今回は恋愛のお話で、中でも「2回目のデートにつなげる確率を最大限ひきあげるにはどうすればいいか？」というテーマで考えてみましょう。

というのも、最近よく「マッチングアプリで電話や会う約束までは取り付けることができたけどそのあと発展しない」「1回目のデートで終わってしまう」的な相談を受けることが多かったんですよ。ありがたいことに、過去のマッチングアプリ対策の記事をうまく活用してくれている方がいる一方で、その先どうするか？についてはあまり体系立ててまとめてなかったなーって気づかされたので、今回改めてまとめておくことにしました（殆ど殿方からのご相談だったので、今回は男性をメインの対象読者と想定して書いてみます）。

本ニュースレターでは、徹底的に調べあげたエビデンスをベースに「より信頼でき、真に価値ある情報」をレポートし、ゴミがあふれるネット上においてキラリと光る質の高いコンテンツをお届けすることを目指しています。あなたの人生を彩るヒントとしてご活用いただければ幸いです。

まず前提として理解しておきたいのが、人はデートに対して予想以上の不安や緊張を感じているってところ。実際2023年にBetterHelpが実施した1,000人以上のアメリカ人を対象とした調査によると、実に47%の人々が恋愛に関してストレスを感じていることが明らかになってたりします。特に若い世代では、その数値は著しく高くなっていて、Z世代では70%、ミレニアル世代では57%が恋愛に関するストレスを報告していたとか。

ほかにも、マッチングアプリFlirtiniが2,000人の成人男女を対象に実施した調査では、女性の68%がデートを主要なストレス源として挙げていたぞーってのもわかってたりしますね。要するに、男性が想像している以上に、女性にとってデートは大きな心理的負担となっているってわけですな。この辺りのデータを改めてみてみると、初回デートにこぎつけさえすればあとは安泰、ってわけにもいかず、初回デートでいかなる戦略をとるかが、その後の関係性を構築できるかどうかにおいて大事であることがお判りいただけるのではないかと。

ちなみに、本ニュースレターの読者様にはもはや耳タコでしょうが、恋愛に科学を持ち込むのは無粋だ！っていう批判は受け付けてないのでご了承ください。

	瀧本いち
	@sei_takimoto

「自然が一番！全て相性で決まるから」と言う人は
自分から相手に合わせる努力をしないので地雷です

— 瀧本いち華@日本性知識普及協会 (@sei_takimoto) October 27, 2024

じゃあ初回デートでは何をすればいいんすか？ってのが気になるわけですが、当然「これだけやってれば百発百中！」ってなシルバーブレットはなし。わかりやすい話、外見と内面どっちが大事？って聞かれれば即座に「どっちも」って答える女性が多いのは想像に難くないでしょう。実際、2023年にOnePoll/Forbes Healthが実施した5,000人規模の調査でも、初対面のデートに際して、外見と性格の両方が大事！ってのは明確に示されてたりしますね（ただし、年齢層によって重視する要素に違いが見られてて、78歳以上の層では19%が外見を最重要視する一方、18-26歳の若年層では、わずか8%しか外見を最重要視していなかったとかの違いはある）。

さらに内面の中でも会話の内容は？性格は？マナーは？とか色々あるんで、以下ではそれらを一つ一つ考えていくことにしましょう。

ちなみに、こんなことを言っていると、「そんな面倒なら女性からアプローチしてくるのを待ってればいいんじゃない？」的な反応をしたくなる人もいるはず。しかし、Institute for Family Studiesが1500人の若者たちにデートの思い出について尋ねた調査では、自分から初回デートに誘った男性は、そうでない男性に比べて、その後の関係に非常に満足していると答える可能性がはるかに高かった、みたいなデータがあったりするんで、殿方としては自分で戦略を立てて攻めの姿勢でパートナーを見つけていくほうが自身のためにもなるんじゃないかと思っております。

