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💒愛の方程式:最新研究からわかった長続きするカップルの習慣
愛とは旅であり運命ではない。相手の感情に共感する。愛を言葉にする。相手の友人関係を尊重する。科学が教える幸せな関係を育むための戦略的メソッド。
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おくさん
2025/03/12
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そろそろホワイトデー!バレンタインでチョコレートをもらった方は、お返しの準備に頭を悩ませている頃かもしれません。特別な日である人もそうでない人も、この時期はついつい恋愛や人間関係について考えてしまうものです。

どうせなら、パートナーと幸せな関係を続けたいと皆が思うはず。一時的な喜びよりも、長く続く満足感のある関係のほうがよっぽどグレートですよね。もちろん、現在特別な相手がいない皆々様も、いい相手を見つけたら幸せな関係を長期的に維持したいと思うのではないでしょうか。

ということで、今回は「幸せで長く続く恋愛関係」を築くための科学的なヒントをまとめておきます。単に「こうすればうまくいく(気がする)」という表面的なアドバイスではなく、実際の研究データに基づいた、実践的で効果的な戦略の数々を取り扱ってます。恋愛関係の質を高め、長続きさせるために、現代の心理学や関係科学が教えてくれる重要なポイントを解説しました。

ちなみに、喜ばれるプレゼントについては、過去に書いた「心理学から見る:本当に喜ばれるプレゼントの選び方」という記事がご好評いただいてます。ホワイトデーのお返しに悩まれている方はご参考までに。


本ニュースレターでは、徹底的に調べあげたエビデンスをベースに「より信頼でき、真に価値ある情報」をレポートし、ゴミがあふれるネット上においてキラリと光る質の高いコンテンツをお届けすることを目指しています。あなたの人生を彩るヒントとしてご活用いただければ幸いです。

今回から、火曜朝の週一配信に戻します!ご意見ご感想いただいた方、ありがとうございました!

▼目次

「運命の人」なんて幻想を捨てよう:長続きする関係に必要なのは成長志向

別に性格や年収はそこまで大事じゃなかったりするのですよ

長続きする恋愛関係を築くための5つの必須ポイント

パートナーのストレスに感情的に反応することの重要性:これも幸せな関係の秘訣かも?

愛情表現って具体的に何すりゃいいんですか?

ユーモアが愛を深める

パートナーの友人を大切にしよう

恋愛関係を台無しにする「Don'ts」とこれだけは避けるべき行動リスト

喧嘩したあとの関係修復

おわりに:幸せな関係を育む「旅」の始まり


「運命の人」なんて幻想を捨てよう:長続きする関係に必要なのは成長志向

Dosを見ていく前に、まずは前提として押さえておきたい大きなDon’tsをみておきましょう。それすなわち「彼・彼女こそ運命の人!」って考え(幻想)を捨てましょうという話。

相手のことを「運命の人」「Better half」とか思いたい気持ちはよくわかります。だって、そう思えたら安心できますからね。でも実は、この「私たちは運命で結ばれている」って考え方が、長期的な関係の満足度を下げる原因になっているかもしれないんですよ。

例えばスイス・バーゼル大学の研究で、研究チームは「運命志向(destiny beliefs)」と「成長志向(growth beliefs)」という2つの恋愛観が関係満足度にどう影響するかを調べてます(904組のカップルを2年間追跡)。

ここでいう運命志向ってのは、「恋愛は最初から『あるべき姿』が決まっている」「相性は最初からわかる」「私たちは運命の相手だ!」といった考え方。一方、成長志向は「関係は努力次第で育てていけるもの」「困難があっても乗り越えられる」「二人の関係は時間をかけて深まっていく」という発想ですね。

で、この研究で見えてきたのは、運命志向の人は確かに関係の初期段階では満足度が高かったものの、時間が経つにつれてその効果は薄れていったということ。それどころか、運命志向が強い人ほど、パートナーとの間で対立が起こると関係満足度が急激に下がる傾向があったんだそうな。

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成長志向が強いほど(青)、時間がたっても関係満足度の低下が緩やかなことが分かる

アメリカのリー教授とシュウォーツ教授の研究でも似たような結果が出ていまして、彼らは「愛は完璧な統一体」というフレームと「愛は旅」というフレームを比較。その結果、「完璧な統一体」というフレームで考えている人は、パートナーとの対立に直面したとき、関係満足度がガクンと下がってしまう傾向があったんだとか。一方、「愛は旅」というフレームの人は、対立があっても関係満足度はそれほど下がらなかったらしい。

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「愛は旅」と考えている人(薄い灰色)のほうが対立を想定しても関係満足度が高く維持された

なぜこんなことが起こるのかといえば、運命志向の強い人は「私たちは完璧にマッチしているはず」と思い込んでいるので、対立が起きると「あれ?もしかして私たちは相性が悪いのかも…」と疑問を持ち始めるのは想像してみればすぐわかる話でしょう。

例えば、「週末どこに行くか」で意見が合わなかっただけで、「やっぱり私たちは合わないのかも」という大げさな結論に飛びついてしまうわけですね。運命志向では、トラブルは軒並み「相性の悪さ」のサインになってしまう、と。恐ろしい恐ろしい。

