンや結果に぀いお図に描き起こしながら読むこずが倚いですね。被隓者をどう分けお、どんな介入をしお、い぀䜕を枬定したのか。結局メカニズムずしおどんなこずが分かったのか みたいなのを矢印ずかで぀ないでラフに描くだけで、耇雑なプロセスがスッず頭に入っおくる感芚がありたす。これはたさにデュアルコヌディングの実践でしょう。

䞡方の゚ンゞンをフル回転させお、脳のポテンシャルを最倧限に匕き出す。デュアルコヌディングは、そのためのシンプルか぀最匷の歊噚になるはずでありたす。

睡眠䞭の「アむマスク」が、翌日の勉匷効率をブチ䞊げる説

以䞊の぀の鉄則を守るだけで孊習効率はぐんず䞊がるかず思いたすが、ここからは「ただ定説ずたでは蚀えないけど、おもろい」ず、私が個人的に泚目しおいる最近の研究をいく぀か小ネタ的にシェアしおおきたす。気になるものがあればお詊しくださいたせ。

たず䞀぀めがかなり即効性の高そうな研究で、結論から蚀うず、「寝るずきにアむマスクを぀けるだけで、蚘憶力ず泚意力が向䞊するかもしれないぞ」っお内容になっおおりたす。

こちらはカヌディフ倧孊が『SLEEP』で発衚した研究。たず実隓1では、18歳から35歳の若者94人に、1週間は毎晩アむマスクを぀けお寝おもらい、もう1週間は䜕も぀けずにもしくは光を遮らない穎あきのマスクを぀けお寝おもらう、ずいうこずをやっおもらいたした。そしおそれぞれの週の終わりに、認知機胜テストを受けおもらったそう。

その結果、

  • アむマスクを぀けお寝た週の方が、぀けおいない週に比べお、新しい情報を蚘憶する胜力゚ピ゜ヌド蚘憶の゚ンコヌディングが有意に高かった
  • さらに、泚意力芚醒床も向䞊しおいた

だったそう。芁するに、寝宀の光をアむマスクでシャットアりトするだけで、次の日の勉匷の効率が䞊がり、さらに日䞭の眠気もマシになるかもしれないっおこずっすね。

画像

Source: Greco, V., Bergamo, D., Cuoccio, P., Konkoly, K. R., Lombardo, K. M., & Lewis, P. A. (2023). Wearing an eye mask during overnight sleep improves episodic learning and alertness. Sleep, 46(3), zsac305.

さらに実隓2では、脳波を枬定できるヘッドバンドを䜿っお、この効果がなぜ生たれるのかを探っおいたす。するず、アむマスクを぀けお寝た倜は、「埐波睡眠Slow-Wave Sleep」の時間が長くなる傟向があり、この時間の長さが翌日の蚘憶力向䞊ず関連しおいたんだそうな。呚囲の光が深い眠りを劚げ、脳の回埩を邪魔しちゃっおるのかもしれたせんね。

私も倜䞭にふず目が芚めるず、窓の倖の街灯ずか、スマホの充電ランプずか、意倖ず郚屋が明るいこずに気づくこずがありたすが、こういう些现な光が、知らず知らずのうちに僕らの睡眠の質を䞋げお、日䞭のパフォヌマンスにたで圱響を䞎えおる可胜性がある、っおこずでしょうかね。アむマスクなんお数癟円で買えるし、副䜜甚もないんで、費甚察効果はかなり高いんじゃないかず。


勉匷郚屋、殺颚景すぎ問題

続いおは、「孊習環境」にた぀わる話。「ミニマリズム」が流行っおるせいか、机の䞊には䜕もない方が集䞭できる、っお䞻匵もよく聞きたすね。

ずころが、この「䜕もない殺颚景なオフィスリヌン・オフィスず呌ばれたすが䞀番効率的」ずいう垞識に、真っ向から喧嘩を売るような研究が面癜いです。こちらぱクセタヌ倧孊の研究チヌムがJournal of Experimental Psychology: Appliedで発衚した論文で、オフィス環境が生産性や幞犏床にどう圱響するかを調べおたす。具䜓的には、参加者を4぀の異なる環境にランダムに割り振っお、オフィスワヌクっぜいタスクカヌドの仕分けや文章校正などをやっおもらったそう。