そもそも「魅力」ってなに

初回デートの究極の目的は「また会いたいと思うに値するだけの『魅力』を感じさせること」。てことで以下でも度々「魅力」って単語が出てくるんで、まずはこの単語の定義をすり合わせておきましょう。社会心理学において、「魅力（Attraction）」は「単なる外見的な好みを超えた、複雑な概念」として定義されていて、ここではEastern Connecticut State UniversityのMadeleine A. Fugère博士の考えを参考に分解してみましょう。彼女によれば「魅力」には、好意、性的欲求、類似性、さらには物理的な近接性までもが含まれます。具体的には、人が感じる「魅力」は主に以下の5つのカテゴリーに分類されるとのこと：

1. 性的魅力（Sexual Attraction）
2. • 身体的な親密さを求める欲求に基づく
   • 主に物理的な手がかりによって引き起こされる
2. 身体的魅力（Physical Attraction）
3. • 外見的な要素に基づく引力
   • 進化的な適応メカニズムと関連
3. 感情的魅力（Emotional Attraction）
4. • 心理的な結びつきへの欲求
   • 共感や理解に基づく
4. ロマンティックな魅力（Romantic Attraction）
5. • より深い関係性を求める感情
   • 将来的なパートナーシップの可能性を感じさせる要素
5. 審美的魅力（Aesthetic Attraction）
6. • 純粋に視覚的な appreciation
   • 必ずしも関係性を求めない魅力

初回デートにおいては、これらの多面的な魅力をアピールすることが大事。なぜなら、私たちは往々にして「魅力」を一元的に捉えがちですが、実際には複数の要素が複雑に絡み合って、相手に対する総合的な印象を形成しているからですね。

初回デートの理想の所要時間：20分ルール

では、ここからは具体的な初回デートの戦略について考えてみましょう。まず気になるところとして、初回デートは何時間かけるべき？ってのは結構悩ましいところじゃあないでしょうか。

この点、結論としては「1時間くらいでいいんじゃない？」と考えられてます。例えば2023年5月のAvocado Green Mattressの調査では、アメリカ在住の独身で交際・パートナー探しをしている2,000人を対象にアンケートを実施。その結果、

• 平均的に、たった19分で2回目のデートに進むかどうかを判断していた
• この「決断の時間」は、世代によって異なる傾向が見られたがそれでも20分前後だった

って感じだったらしい。以前にも第一印象についてはまとめたことがありますが、やっぱり第一印象ってのは当然ながら初回デートにおいても超重要ってわけですね。

この結果は、一見すると性急に思えるかもしれませんが、学術的には、これってのは前述の「魅力」の多面的な性質と深く関連しているんですな。

1. 初期評価の効率性
2. • 私たちの脳は、相手との相性を非常に早い段階で直感的に評価できるよう進化してきた
   • 特に、感情的魅力やロマンティックな魅力は、比較的短時間で判断することが可能
2. 意思決定の最適化
3. • 長時間のデートが必ずしも判断の正確性を高めるわけではない
   • むしろ、核となる相性の判断は初期の段階でほぼ完了していることが多い

ってなわけで、実践的なアドバイスに落とし込むとこんな感じ。

• 初回デートは1〜2時間程度に設定するのが理想的（長いとぼろが出るだけになる可能性もあるし、「まだ話したりない」くらいの感覚がちょうどよい）
• 最初の20分間に特に注力することで、効果的な印象管理が可能
• ただし別れ際には早く帰らないといけない理由を添えるべき

初回デートは、あくまでも「お互いをより知るための最初のステップ」として捉えることが重要で、とりあえず当日に決着つけようとしない方がいいよーって感じですかねー。

初回デートの成功を決める最重要因子：「会話」の決定的重要性

じゃあその短時間で何を意識すべきか？といえば間違いなく「会話」でしょう。2023年2月に発表されたHingeによるデート調査（対象者14,000人）では、フィジカルな親密さや相互の魅力以上に、「良質な会話」が初回デートの成功を決定づける最も重要な要素であることが明らかになってたりするんですな。

具体的な数字を見てみましょう：

• 回答者の88%が「良質な会話ができた」ことを「いいデートだった」と考える根拠にしていた
• 良好なコミュニケーションを重視したデートは、フィジカルな親密さを重視したデートと比較して、2回目のデートにつながる可能性が2倍高かった