一方、成長志向の人たちは「関係は努力と時間をかけて育てるもの」と思っているので、対立は単に「乗り越えるべき課題」と捉えます。実際、上述の研究データでも、成長志向の強い人ほど時間の経過とともに関係満足度の低下が緩やかだったりとか。簡単に言えば、「愛は育てるもの」「愛は浮き沈みがあって当然のたびである」と考える人は、問題が起きても「これも成長の一部」と前向きに捉えられるんだってことですね。

私自身、これらの研究から学んだのは、「運命の人」を探すより「一緒に成長できる人」を見つけることの大切さ。完璧な相性なんてそもそも存在しないのかもしれません。大事なのは、お互いの違いを認め、それでも一緒に歩んでいこうという姿勢じゃないでしょうか。

考えてみれば当たり前のことかもですが、本来、真に価値あるものには時間と努力が必要なはず。恋愛関係も同じで、「最初から完璧」なんてありえないんですよね。最初は相性が良くても、時間が経てば必ず違いや摩擦は出てきます。そこで「運命じゃなかった」と諦めるか、「これも関係を深める機会」と捉えるかで、その後の展開は大きく変わってくるはず。

だからまずは、「運命の人」探しよりも、「一緒に問題を乗り越えられる人」を見つけることに意識を向けてみてはいかがでしょう?

愛は石のように、ただそこのあるものではない。
それはパンのように作らねばならない。
いつも作り続け、新しくしなければならない。

アーシュラ・K・ル=グヴィン

別に性格や年収はそこまで大事じゃなかったりするのですよ

もう一点、多くの人が陥りがちな「罠」に触れておきましょう。

ここで紹介したいのは43の研究から1万1千組以上のカップルのデータを機械学習で分析したジョエル先生らの大規模調査。この研究が明らかにしたのは、「関係の質を最も正確に予測するのは個人の特性ではなく、関係そのものに対する認識だ」ということ。つまり、私たちはつい「性格の合う人を見つければ幸せになれる」「経済力のある相手を選べば安定する」などと考えがちだけど、データを見る限り長く幸せな関係を築くために重要になるのは「その相手とどんな関係性を作り出せているか」なんだぜってはなしですね。

この研究では、あらゆる変数が関係満足度のどれくらいを予測できるかを分析してまして、その結果何が分かったかといえば、

  • 個人の特性(性格や年齢、収入など)は関係満足度の約21%しか説明できなかった
  • 一方関係に対する認識(パートナーへの感謝の気持ちや性的満足度など)は45%もの説明力を有していた

だったらしい。この差はかなり大きいといっていいでしょう。

この研究の面白いところは、どんな変数が関係満足度を予測するのに最も役立ったのかを細かく特定している点です。最もパワフルな予測因子のトップ5をピックアップしてみるとこんな感じ。

  1. 相手のコミットメントに対する認識(「パートナーは私たちの関係を大切にしている」)
  2. 感謝の気持ち(「パートナーがいることに感謝している」)
  3. 性的満足度(「私たちの性生活に満足している」)
  4. パートナーの満足度に対する認識(「パートナーはこの関係で幸せそう」)
  5. 葛藤の少なさ(「私たちはあまり口論しない」)

こう見ると改めてわかるのが、これらはすべて「自分の性格」や「パートナーの性格」ではなく、二人の関係性そのものに対する認識だということですね。さらに、パートナーから報告された変数(パートナーが考える関係の質など)も、自分自身の認識に比べればあまり予測力がなかったってのもやや意外ポイントじゃないでしょうか。

この研究をみてもやはり、「運命の相手を見つける」という考え方よりも、「日々の関係をどう育てるか」のほうがずっと大事だってことが分かるんじゃないでしょうか。

パートナーのネガティブな側面に目を向けるのではなく、感謝する気持ちを持つこと。葛藤を「不吉な兆候」と捉えるのではなく、成長の機会と考えること。お互いの満足やコミットメントに気を配ること。こういった日々の心がけが、実は「相性」よりもずっと関係満足度に影響するってことはデータでも示されているというわけですね。

私自身、この研究を読んで以降、「相性」という魔法の概念に頼る(逃げる)のではなく、日々の関係の質を高める具体的な行動に目を向けることの大切さ(と難しさ)を改めて感じてます。大切なのは、「どんな人と付き合うか」よりも「どう関係を育てるか」なんだってことは、あなたも是非認識しておいていただけると、幸せな関係性を長く維持するヒントになってくれるんじゃないかと。


長続きする恋愛関係を築くための5つの必須ポイント

ここからは具体的に何をすれば幸せな関係を長期的に維持できるか、という「Dos」の話をしていきましょう。「彼氏・彼女が喜ぶことをしよう」と思っても、意外と何をすればいいのかわからない!ってこともありますからねぇ。

早速結論じみた研究を紹介してしまいましょう。こちらは「関係を維持する行動(リレーションシップ・メンテナンス)」に関するイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の大規模なメタアナリシスで、「とりあえずこの5つをマストでやっておこうぜ!」みたいな内容になっていて、私も日ごろから意識しております。

ここでは35の先行研究(参加者総数12,273人)を分析し、関係維持行動と満足度、コミットメント、愛情、好意などの関連性を調べてます。研究チームは特に「関係維持行動尺度(RMSM)」という測定ツールを使って得られたデータに注目。この尺度では関係維持行動を以下の5つに分類してます。