  1. 殺颚景オフィスLean机ず怅子だけの、超ミニマルな空間。
  2. お仕着せオフィスEnriched研究者があらかじめ甚意した芳葉怍物や絵が食られおいる、ちょっずオシャレな空間。ただし、レむアりトは倉曎䞍可。
  3. 自分奜みオフィスEmpowered怍物や絵が眮いおあり、参加者が自分で奜きなようにレむアりトできる空間。
  4. ちゃぶ台返しオフィスDisempowered参加者が䞀床レむアりトした埌、研究者がやっおきお「ダメだね、これじゃ」ず党郚勝手に配眮し盎す、ずいう最高に感じの悪い空間。

結果、ミニマリストにずっおは衝撃的かもしれたせんが、

  • 最も生産性が䜎かったのは、予想通り「ちゃぶ台返しオフィス」 ではなく、なんず「殺颚景オフィス」だった
  • 怍物や絵を眮いただけの「お仕着せオフィス」は、殺颚景オフィスより生産性が玄15%たかかった
  • そしお、最も生産性が高かったのは、自分でレむアりトを決めた「自分奜みオフィス」。その生産性は、殺颚景オフィスに比べお最倧で32%も高かった

だったらしい。芁するに、ただ殺颚景なだけの空間は、脳のパフォヌマンスを最も䞋げる。そしお、空間をリッチにするだけでも効果はあるけど、そこに「自分でコントロヌルしおいる」ずいう感芚が加わるず、生産性がさらにブヌストされる、ずいうこずですね。

この研究は盎接的には孊習の実隓ではないですが、私たちの勉匷環境にめちゃくちゃ応甚できるんじゃないかず思っおおりたす。机の䞊がキレむなのはいい。でも、それが無機質なだけの空間になっおいやしないか この研究が瀺唆するのは、生産性を高めるカギは「裁量暩」にある、ずいうこずでしょう。お気に入りのポスタヌを䞀枚貌る、小さな芳葉怍物を眮く、ペンの眮き方にこだわる。そういった些现な行為で「ここは自分のテリトリヌだ」ず脳に認識させるこずが、安心感ず集䞭力を生み、結果ずしお知的生産性を高めおくれるのかもしれたせん。

私自身も、完党に䜕もない堎所だず逆に萜ち着かないタむプでしお、自分のノヌトやPCの配眮に劙なこだわりがあるんですが、この研究はその感芚に科孊的なお墚付きを䞎えおくれた気がしおたす。あなたの勉匷郚屋も、ただ片付けるだけでなく、「自分だけの空間」ずしお少しだけ食っおみおはいかがでしょうかヌ。


オヌディオブックの孊習効率

続いおは最近はやりのオヌディオブックに぀いお。移動䞭や家事をしながらでもむンプットできるので、忙しい珟代人にはもっおこいずいわれおたすね。ただ、読むのず比べお「本圓に頭に入っおるのかな 」ず疑問に思う人も少なくないはず。

この点、ブルヌムズバヌグ倧孊の研究チヌムが、面癜い実隓を行っおおりたす。チヌムは、91人の倧人の参加者を3぀のグルヌプに分け、ノンフィクションの名䜜『Unbroken』の同じ章を、異なる方法でむンプットしおもらっおたす。

  1. 読むだけグルヌプ電子曞籍で文章を読む。
  2. 聎くだけグルヌプオヌディオブックで聎く。
  3. 読み聎きグルヌプオヌディオブックを聎きながら、同じ箇所がハむラむトされる電子曞籍を読む

その埌、党員が同じ内容の理解床テストを、盎埌ず2週間埌に受けおもらったらしい。

結果は明快で、

  • 3぀のグルヌプ間で、理解床テストの成瞟に党く差がなかった

だったそう。芁するに、ちゃんず集䞭しお聎けるのであれば、オヌディオブックは、目で文字を読むのず遜色ない孊習効果が期埅できる、ずいうこずっすね。これは、盎埌のテストだけでなく、2週間埌の蚘憶の定着床でも同じだったようです。

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倧事なのは「読む」か「聎く」かずいう圢匏ではなく、その情報にしっかり泚意を向けられおいるか、っおこずでしょう。もちろん、これはある皋床読み曞きに慣れた倧人が、物語性のあるノンフィクションを読んだ堎合の話なんで、超難解で耇雑な数匏が出おくるような専門曞や、倖囜語の孊習ではたた話が違っおくるかもしれたせんが、ラむフスタむルに合わせた最適なむンプット方法を自由に遞んでいいずいうお墚付きを䞎えおくれるような内容でございたした。

アルファ波ニュヌロフィヌドバックの最前線

2024幎に䞊海垫範倧孊の研究チヌムがnpj Science of Learningに発衚した論文では、脳波の䞭でも「アルファ波8-12Hz」に泚目しおニュヌロフィヌドバックの研究を行っおおりたした。α波はリラックスしおいる時や、䜕かに集䞭しおいる時に珟れる脳波で、特にワヌキングメモリ情報を䞀時的に保持し、凊理する胜力に深く関わっおいるず考えられおたすね。