2倍ってのはすごいですねぇ。研究チーム曰く、

「初回デートの本質は、つながりを作ることにあります。そして、そのつながりを確立するために、優れた会話は不可欠なのです。相手があなたを笑わせるのか、知的な刺激を与えてくれるのか、魅力を感じさせるのか―――これらすべては、会話を通じて判断することができます」

とのこと。当然っちゃ当然ですけど、初回デートではいかに身体的に接触するか、よりも会話を通じて心の距離をどのくらい縮められるかが大事ってわけですね。

さらにこの研究に基づいて、初回デートでの効果的な会話のための具体的なテクニックをまとめてみるとこんな感じです。

1. アクティブリスニングの実践
2. • 相手の話に集中し、純粋な好奇心を持って聴く
   • アイコンタクトを維持する
   • スマートフォンはテーブルに置かない
2. ポジティブなボディランゲージの活用
3. • 微笑みかける
   • 適度にうなずく
   • 相手の話を要約して返す
3. 効果的な質問テクニック
4. • 表面的な会話を避ける
   • 将来の展望について聞く（例：「将来どこに住みたいと思っているか」）
   • 仮定の質問を活用する（例：「理想の1日はどんな日？」）

「共通点探し」の科学的根拠

会話において意識すべきなのが、「類似性」「共通点」を感じさせること。「違った考えを持つ人と付き合いたい」って言っている人も実際には似たような人に惹かれる傾向があるってのはデータでも示されてるんですよね。

これは人間の配偶者選択に関する最も確立された理論の一つ「相同類婚（Assortative mating）」ってやつでして、古くからの研究（例えばBotwin et al.（1997））で、人は本能的に自分と似た特徴を持つ相手を選ぶ傾向が一貫して確認されているんですな。

具体的に、共通点を意識させるべき項目として、以下の要素はどれも有効であることが研究によって明らかになってます：

1. 基本的な価値観
2. • 生き方や考え方
   • 宗教観
   • 民族性
   • 社会経済的地位
   • 恋愛・結婚に対する考え方
2. 知的・心理的特性
3. • 知能レベル
   • パーソナリティ特性
   • 教育に対する考え方
3. 身体的特徴への好み
4. • 身長
   • 髪の色
   • 目の色

ただ、どれでも好きなのアピールすればいいよ！ってわけでもなくて、可能であれば以下のポイントを意識しながらどの観点から共通点を認識させるか、考えてみるとよいでしょう。

男性の場合

• 外見的な魅力をより重視
• 視覚的な要素に注目
• 第一印象での判断が強い

女性の場合

• 心理的特性をより重視
• 社会的特性に注目
• 社会的に望ましい性格特性を重視

さらに、共通点周りの会話のテクニックの整理として、以下のようなポイントを抑えておくと、ポイントを順調に蓄積していけるはずであります。

1. 共通点を見つけるための質問例
2. • 教育背景に関する質問
   • 将来の目標についての会話
   • 趣味や関心事の探索
   • マッチングアプリを始めた背景、周囲の使用状況
2. 効果的な掘り下げ方
3. • オープンエンドな質問を使用
   • 相手の回答に対する適切なフォローアップ
   • 共感を示す反応
   • アイブローリアクション
3. 避けるべき話題
4. • 宗教や社会階級（初期段階では避ける）
   • 伝統的な性役割に関する議論
   • 家族計画に関する直接的な話題

非言語コミュニケーションの力

もちろん、初回デートでは会話を起点にしつつも「非言語」のコミュニケーションも大事。てなわけで、ここでは、初回デートにおける効果的な非言語コミュニケーションのパターンが明らかにされている2011年の研究を確認してみましょう。

初期段階での推奨行動

1. 控えめなジェスチャー
2. • 大きな動作を避ける
   • 穏やかな手の動き
   • 落ち着いた身振り
2. 話し方のテクニック
3. • ゆっくりとした話し方
   • 適度な声量
   • 明確な発音
3. 姿勢の工夫
4. • やや後ろに傾いた姿勢
   • 相手のパーソナルスペースを尊重
   • リラックスした体勢