  1. ポジティビティ:明るく前向きな態度を示すこと
  2. オープンネス:自己開示や対話をすること
  3. 保証(アシュアランス):コミットメント、愛情、誠実さを示す行動
  4. ソーシャルネットワーク:友人や所属グループを通じて関係を維持すること
  5. タスク共有:カップルが直面する課題を公平に分担すること

研究チームは、これらの行動がどのように満足度、コミットメント、コントロールの相互性(決定権の平等な分配)、愛情、好意、関係の持続期間と関連しているかを分析したんだそう。

で、メタアナリシスの結果、5つの関係維持行動はすべて、満足度、コミットメント、コントロールの相互性、愛情、好意という関係性の指標と正の相関があることが判明。つまり、これらの行動を積極的に行っているカップルほど、お互いに対する満足度や愛情が高い傾向があったってわけですな。

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ポジティビティ、オープンネス、保証、ソーシャルネットワーク、タスク共有で満足等が大幅アップ!

特に注目すべき点をいくつかチェックしておきましょう。

  • 「保証」の力
    5つの中でも「保証(アシュアランス)」はコミットメントと最も強い相関(r = .58)があった。これは「あなたを愛している」「この関係を大切にしている」といった言葉や行動を通じて相手に安心感を与えることが、関係の安定に特に重要だということを示している。
  • 「ポジティビティ」の重要性
    明るく前向きな態度を示す「ポジティビティ」は、コントロールの相互性(r = .62)や愛情・好意(r = .55)と特に強い相関があった。つまり、相手に対して明るく接することで、関係における権力バランスが良好になり、愛情も育まれやすくなる。
  • 「タスク共有」の効果
    家事や生活上の問題解決を公平に分担する「タスク共有」も、満足度(r = .30)やコミットメント(r = .33)と中程度の相関を示した。要するに、「私ばかり家事をしている」という状況は関係の質を低下させる可能性が高いということ。
  • 相手の行動の認識が大事
    自分自身が行う維持行動よりも、「相手が自分のために維持行動をしてくれていると感じること」のほうが、関係の質との相関が強い傾向があった。つまり、自分がどれだけ頑張っているかよりも、相手の努力をどう認識するかが重要。
  • 持続期間との関係
    興味深いことに、関係の持続期間は「ポジティビティ」「オープンネス」「保証」と小さな負の相関を示した。つまり、時間が経つにつれてこれらの行動が減少する傾向がある。これは「慣れ」が生じるためかもしれない。

要するに、これらの維持行動はすべて重要なんだけど、特に「相手を大切にしている」という気持ちを言葉や行動で表現し、明るく前向きな態度で接することが、幸せな関係の鍵になるってわけですな。

この研究結果から、長続きする幸せな関係を築くために私たちが実践できる具体的な行動パターンを考えてみましょう。

  1. 定期的に愛情や関係へのコミットメントを言葉で表現する
    「愛しているよ」「この関係は私にとってとても大切だ」といった言葉を定期的に伝えるのが吉。研究結果によれば、このような「保証」行動は、コミットメントの強化に特に効果的。毎日のように伝える必要はないですが、週に2〜3回は意識的に言葉にしてみるとよさげ
  2. 明るく前向きな態度で接する
    ネガティブな態度よりも、ポジティブで温かい反応を心がける。相手が話しかけてきたときには、スマホを見ながらではなく、きちんと目を合わせて反応する。小さな成功を一緒に祝う。こういった「ポジティビティ」行動が、関係における好意や愛情を高めてくれるはず。
  3. 「義務」を公平に分担する
    家事、経済的責任、意思決定などを公平に分担することで、「タスク共有」が実現する。「公平」の定義はカップルによって異なるが、両者が納得できる分担方法を話し合いで決めることが重要。これは単なる家事分担の問題ではなく、関係の満足度とコミットメントに直結する。
  4. オープンに気持ちを伝え合う時間を作る
    日々の忙しさに流されず(言い訳にせず)、定期的に二人だけの時間を確保し、お互いの気持ちや考えをシェアすべき。研究によると、このような「オープンネス」は、特に女性のパートナーにとって重要
  5. 共通の友人関係を大切にする
    共通の友人との付き合いや、お互いの友人ネットワークとの良好な関係を維持することも、カップルの絆を強化する。このような「ソーシャルネットワーク」の活用は、特に長期的な関係維持に効果的。

もしかしたらやや面倒くさく見えるかもしれないですが、5つやっとけばかなり高い確率で幸せな関係を維持できるぞ!って思えば安いもんじゃないでしょうか。特に重要なのは、これらの行動を「相手に認識してもらえる形で」行うということ。いくら自分では頑張っていても、相手がそれを認識していなければ効果は限定的になっちゃうので。

ちなみに、個人的には、「保証」は比較的強めに意識してますね。「愛している」と口に出したり、将来の約束を表現することは、日本人の私たちにとってはちょっと恥ずかしいと感じることもあるかもしれません。私自身、感情表現が苦手なタイプなので、「言わなくても伝わるだろう」と思ってしまうことが結構あったりします。

でも、こういった研究結果を見てると、そういった「保証」の言葉や行動は、単なる感傷的なものではなく、関係の安定と満足度に実際に貢献しているということがよくわかります。特に男性パートナーにとっては「オープンネス」と「保証」がコミットメントと強く関連しているという結果も面白いっすね。要するに「黙っていても愛は伝わる」は科学的には正しくない、ということで。

また、関係の持続期間が長くなるにつれて、維持行動が減少する傾向があるという結果も示されてたりするんで、長く付き合えば付き合うほど上記5点は一層強く意識しておいていただければと。


パートナーのストレスに感情的に反応することの重要性:これも幸せな関係の秘訣かも?