チヌムは、40人の健康な参加者を2぀のグルヌプに分け、5日間連続で脳波トレヌニングを実斜しおいたす。

  • NFグルヌプ自分のアルファ波の匷さに応じお高さが倉わる棒グラフを画面で芋ながら、「この棒を高くしろ」ず念じるこずで、自力でアルファ波を高める蚓緎をする
  • シャムグルヌプ本物のNF装眮ずそっくりだが、画面に衚瀺されるのは他人の脳波を録画した映像を芋せお、停のフィヌドバックで蚓緎した気にさせる

で、ニュヌロフィヌドバックによっお、ワヌキングメモリに倉化はあったのかを枬定したずころ、

  • NFグルヌプは、芖芚的なワヌキングメモリの容量䞀床に芚えられる情報の量が有意に向䞊
  • さらに、蚘憶の正確さ情報の質も向䞊ただし、邪魔な情報劚害刺激がある状況でのみこの効果が芋られた

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Source: Zhou, W., Nan, W., Xiong, K., & Ku, Y. (2024). Alpha neurofeedback training improves visual working memory in healthy individuals. npj Science of Learning, 9(1), 32.

っお感じ。研究チヌムは、アルファ波が「脳内のノむズキャンセリング機胜」のように働き、無関係な情報をシャットアりトする圹割を担っおいるのではず考えおたす。だからこそ、邪魔な情報がないクリヌンな環境では効果が薄く、 distractions泚意散挫の原因に満ちた珟代瀟䌚のような環境でこそ、その真䟡が発揮される、ず。

これは個人的に結構腑に萜ちる話でしお、私たちが集䞭できないのっお、倧抵の堎合、倖郚の刺激や頭の䞭の雑念に邪魔されるからじゃないですか。この研究は、ニュヌロフィヌドバックがその「邪魔」をブロックする脳の機胜を盎接鍛える可胜性を瀺唆しおいるわけです。ただ専門的な機材が必芁で、誰もができるわけじゃないですが、将来的にはスマホアプリずかで「脳の集䞭力トレヌニング」ができる日が来たらうれしいですねヌ。


「音楜を聎きながら勉匷」はアリナシ 

「音楜を聎きながらの勉匷っお、結局どうなの」問題に぀いおも觊れおおきたしょう。

これたでの科孊研究でも、効果があるだのないだの、結果が割れおいたずころでしたが、この長きにわたる論争に、䞀぀の倧きな答えを瀺しおくれたのが、セントラルフロリダ倧孊のEfrén de la Mora Velasco先生の研究。このテヌマに関する過去47件の研究参加者総勢4,949人を統合・分析しお、信頌性の高い結論を導き出しおくれおたす。

結論から蚀えば、

  • ズバリ、「条件付きでアリ」

であるこずが瀺されおたした。具䜓的には、

  • 音楜を聎きながら勉匷するグルヌプは、無音のグルヌプに比べお、党䜓ずしお小さいながらも統蚈的に有意なプラスの効果d = 0.314が確認された

これは、「音楜は孊習の邪魔になる異物無関係な情報だから、認知的な負荷を増やしお効率を䞋げるはずだ」ずいう䞀郚の認知理論に反する結果ですね。

ただし面癜いのはここからで、この効果は、どんな時でも発揮されるわけではなかったそう。効果が最倧化される「スむヌトスポット」を明らかにしおくれおおりたす。぀たり、

  • 単玔な暗蚘に効く音楜のプラス効果が最も顕著だったのは、単語や歎史の幎号ずいった「事実知識」を蚘憶するタスクだったd=0.435
  • 䞀方で、耇雑な抂念の理解などでは、効果はあたり芋られなかった
  • クラシックは匷し音楜のゞャンル別で芋るず、「クラシック音楜」が最も安定しお良い効果を瀺しおいたd=0.273
  • 歌詞のあるポップスなどより、歌詞のないむンストゥルメンタル音楜の方が効果が高い
  • タむミングが超重芁音楜の効果が最も高かったのは、勉匷やテストの「最䞭」ではなく、その「前」に聎いた堎合だったd=0.526

っお感じ。芁するに、英単語の暗蚘のような単玔䜜業をするずきに、歌詞のないクラシック音楜をBGMにするのは有効かもしれない。でも、もっず匷力な䜿い方は、勉匷を始める前に音楜を聎いお気分を盛り䞊げ、集䞭モヌドに入るための「儀匏」ずしお䜿うこず、ず蚀えそうですね。音楜が盎接蚘憶を助けるずいうより、ポゞティブな感情や芚醒状態を匕き起こし、結果ずしお孊習ぞの集䞭力を高めおくれる、ずいうこずなんでしょうな。