段階的なアプローチの重要性

研究によれば、以下の段階を踏むことで、より効果的な印象管理が可能になるらしい。

1. 初期段階
2. • 非威圧的な態度
   • 相手の緊張緩和を優先
   • 安全な距離感の保持
2. 相手がリラックスしてきた段階
3. • より活発なジェスチャーへの移行
   • 表現力の徐々に増やす
   • 自然な性格の表出

また、どの段階でもアイコンタクトは重要で、脳の報酬系を活性化してくれるし、実際魅力度の向上に寄与することが複数の研究で確認されているし、やるっきゃないよ！って強調されてたんで、この点も抑えておくとよろしいのではないかと。

魅力を生み出す「シンクロニー」

非言語的コミュニケーションの文脈では、「ミラーリングしようぜ！」ってのは聞いたことがある方も多いはず。相手がコップを持ったらこちらもコップを持つ、みたいなテクニックですね。しかし最近の研究では、体の「内部」が同期することによってより高い魅力を感じさせられるぞ！ってなことがわかってたりします。

意味不明だと思うんで、エルサレムのヘブライ大学心理学部のShir Atzil博士らの研究チームが、Scientific Reports誌に発表した研究を参考に見てみましょう。これは、初回デートにおける「シンクロニー（同期）」の重要性が科学的に実証された研究ですね。

研究手法：

• 46組のヘテロセクシャルカップルによるスピードデート実験
• 各デートは5分間
• 参加者はリストバンドで生理的反応を測定
• 行動の観察（うなずき、腕の動き、脚の動きなど）
• デート後の相互評価（ロマンティックな魅力と性的魅力）

この研究で明らかになった最も重要な発見は、単なる行動の模倣ではなく、より深いレベルでの同期が魅力の評価に大事だったってこと。つまり、

1. 生理的同期
2. • カップルの生理的な反応が自然に同期する
   • この同期はロマンティックな魅力と強い相関を示す
2. 性差による影響
3. • 両性とも同期は魅力に影響
   • 特に女性は、高度な同期能力を示す男性（「スーパーシンクロナイザー」）に強い性的魅力を感じる

つまり、発汗や心拍数の同調が起こっている人に対して高い魅力を感じる！ってわけですな（研究チームは、この現象を親子の絆形成研究から説明している）。ただ、そんなの意図的には何もできないじゃん！って思うかもですが、工夫次第で生理的な同調も起こすことが可能。つまり、

1. 感情的な共有
2. • 会話を通じて感情を共有する
   • 相手の感情に共感を示す
2. 深いエンゲージメント
3. • 表面的な同調ではなく、本質的な理解を目指す
   • 相手の話に真摯に向き合う

といった、「会話」における工夫をすることで、行動上の「ミラーリング」を超える魅力を知覚させることができるのではないか、ってわけですね。他にも2015年の研究では、女性は、感情的な会話をしているときに男性に高い魅力を感じていた、みたいなこともわかっていたりするんで、測定するのはかなり難しいでしょうが、感情を引きだすトピックの選択と、それに対する共感、ってのは意識的にトライしてみる価値は十分あるんじゃないかと。

「声」の影響力

2017年にポーランドのヴロツワフ大学の心理学者グループが発表した研究レビュー等を見てみると、声は異性間の魅力に重要な生物学的指標となることが明らかになっていて、初回デートでも重要だろうと指摘されています。余裕があればこちらも意識してみてもいいかもしれないっすね。

性別による声に対する好みの違い

1. 女性の場合の傾向
2. • 低い声を魅力的に感じる
   • 男性的な印象と結びつく
   • テストステロンレベルとの関連を無意識に感知
2. 男性の場合の傾向
3. • 高い声を魅力的に感じる
   • 若さや体型との関連を推測
   • 女性らしさの指標として認識

声のピッチの同調

• カップル間で声のピッチが自然に調整される
• 男性はやや高め、女性はやや低めに
• 関係性の深まりを示す指標となるが、初期段階で声が高くなると魅力が低下する可能性があるので注意

成功するデートのマナー

会話と同様に大事（だけど男性が軽視しがち）なのが、「マナー」であります。この点についてはまずとある研究をチェックしてみましょう。

Sexuality & Culture誌に掲載された最近の研究（Moran et al., 2023）では、2回目のデートにつながる可能性を高める行動について、3つの実験によって検討したんだそう。