前章で、長続きする恋愛関係を築くための5つのポイントについてお伝えしまして、正直これを完全に満たすことができればかなりいい線行けると思ってます。が、せっかくなんで以下ではさらに一歩踏み込んで、私が個人的に重要だと感じているポイントについても追加で共有しておきます。

まずは「感情的反応性(Emotional reactivity)」から。パートナーの日常的な感情にどう反応するかが、関係の質に大きな影響を与えてるぞ!って話ですね。

例えば、Journal of Personality & Social Psychologyに掲載されたエムレ・セルチュク博士らの研究では、「パートナーのストレスに対する感情的反応性と関係の質」というテーマで分析されてます。

従来、「感情的反応性」(ストレスに対してどれだけネガティブな感情が増加するか)ってのはパーソナルな現象として研究されてきました。つまり、「自分自身のストレスにどう反応するか」という視点。一般的に、自分のストレスに対して過度に反応する人は、心理的苦痛や関係への不満が高まるリスクがあるとされてきたんですな。

しかし、セルチュク博士らは新しい視点を提案してまして、感情的反応性を個人の特性としてではなく、カップル間の対人的なダイナミクスとして捉えるとどうだろう?と。つまり、「パートナーのストレスに対して感情的に反応することは、実は感情的な「投資」の表れであり、関係の質を高める可能性があるのでは?」という考え方ですね。

※恋愛における「投資」の重要性について、詳しくはこちらを参照

研究チームは、異なる関係段階にあるカップルを対象に4つの縦断的研究を実施。各研究では、参加者には感情状態、ストレス要因への曝露、関係満足度について定期的に報告してもらってまして、これにより、関係のダイナミクスにおける短期的変動と長期的傾向の両方を捉えることができてます。

で、ざっくりどんなことが分かったかといえば、

  • 恋愛関係の初期段階に着目した研究1と2では、パートナーのストレスに対してより大きな感情的反応を示す人は、関係の質が高いと報告する傾向があった。
  • この関連性は「パートナーの応答性の認識」によって媒介されていた。つまり、相手のストレスに感情的に反応するパートナーは、より理解があり、相手を認め、サポート的であると見なされ、それが満足度とコミットメントの向上につながっていた。
  • 特に研究2では、パートナーの反応性のメリットはより長期間にわたって続き、より高い感情的反応性は1年後の関係の質の向上を予測した

ということで、要するに、パートナーのストレスに対する感情的な反応は、関係の初期段階では投資と思いやりのシグナルとして機能するかもよ!ってことですな。

この研究から見えてくる実践的なインサイトとしては以下の3点あたりでしょうか。

  1. パートナーのストレスに対して感情的に反応すべし:相手が「仕事で大変だった」と言ったときに、「そうなんだ、大変だったね」と淡々と返すのではなく、「えー、それは辛かったね。どんな感じだったの?」と感情を込めて反応することで、あなたが相手に感情的に投資していることが伝わりるはず。
  2. 共感の表現方法を工夫する:単に「それは大変だったね」と言うだけでなく、表情や声のトーンで感情を表現したり、相手の状況を想像して「それを聞いて私も悲しい/怒りを感じる」といった自分の感情を共有することも効果的。
  3. 聞き役に徹することと感情的に反応することのバランス:ただ話を聞くだけでなく、相手の感情に共鳴して反応することで、「あなたの話をただ聞いているだけではなく、あなたと一緒に感じている」というメッセージを送ることが肝要

まー「感情的になりすぎない方が大人な対応だ」と思い込んでいたり「冷静に解決策を提案する」ことが最もありがたいとか思っていたりする人がいますけど、やっぱり解決策を提示する前に感情的に共感することが重要なんでしょうねぇ。「私はあなたの味方だし、あなたの感情を理解している」ってメッセージを送ることが、信頼関係の構築には不可欠なんだなと。


愛情表現って具体的に何すりゃいいんですか?

先のメタアナリシスでも愛情表現大事にしましょう!って内容が含まれてましたが、具体的にどんなことをすればいいんだろう?ってのはいまいちピンと来ていない人もいるはず。

この点、カリフォルニア州立大学の研究が参考になるのでチェックしてみましょう。

こちらはSexual and Relationship Therapy誌に2023年に掲載された論文で、246組のカップル(計492名)を対象に30日間にわたって日記形式で調査してます。毎日の感情や行動を追跡することで、コミュニケーションと満足度の関係をより詳細に分析できるデザインですね。

ここでは研究チームは特に4つの「ポジティブコミュニケーション」に注目してます

  1. 好意(fondness)の表現:相手への愛情や好意を言葉や行動で示すこと
  2. 褒め言葉(compliments):相手に対する称賛や感謝の言葉をかけること
  3. 愛情(affection)の表現:身体的・感情的なスキンシップを取ること
  4. 自己開示(intimate disclosure):自分自身について率直に話すこと

「愛情表現をしましょう!」といわれれば人によってどれを選択するか分かれそうですが、どれが一番効果的か?ってのはかなり実践的な知見ではないでしょうか。

で、結果的にどんなことが分かったかといえば、

  • 4つのポジティブコミュニケーションはすべて、その日の性的満足度、関係満足度、性欲のすべてを予測した。
  • さらに、その効果は翌日まで持続した!