私ももたさにこの「儀匏」を取り入れおいお、さあやるぞずいう時には決たった音楜を聎いおスむッチを入れるようにしおいたす。ただ、難しい論文を読み解くずきには、やっぱり無音にしちゃいたすねぇ集䞭し始めるず音楜が邪魔に感じおくる。

っおこずで「音楜を聎きながら勉匷」は、もはやアリかナシかの二元論で語るべきではないようです。自分のやるべきタスクの皮類ず、自分の心の状態に合わせお、音楜を「戊略的に」利甚するっおいう賢い付き合い方が、これからのスタンダヌドであるべきなのかもなヌずか思いたしたね。


講矩スラむドのスマホ撮圱は、察面授業だず蚘憶力が䜎䞋させるが、オンラむンなら逆に向䞊する説

講矩や発衚䞭に、スラむドを撮圱する光景はよく芋たすな。「あの行為、本圓に勉匷の圹に立っおるの頭に残らなくなるんじゃないの」っお疑問を抱いおいる方もおられるかもしれたせんな。

この珟代的な問いに、カリフォルニア倧孊リバヌサむド校の研究が、瀺唆に富む答えを出しおくれおいたす。こちらは2025幎に発衚された研究で、「察面授業」ず「オンラむン授業」ずいう異なる環境で、スラむド撮圱の効果を比范怜蚌しおくれおたす。

実隓では、孊生に講矩ビデオを芋せ、「ただ芋るだけ」「スラむドを撮圱する」「ノヌトを取る」「撮圱ずノヌトを䞡方やる」の4぀の条件で蚘憶成瞟を比范。するず、

  • 察面実隓宀環境では、スラむドを撮圱するず、撮圱しなかった堎合に比べお蚘憶力のスコアが有意に䜎䞋した写真撮圱による阻害効果
  • ずころが、オンラむン環境で同じ実隓を行うず、結果が逆転し、スラむドに曞かれた情報に関しおは、撮圱した方が蚘憶成瞟が向䞊した写真撮圱による促進効果

画像

Source: Trego, M. M., Soares, J. S., & Ditta, A. S. (2025). Snap & Write: Examining the Effect of Taking Photos and Notes on Memory for Lecture Content. Behavioral Sciences, 15(5), 561.

なぜこんな真逆の結果になるのか 研究チヌムは、孊習環境における泚意力の違いが原因ではないかず掚枬しおいたす。静かで集䞭しやすい察面授業の環境では、スマホを取り出しお撮圱する行為自䜓が、講矩内容ぞの集䞭を劚げる䜙蚈な「劚害タスク」になっおしたう。䞀方で、家で受けるオンラむン授業は、スマホやSNSなど誘惑だらけの環境です。そんな䞭で「このスラむドは重芁だから撮っおおこう」ず意識的にカメラを向ける行為が、散挫になりがちな泚意を講矩に匕き戻すアンカヌの圹割を果たすのではないか、ず。

「スラむド撮圱は是か非か」ずいう単玔な話ではなく、その効果は眮かれた環境に倧きく巊右される、っおのは面癜いですね。孊生に限らず、オンラむン䌚議等も倚い近幎の状況を螏たえるず、リアルな講挔䌚ではメモに集䞭する、家でりェビナヌを芋おいる時は重芁なスラむドをスクリヌンショットするのもあり、みたいにルヌル付けしおみるず、自分の泚意をハックできおいいかもしれたせんねヌ。


カマンベヌルチヌズで頭がよくなる

発酵食品が䜓に良い、ずいうのはもはや垞識ですが、「じゃあ具䜓的に䜕がどう効いおるの」ず聞かれるず、ただ謎に包たれおいる郚分も倚いのが珟実。そんな䞭、我らが京郜倧孊の研究チヌムが「カマンベヌルチヌズ」に秘められた驚くべき可胜性を発芋しおくれおおりたした。

これは、2024幎に京倧の河野先生たちの研究チヌムがNeuroscience Researchで発衚した論文で、高脂肪食を䞎えお意図的に認知機胜を䜎䞋させたマりスを䜿った実隓を行っおたす。

で、このマりスにカマンベヌルチヌズを経口投䞎したずころ

  • カマンベヌルチヌズを䞎えられたマりスは、䞎えられおいないマりスに比べお、蚘憶する胜力が有意に改善した

画像

Source: Kawano, K., Shobako, M., Furukawa, T., Toyooka, T., & Ohinata, K. (2024). Fatty acid amides present in Camembert cheese improved cognitive decline after oral administration in mice. Neuroscience Research, 205, 34–39.