その結果、女性は特に男性の「エチケット」に関する行動を重視することが明らかになったらしい。具体的には：

1. 基本的な礼儀作法
2. • 親切で思いやりのある態度を示す
   • 適切な社会的振る舞いを維持する
   • ドアを開けるなどの気配りを忘れない
2. 傾聴の姿勢
3. • 相手の話に真摯に耳を傾ける
   • 適切なタイミングで相槌を打つ
   • 会話を遮らない
3. 思いやりの表現
4. • 相手の意見や感情を尊重する
   • 必要以上に自己主張をしない
   • 相手のペースに合わせる
4. 金銭面での配慮
5. • 会計の際の適切な対応
   • 支払いに関する明確な態度

（参考：女性の場合）
研究では、男性は女性の「インボルブメント（関与度）」を重視するようで、
・アイコンタクトを積極的に取る
・適度な笑顔を見せる
・良好なボディランゲージを維持する
・質問を通じて会話に積極的に参加する
といった点が大事。

この研究で特に面白いのは、一部の基本的なマナー（例：支払いや扉を開ける行為）は、性別に関係なく重要視されているものの、その受け取られ方には明確な性差があるってところ。つまり、

• 男性の礼儀正しい行動 → 思いやりと社会性の表れとして評価される
• 女性の礼儀正しい行動 → 基本的なマナーとして認識される

ってことで、男性は特に初回デートにおいてマナーを意識しとくとよいでしょう（というかマナーがなってないとマイナス、または一発アウトの評価を食らう）。

色彩心理学から見るデートファッション

服の色ってどうなん？ってのは決着がついていないところではあったりしますが、質問を寄せられることも多かったのでこれまでに分かっている知見をまとめておきます。

なぜ服装が重要なのか？

Zooskが実施した大規模調査（6,646人の会員を対象とし、34,579のプロフィールを分析）によると：

• 女性の54%が「相手の服装の悪さはデートの即座の終了理由になる」と回答
• 対照的に、男性の73%は相手の服装をそれほど重視しないと回答

赤の効果（2008年、Elliot & Niestaの研究）

• 男性は赤い服を着た女性をより魅力的に評価
• この傾向は文化を超えて世界的に観察される
• 進化心理学的な基盤を持つ可能性（霊長類でも同様の傾向）
• 一方男性が赤を着ても特に違いはなし

黒の効果（2018年、Kramer & Mulgrewの研究）

• より「安全」な選択として認識される
• 特に初対面では多用される傾向
• フォーマル感と信頼性を演出

「絶対に避けるべき」服装

Zooskの調査で明らかになった、最も評価を下げる服装要素：

1. しわのある服（66%が否定的）
2. だぼだぼの服（50%が否定的）
3. 年齢にそぐわない服装（44%が否定的）
4. きつすぎる服（34%が否定的）

「着衣認知（Enclothed Cognition）」の効果

Northwestern大学の研究者たちによる2012年の研究では：

• 服装が実際に脳の働きに影響を与えることを発見
• 着ている服によって行動パターンが変化
• 自信や成功に関する認識に影響

実践的なアドバイス

1. 基本原則
2. • 清潔感を最優先（しわは絶対NGの筆頭）
   • フィット感を重視（だぼだぼも着詰めも避ける）
   • 年齢に適切な選択
2. 色使い
3. • 黒をベースにした安全な選択
   • 赤は控えめに使用
   • 清潔感のある色合いを選択

（参考：女性の場合）
・赤の効果は狙ってもいいけど危険性もある
・メイクは中程度が最も好印象（2011年の研究より）
・フィット感は男性以上に重視される

って感じ。個人的に大事だと思うのは、清潔感と着衣認知の点。着衣認知ってのは、「白衣を着てると注意力が向上する」みたいな心理現象のことで、自分がかっちょいいと思える服を着とけば自身や成功がにじみ出てきて結果的に魅力が上がるんじゃない？みたいな話っすね。なんで、「これさえきとけば間違いなし！」みたいな服装は存在しないものの、ご自身が納得できるものを着ていけばいいんじゃないでしょうか。むしろ服装の心配はせずに上述の「会話」等に専念できる状態を作る方が大事なんじゃないかと。