だったらしい。要するに、「今日パートナーが私に対して愛情表現や褒め言葉を多く使ってくれた」と感じた日は、その日もその翌日も性的満足度や関係満足度が高まるということ。実際、データによると、ポジティブコミュニケーションだけで性的満足度の分散の約43%、関係満足度の47%、性欲の33%が説明できたそう。これはかなり大きな数字っすね。

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各要素の関係満足度に対する予測力(Source: Sexual and Relationship Therapy. 2023 September, 39 4 1214-1239)

では、4つのポジティブコミュニケーションの中で好きなものをご自由にお使いくださいという結論かといえばそうでもなく、狙いたい効果によって使うべき戦略は異なる模様。具体的には、

  • 身体的・感情的な愛情表現と褒め言葉が、性的満足度に最も強く関連していた
  • パートナーへの好意の表現(自分と相手の両方)が、関係満足度の最大の予測因子だった
  • 褒め言葉が、性欲を最も強く予測した

特に興味深いのは、これらの効果は単なる「その場限りの満足」ではないということ。つまり、こちらも前日のポジティブコミュニケーションは、翌日の性的満足度と関係満足度をも予測したってことですな。日々の小さな愛情表現は、積み重なって関係の質を高めていくんだ、と。

ただし、機械学習を使った非線形関係の分析によると、ポジティブコミュニケーションと満足度の関係は必ずしも「多ければ多いほど良い」という単純なものではないらしい。例えば、褒め言葉と愛情表現が両方とも多い場合、一部のカップルでは満足度が上がる一方で、別のカップルでは逆に下がるという結果が出ていたり。これは、カップルによって何を価値あるコミュニケーションと見なすかが異なるということを示唆しているのではないか、と。

ある人は言葉での愛情表現を重視し、別の人は行動での表現を重視するというように、「ラブ・ランゲージ」は異なるのかもしれないですね。これは結局は私たち1人1人が、パートナーの愛情表現の好みを理解することが重要なんではないかと思わされますねぇ。

目的や関係に応じて適切な「保証」を心がけていきましょうよ、ということで。


ユーモアが愛を深める

私が愛情表現と同じくらい重視している「ユーモア」についてもシェア。「笑いの絶えない関係は長続きする」とか言うけど、これって科学的に本当なんだろう?みたいな話ですね。

このテーマについて考えだすと、「笑いのあるカップルが幸せなのか、それとも幸せなカップルがよく笑うのか?」という鶏と卵のような問いに引っかかる人も多いでしょう。2023年のシンガポール・マネジメント大学の研究がこの問いにヒントを示してくれてます。

これは「Psychological Science」っていう一流の心理学ジャーナルに掲載されたもので、カップル108組(216人)を対象に7日間の日記形式調査を実施。毎日の関係満足度とユーモア(相手が面白いと感じたかどうか、相手を笑わせようとしたかどうか)を記録してもらい、その関係性を分析してます。

そこでわかったのが、

  • 「関係の質が高い日」の翌日には、パートナーに対するユーモア(相手を笑わせようとする行動)と知覚(相手を面白いと感じること)の両方が増加していた!

って事実であります。つまり、カップルの関係が良好な日の次の日は、お互いをより面白いと感じ、また相手を笑わせようともするということ。これは「幸せだからこそ笑いが生まれる」という因果関係を示す重要な証拠でしょう。

さらに、この効果は男女どちらにも同じように見られていて、「男性は女性を笑わせようとし、女性は男性のジョークに笑う」というジェンダーステレオタイプがありますが、実際の日常生活ではそれほど明確な性差は見られないっぽいですね。

逆に、ユーモアには関係の質を直接的に高める効果もあり。同じ研究の結果、「ユーモアの多い日」の翌日には、関係の満足度も高まる傾向が見られてます。これは従来の「性選択理論」(Sexual-Selection Theory)とも一致しますね。この理論によれば、ユーモアはパートナーの質(知性や創造性など)を示すものとして選ばれてきたとされるやつです。

ユーモアが関係の質を高める理由としては、以下のようなメカニズムが考えられてます

  1. ストレス軽減効果:一緒に笑うことは、ストレスを軽減し、カップルが困難を乗り越えやすくする。実際、多くの研究が「ユーモアのある夫婦ほどトラブルを効果的に解決できる」と報告している。
  2. 感情的な結びつきの強化:一緒に笑った経験は、親密さと絆を深める記憶として蓄積されていく。「あのとき一緒に笑った」という記憶は、関係の基盤を強化する
  3. ポジティブな感情の育成:ユーモアは幸福感、楽しさ、リラックスといったポジティブな感情と直接結びついている。こうした感情を定期的に経験することは、関係全体の雰囲気を明るくする。
  4. 脳内化学物質の分泌:笑いはエンドルフィンやオキシトシンといった「幸せホルモン」の分泌を促進する。これらのホルモンは愛着形成や絆を強める効果がある。