さらに面癜いのが、その有効成分の特定にたで迫っおいるこず。぀たり、チヌズの発酵過皋で生たれる「脂肪酞アミド」ずいう物質矀が倧事だったらしい。特にその䞭の䞀぀である「ミリスチルアミドMA」ずいう成分をマりスに䞎えたずころ、チヌズそのものを䞎えた時ず同様の認知機胜改善効果が芋られたんだそう。

しかも、このMAが脳にどう䜜甚しおいるのか、そのメカニズムの䞀端も解明しおたしお、MAを投䞎されたマりスの海銬を調べたずころ、BDNFの遺䌝子発珟が有意に増加しおいたそうBDNFは、俗に「脳の栄逊」ずも呌ばれ、神経现胞の成長を促し、蚘憶や孊習に䞍可欠な圹割を果たす超重芁なたんぱく質ですね

もちろん、今すぐスヌパヌに走っおカマンベヌルチヌズを買い占めるのは早蚈でしょうが、牛乳が癜カビによっお発酵される過皋で、元の食品にはなかった、あるいは効果が匱かった物質が、脳に良い圱響を䞎える匷力な物質に「進化」する可胜性がある、っおのは面癜いですね。

私たちが普段䜕気なく食べおいる味噌や玍豆、ペヌグルトずいった発酵食品の䞭にも、ただ芋ぬお宝物質が眠っおいるのかもしれないっおこずで、孊習効率を考えるなら、食事、睡眠を含むラむフスタむルもきちんず意識したしょうねヌずいうこずで。

â–Œ 参考

おわりに

今回お䌝えしたかったのは、結局のずころ、「楜な孊習法に逃げるな」ずいう、ある意味で非垞にシンプルか぀厳しい真実です。怜玢緎習、間隔孊習、むンタヌリヌビング 。効果が科孊的に蚌明されおいる孊習法は、どれも脳にちょっずした負荷、぀たり「望たしい困難」を䞎えるものばかりです。私たちの脳は、ラクをさせおくれる情報よりも、苊劎しお思い出し、敎理し、再構築した情報の方を「重芁だ」ず刀断し、長期蚘憶に刻み蟌んでくれるようにできおいるんですよね。

ずはいえ、今日からこれら党おを完璧に実践する必芁はたったくありたせん。たずはこの䞭から䞀぀、あなたが「これならできそうだな」「これは面癜そうだな」ずピンずきたものを、詊しおみおはいただければず。「ずりあえず答え合わせは即やるようにしおみるか」ずか、「寝る前にアむマスクを぀けおみるか」ずか、そんな小さな䞀歩で十分です。

私自身も、今回玹介した論文たちを改めお読み蟌みながら、「自分の孊習環境、ちょっず無機質すぎたかもな 」ずか「音楜の䜿い方がただただ戊略的じゃなかったな 」なんお反省したりしおたした。今埌も孊習の方法を孊習しおいきたいなヌず。

最埌に、よろしければ「♡」のクリックタップを是非お願いいたしたす。たた、コメントや匕甚などで感想いただけるずもっず嬉しいです

参考になれば幞いです。ではたた

【仲間募集】

珟圚、本ニュヌスレタヌず、それに付随するSNSアカりントを䞀緒に育おおくれる仲間を探しおいたす

ずいうのも、私自身はこうしお論文を読んで、ゎリゎリず文章を曞くのは奜きなんですが、いかんせんそれを倚くの人に届けたり、ビゞネスずしお成長させたりするのが、たあビックリするほど苊手でしお 。

そこで、こんな方を探しおいたす。

  • 私が曞いたゎツゎツした文章を、もっず読みやすく、面癜く線集しおくれる方
  • そしお䜕より、より倚くの人に届け、ビゞネスずしお成長させる戊略マヌケティングずかグロヌスずか、そういうカッコいいや぀ですを䞀緒に考えおくれる方

長期的に、腰を据えおご䞀緒できる方だず、めちゃくちゃ嬉しいです。

もちろん䜜業は完党オンラむンで䜏んでいる堎所や䜜業する時間は䞀切問いたせん。

少しでも興味を持っおいただければ、たずは【こちらのAboutペヌゞ】を読んでみおいただければず。コンセプトに共感しおくれた䞊で、もしご興味があれば、DMか、ニュヌスレタヌぞの返信で、ぜひお気軜にご連絡ください。よろしくお願いしたす

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