「デートフード」の選び方：食事の選択が与える印象

初回デートにおいては食事の機会もあるでしょうが、研究によれば、デートでの食事の選択は、単なるカロリーや栄養摂取以上の意味を持つことがわかってます。人は相手の食事の選択から、その人の性格、習慣、特徴、さらには道徳観までも判断する傾向があるんですな。

好印象を与える食事の特徴

例えば大学生を対象としたAmiraian & Sobal（2009）の研究によると：

1. 最適な選択基準
2. • きれいに食べられる料理
   • 上品な印象の料理
   • フォークとナイフで食べられるもの
2. 最も評価の高かった料理
3. • パスタ類（ただし、女性はスパゲッティに否定的）
   • ラザニアやラビオリなど、食べやすい形状のもの
   • 高級レストランで提供される料理

避けるべき食事の特徴

1. 絶対に避けるべきもの
2. • にんにく、玉ねぎを使用した料理
   • 手づかみで食べる料理（リブ、手羽先など）
   • こぼれやすい料理（スロッピージョーなど）
2. 注意が必要なもの
3. • ファストフード（特に男性から否定的評価）
   • 長い麺類（食べにくさへの懸念）
   • 強い香りの料理

さらに、やや極端な食事の選択については、Aloni（2019）の研究が参考になりまして、

グルテンフリーを選択する人の印象

• ポジティブな評価：
• • 健康意識が高い
  • 自己規律がある
  • エネルギッシュ
• ネガティブな評価：
• • 要求が多い
  • 気難しい
  • 批判的

低脂肪食を選択する人の印象

• ポジティブな評価：
• • 魅力的
  • 健康的
  • 知的
  • 道徳的
• ネガティブな評価：
• • 退屈
  • 神経質
  • 楽しみが少ない

といったことがわかってたりします。グルテンフリーや低脂肪食等については、一長一短あるんで、自分がアピールしたい要素に合わせて検討してみるのが良いかと。当然、事前にメニューや場所を確認しておく、適切な価格帯の店を選択する、会話のしやすい環境かどうか、といった点の確認もお忘れなく。

初回デートの致命的なNG行動

Zooskの1,500人を対象とした調査、カナダドライの2000人を対象とした調査等をもとに、初回デートのNG行動もチェックしておきましょう。全てに抵触しないようにお気を付けを。

1. 基本的なマナーの欠如

1. 不快な体臭
2. • 女性の45%が最大のターンオフと回答
   • 男性も21%が不快と感じる
   • 清潔感の欠如は致命的
2. スマートフォン
3. • 女性の22%が不快と感じる
   • 男性は51%が「スマートフォンばかり触っている女性」を最大のNG行動と指摘
   • Match.comの調査では73%の女性がデート中のスマートフォン操作を嫌悪

2. コミュニケーション上の問題

1. 不適切な会話
2. • 女性の53%が「不適切なトピック」を嫌悪（給料、中絶等）
   • 尋問のような質問
   • 自己中心的な会話
2. 時間への配慮不足
3. • 女性の13%が遅刻を許容できないと回答
   • 約束の時間を超過することへの不快感
   • 早めの退席（65%が不快と感じる）
3. ネガティブな態度
4. • 自分自身を自慢したり、元恋人の悪口を言ったり、状況を他人のせいにしたり
   • デートの選択肢を提示する際の優柔不断
   • 勝手な注文
4. ジャッジメント
5. • 男性が女性を「評価」する立場であるかのようなふるまい（外見に対しても考え・価値観に対しても）

3. 飲酒に関する問題

• 46%が「飲みすぎ」をターンオフと認識
• 過度な飲酒への対応：
• • 32%がその場で指摘
  • 28%がデートを途中で切り上げる
  • 15%が2回目のデートを完全に否定