ただし、すべてのユーモアが関係に良い影響を与えるわけではないってのは注意しておくべきでしょう。心理学者は一般に、ユーモアを以下のようなタイプに分類することが多め

ポジティブなユーモア

  • 親和的ユーモア:人々を結びつけ、関係を強化する笑い
  • 自己高揚的ユーモア:自分自身を笑いの対象にしつつも、根本的には自己肯定的な笑い

ネガティブなユーモア

  • 攻撃的ユーモア:他者を批判したり貶めたりする笑い
  • 自己卑下的ユーモア:自分自身を過度に貶めることで笑いを取るユーモア

研究によれば、特に「親和的ユーモア」が関係満足度と強く関連することが報告されてますね。一方で「攻撃的ユーモア」は、短期的には笑いを生む一方で、長期的には関係を損なう可能性があるんで避けたほうが賢明でしょう。

個人的には、パートナーとの関係において、ユーモアは愛情表現と同じくらい重要だと思ってたりします。愛情表現が「安心感」を与えるとすれば、ユーモアは「楽しさ」という側面をカバーしてくれてる感覚がするんですよね。

実際、忙しい日々の中で、パートナーと一緒に笑う時間が一番のストレス解消になっている実感もあるし、特に、お互いの欠点やミスを笑い飛ばせる関係性は、本当に価値があるなーと思ったり。「完璧な関係なんてない」という認識を持ちつつ、不完璧さも含めて受け入れ、時には笑い飛ばす——これが長く続く関係の秘訣なのかもしれませんな。愛情表現と同様、ユーモアも「言わなくても伝わる」「自然と湧いてくる」と思いがちですが、意識的に取り入れてみる価値は十分あるんじゃないかと。

ちなみに、恋愛関係にとじずユーモアについてもっと詳しく知りたい方にはスタンフォードビジネススクールの「ユーモアは最強の武器である」を激しくおすすめ。ついでに、職場でのユーモアについてつづった私の過去記事も宣伝。



パートナーの友人を大切にしよう

こちらも上のメタアナリシスに含まれていたポイントですが、「パートナーの友人との関係」というのは、思っている以上に二人の関係に影響を与えているかもしれないんで、私もかなり意識しているポイントだったりします。

恋愛関係において、パートナーの友人関係は単なる「付属品」にあらず。実際、パートナーの友達に対する態度が、長期的な結婚生活にまで影響を与えているという研究結果が複数あったりするんですよ。

例えばアデルフィ大学の研究チームが発表した「I Love You, Not Your Friends」って(挑発的な)タイトルの論文では、355組のカップルを16年間追跡調査し、友人関係が離婚にどう影響するかを詳細に分析してます。

研究で明らかになったことをざっくりまとめると、

  1. 友人関係へのネガティブな側面(不承認や干渉)は、ポジティブな側面(友人からへサポート)よりも離婚を予測する強力な指標となっていた
  2. 特に結婚初期において、「夫が妻の友人を好まない」という状況は、「妻が夫の友人を好まない」という状況よりも離婚を予測する強い要素になっていた
  3. 夫が「妻の友人が結婚生活に干渉している」と感じると、離婚率が大幅に上昇した

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夫が妻の友人を尊重する夫婦ほど離婚率が低い

要するに、特に「夫が妻の友人を好まない」という状況は、長期的に見て結婚生活に悪影響を及ぼす可能性が高いということですね。この結果は、他の多くの要因(収入、教育、結婚満足度など)をコントロールした上でもなお有意なんで、パートナーの友人といい関係を築いておくことは恋愛関係においてかなり重要なんでしょうね。

なぜこの現象が起こるのか?って点についてはいくつかの説明が考えられてます。

1. 友人関係の干渉:
夫が妻の友人を好まない場合、妻がその友人と時間を過ごすことに対して不満を持ち、それが夫婦間の摩擦に発展する可能性がある。実際に研究では、「妻の友人が結婚生活に干渉している」という夫の認識が、離婚率の上昇と強く関連していた

2. カップルとしてのアイデンティティの弱体化:
パートナーの友人関係を認めないと、カップルとしての共有体験や共通の社会的ネットワークが減少する可能性がある。これは「カップルとしてのアイデンティティ」を弱める可能性がある。

3. 嫉妬や不安:
パートナーの友人関係、特に異性の友人関係に対する不承認は、嫉妬や不安の表れかもしれない。このような感情が長期間にわたって解決されない場合、結婚関係が徐々に損なわれていく可能性がある。

4. コミュニケーションスタイルの違い: 女性は一般的に、男性よりも友人との間で感情的なサポートや親密さを求める傾向がある。夫が妻の友人関係を理解または尊重しないと、これが妻のストレスや不満の原因となる可能性があ。

では、この研究結果を踏まえて、どのように行動すれば良いのでしょうか? 私が実践していて、それなりにいい(と思っている)戦略を紹介しておきます。

1.まずは パートナーの友人関係を尊重する:
パートナーの友人を完全に好きになる必要はないが、その関係の重要性を尊重する。特に男性は、パートナーが友人と過ごす時間に対してポジティブな態度を示すようにする

2. 共通の友人を作る:
研究では示されていないが、共通の友人を持つことはカップルの結束を強める可能性がある。両方が楽しめるような社交活動に参加することで、共有の友人関係を育むことができるのではなかろうか

3. 問題を早期に対処する:
もしパートナーの特定の友人との関係に不満や心配がある場合は、それを早めに、建設的に話し合う。問題が大きくなる前に対処することで、後々の深刻な摩擦を避けられるはず

4. 境界線を設ける: ä¸Ąăƒ‘ăƒźăƒˆăƒŠăƒźăŒĺ‹äşşă¨ăŽéŠĺˆ‡ăŞĺ˘ƒç•Œçˇšă‚’č¨­ă‘ă‚‹ă€‚äž‹ăˆă°ă€ĺŒćŁ˛ç”Ÿć´ťăŽăƒ—ăƒŠă‚¤ăƒ™ăƒźăƒˆăŞĺ•éĄŒă‚’éŽĺşŚăŤĺ‹äşşă¨ĺ…ąćœ‰ă—ăŞă„ăŞăŠ

見方を変えると、「恋愛とは二人の関係」という考え方は、ある意味では幻想かもしれないですね。現実には、それぞれが持つ社会的ネットワーク、特に友人関係が、結婚生活に大きな影響を与えているのだ、と。

結局のところ、恋愛や結婚は、単に「二人の関係」を築くだけではなく、「二つの社会的ネットワークの統合」を図るプロセスでもあるのかもしれません。その視点から考えると、パートナーの友人関係を尊重し、共有の社会的ネットワークを構築していくことは、幸せで長続きする関係のための大切な要素なのだと思います。


恋愛関係を台無しにする「Don'ts」:これだけは避けるべき行動リスト

ここまで長続きする関係を築くための「Dos」を見てきましたが、「何をすべきか」と同じくらい「何をすべきでないか」を知ることも大切。ギリシャと中国の1,400人以上のカップルを対象にした研究から、関係性を台無しにするトップ要因がまとめられてるのでサクッとみておきましょう。

結論、この研究では、「相手への依存」「長時間労働」「個人の時間と空間の欠如」がトップ3の関係ストレス要因だったそう。それぞれ具体的なDon'tsを抑えておきましょう。

1. 過度な依存行動:パートナーの一挙手一投足を監視し、常に連絡を取り合うことを要求するような行動は、相手に窒息感を与えてしまう。

避けるべきこと

  • パートナーが友人と過ごす時間に過度に干渉する
  • 常に居場所を確認し続ける
  • 返信がないとすぐに不安になり連続メッセージを送る
  • パートナーのSNSを常にチェックする

2. 個人の時間と空間を尊重しない:関係において親密さは重要だが、お互いの個性と独立性を尊重することも同様に大切

避けるべきこと

  • パートナーの趣味や個人的な活動を邪魔する
  • すべての時間を一緒に過ごすことを期待する
  • 「二人の時間」を拒否されると個人攻撃と受け取る
  • パートナーのプライバシーを侵害する

3. 仕事を最優先にし続ける

もちろん仕事は重要だが、それが常に関係性よりも優先されると、パートナーは価値を感じられなくなる。

避けるべきこと

  • 常に仕事を言い訳にする
  • 特別な日やイベントをキャンセルする習慣がある
  • デート中や家族の時間に仕事の電話やメールに対応し続ける
  • 「忙しい」を関係の投資を避ける言い訳にする

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そのほかのDon’ts


喧嘩したあとの関係修復

これまで幸せな関係を長続きさせるためのさまざまな戦略を見てきました。しかし、どれだけ努力していても、人間同士のことですから、衝突やトラブルが起きるのは避けられないでしょう。特に「成長志向」を装備した人なら、そういった問題をチャンスと捉え、関係を修復し、さらに強化していきたいと思うはずです。

そこで最後に、関係を「修復する」ための効果的な戦略もチェックしておきましょう。

Evolutionary Psychology誌に掲載された2022年の論文では、人々が関係を改善するために使う14の戦略が特定されております。結論、最も効果的な戦略は以下の3つだったそうです

  1. 問題について話し合う(効果スコア4.36/5)
  2. 相手のニーズを理解しようとする(効果スコア4.20/5)
  3. 愛情を示す(効果スコア4.06/5)

要するに「問題から逃げない」「相手の立場を理解する」「愛情表現を忘れない」という三本柱が関係修復の鍵ってことですね。

そういわれてもいざ実践に移そうと思っても難しいところがありましょう。ってことで、喧嘩やトラブルの後、私が実践している具体的なアプローチを共有しておくのでご参考までに。

1. クーリングダウンタイムを設ける

まず大切なのは、感情が高ぶっている状態で無理に話し合おうとしないこと。

具体的なアプローチ

  • 「少し時間をおいてから話し合いましょうか」と提案する
  • 一人で散歩に出かけるなど、自分を落ち着かせる時間を確保する
  • 「考える時間が欲しい」と伝え、話し合いのタイミングを決める

研究によると、感情が落ち着いた状態での話し合いのほうが、より建設的な結果につながる。ただし、「後で話そう」と言いっぱなしにするのではなく、必ず話し合いの時間を設定するのが吉。

2. 「私」を主語にしたメッセージを使う

ジョン・ゴットマンの研究によれば、批判的なコミュニケーション(「あなたはいつも...」「あなたが悪い」など)は関係修復の大きな障害になる。

具体的なアプローチ

  • 「あなたは~した」ではなく「私は~と感じた」と表現する
  • 「いつも」「絶対に」などの極端な表現を避ける
  • 相手の性格ではなく、特定の行動に焦点を当てる