初回デートでベッドインするのはアリか？

この点についてはひそかに気になっている人も多いかもですが、Lovehoneyの2,000人を対象とした最近の調査によれば：

• 全体の約半数が初回デートでの性的関係を経験していた
• 男性の60%、女性の42%が経験あり
• 特に24-55歳の年齢層で一般的な傾向がみられた

って感じで、評価は置いておいて事実として、半数くらいの人は初対面の人とその日に関係を持っている模様。その背景を探って見ると、

即時的な関係を持つ理由（Lovehoney調査）

1. 積極的な動機
2. • 53%：純粋な享楽
   • 46%：相性の確認
   • 26%（女性）：より深い絆の形成
   • 20%：性的な価値観の確認
2. 消極的な動機
3. • 16%：緊張緩和
   • その他：相手の期待への応答

みたいな感じ。一方で、慎重なアプローチを選ぶ理由も調べられてまして、

1. 心理的要因
2. • 47%：見知らぬ人との親密さへの不快感
   • 38%：個人的な価値観との不一致
   • 32%：感情的な繋がりの重視
2. 現実的な懸念
3. • 17%：健康上の懸念
   • その他：将来の関係性への影響

といった回答が得られてたりしますね。

さらに、American Psychological Associationの研究では性行為に至るまでにデートの回数を増やすことによるポジティブな効果も確認していたりします。具体的には、

• 関係満足度：20%向上
• コミュニケーション：12%改善
• 離婚検討率：22%低下
• 性的満足度：15%向上

といった感じ。結局「初回デートでベッドインするのはアリか？」と問われれば、「人と目的による」ってのが究極の所なんじゃないかと。心理療法士のRachel Wrightさん曰く、

「性的関係のタイミングは極めて個人的な選択です。一部の人々にとって、早期の性的関係は2回目のデートへの判断材料として有用である一方、他の人々にとっては感情的な繋がりが前提としてなければ相手を嫌悪する要因にもなりうる」

とのこと。長期的に付き合う関係を求めているのであれば初回は手を出さないのが賢明かもしれないけど、遊びなら誘ってみると意外といけるかもよ、って感じですね。ただし、打診すること自体は男性の「自信」の認識につながる、みたいな話もあるので、誘ってみること自体には価値があるんじゃないかと（もちろん断られた場合にはさっと引くことが大事）。

ちなみに、The Match Labが実施した2022年の研究では、初デートでキスをするべきかどうかという疑問にも回答してくれていて、

• 初デートが「ファーストキスに理想的」と答えたのはわずか15%だった
• 45%は2回目のデートが理想的、26%は3回目のデートがベストと答えた

だったそう（経験したことの割合で言えば、7割以上が初回デートでキスの経験があった）。米国でもこのレベルであることを踏まえると日本では、少なくとも2回目以降の方がいいのかなーという気がしてきますねぇ。

最後に

てことで、これまで初回デートを成功させるためのポイントをつらつら述べてきましたが、最後にAnn Papayotiさんの主張をベースに改めて別の観点から要点をまとめておきましょう。

1. be present（その場に集中する）
2. be curious (but not intense)（好奇心を持つ（ただし押しつけがましくなく））
3. be responsive（反応を示す）
4. be genuine（誠実である）
5. be positive（前向きである）
6. be kind（親切である）
7. be playful（遊び心を持つ）
8. behave（礼儀正しく振る舞う）

おまけ

以上の戦略を実践したとしても、結局デートが上手くいったのかわからん！って不安を抱く人も少なくないでしょうが、東北大学の研究によると、

• 印象が良くなっていれば、「歩行の同調率」が上がるぞ！

みたいなことがわかってたりします。なんで、デート後半の歩幅だったりとか、二人の距離感をチェックしてみると、デートが上手くいったか簡易的に判断できるかもしれません。

おまけ②

また、デートの不安を軽減するための3つのコツをケンブリッジ大学が提示してくれてたので、こちらもシェアしておきます。

1. 反芻せず、マインドフルにストレスが通り過ぎるのを待つ
2. 自分が不安、ストレス、恐怖を感じていることを否定しない
3. 不安を取り除こうとするのではなく、不安によって生じうる具体的な問題への解決策を考えるようにする（いわゆる「問題解決型アプローチ」）