例:「あなたはいつも遅刻する。約束を守れないの?」→「約束の時間に遅れると、私は大切にされていないように感じてしまうんだ」

3. 謝罪の5つの言語を使いこなす

ゲイリー・チャップマンとジェニファー・トーマスの研究によると、効果的な謝罪には5つの要素がある

  1. 言葉での謝罪 - シンプルに「ごめんなさい」と言う
  2. 責任を受け入れる - 言い訳をせず、自分の行動を認める
  3. 補償する - 何らかの形で埋め合わせをする
  4. 心からの後悔 - 本当に悪いと思っていることを示す
  5. 行動の変化を約束する - 同じ過ちを繰り返さないと約束する

ポイントは、相手がどの謝罪言語に最も反応するかを理解すること。なるべく多くの要素を盛り込むことで、より効果的な謝罪になるという報告もある。

4. アクティブリスニングを実践する

関係の問題を解決する際、聞くことは話すことと同じくらい(あるいはそれ以上に)重要。

具体的なアプローチ

  • 相手の話を遮らない
  • 相手の言葉を言い換えて理解を確認する(「つまり、あなたは~と感じているんですね?」)
  • 非言語的な合図(うなずきや適切なアイコンタクト)を使って注意を払っていることを示す
  • 判断を保留して純粋に理解しようとする

研究では、パートナーが「本当に理解された」と感じると、満足度と関係の質が向上することが示されている。これが完璧にできれば衝突もむしろ「成長」のチャンス。

5. 共通の目標を思い出す

喧嘩の最中、お互いが「敵」のように感じることがあるだろうが、しかし、実際には同じチームの一員であることを思い出すことが重要。

具体的なアプローチ

  • 「私たちはこの問題にどう対処できるでしょうか?」と問題を共有する
  • 関係における共通のビジョンや価値観を思い出す
  • 「私たち対問題」というフレームを使う(「私対あなた」ではなく)

チームとしての一体感を取り戻すことで、問題解決への協力的なアプローチが促進される。

6. 物理的なつながりを再確立する

非言語コミュニケーションも関係修復において重要な役割を果たす。

具体的なアプローチ

  • 適切なタイミングで手を握る、ハグする、肩に触れるなどの小さな身体的接触
  • 一緒に座って話し合う
  • アイコンタクトを維持する

研究によると、物理的な接触はオキシトシンの放出を促進し、信頼と結びつきを強化する。もちろん、相手の気持ちや境界線を尊重することが前提。

7. 修復の儀式を作る

関係を修復するための独自の「儀式」を作るのもいい。これが効果的である理由は、認知的不協和を減らし、関係の一貫性を再確立するから。

具体的なアプローチ

  • お互いに特別な意味を持つ場所に行く
  • 特定のフレーズや言葉(「リセットしよう」「新しいページを開こう」など)を使う
  • 一緒に好きな活動をする

このような儀式は、トラブルの後のぎこちなさを和らげ、親密さを取り戻すのに役立つはず。

結局、重要なのは、問題や衝突を関係を深める機会として捉えることでしょう。あなたがどんなタイプのカップルであっても、対立は起こります。大切なのは、対立があったかどうかではなく、その後どうするかです。上記の戦略を実践することで、トラブルから回復するだけでなく、関係をさらに強化することができるでしょう。結局のところ、健全な関係とは「問題がない関係」ではなく、「問題を乗り越える方法を知っている関係」なのです。

残念ながら、多くの研究者が指摘しているように、全ての問題が解決できるわけではありません。カップルの約70%の問題は「永続的な問題」であり、完全には解決しないのでしょう。重要なのは、これらの問題をどうマネジメントし、共に生きていくかです。

ちなみに、既に結構深刻な状態にある場合には、Acceptance and Commitment Therapyなどの心理療法に頼るのもありだと思います。入門書としてはやはり性療法士のハリスさんの書籍でしょうか。



おわりに:幸せな関係を育む「旅」の始まり

今回は「幸せで長く続く関係」を築くための様々な視点や戦略について見てきました。いかがだったでしょうか?

上記で提案したアプローチはすべて、「完璧な関係」を目指すものではなく、「共に成長する関係」を育むためのものです。また、関係において問題が起きることは避けられませんが、それをどう乗り越えるかが重要なのです。

私自身も日々パートナーとの関係について学び、成長し続けています。完璧にできているわけではありませんが、科学的な視点を持ちながら努力を続けることで、より深い結びつきと満足度の高い関係を築けるという確信があります。

ぜひ、この記事で紹介した様々な戦略を少しずつ日常に取り入れてみてください。一度に全てを実践する必要はありません。まずは最も共感できたポイントから始め、徐々に他の要素も取り入れていくのが良いでしょう。そして何より大切なのは、「恋愛関係は旅」「関係は育てるもの」という視点を持ち続けることです。


記事の内容やフォーマットについても、今後皆さんの意見を聞きながらブラッシュアップしていければと思います。お気づきの点や要望、または皆さんの経験談などがあれば、Xやメールでお気軽にご連絡ください。皆さんの体験や成功例、あるいは失敗から学んだことなども共有していただければ幸いです。

最後に、幸せな関係を築くために努力することは、人生の中で最も価値ある投資の一つだと思います。その過程が時に困難であっても、共に成長し、深い結びつきを得られることは、何物にも代えがたい人生の喜びとなるでしょう。

ではまた次の記事でお会いしましょう!


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