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目次

1. 職場での政治の話、聞こえてくるだけでもストレスになる？
2. ZOOMの背景で疲労度が変わる
3. BRATダイエットの科学的検証

職場での政治の話、聞こえてくるだけでもストレスに？

まずは最近職場で感じていた「政治の話を近くでしないでほしい！」っていう私のストレスに関連する研究から。

Journal of Applied Psychology誌に掲載されてた研究を見ると、「政治の会話を聞いているだけ」でも結構なストレスになっちゃうし、しかも、その影響は思った以上に深刻かもしれないぞ！って話になっててやっぱりそうなのかーと思いました。

ここでは研究チームは「職場で政治の会話が聞こえてきた時」の影響について、3つの調査を行ってます。どれも面白い結果が出てるんで、順番に見ていきましょう。

まず1つ目の調査では、263名のフルタイム労働者を対象に、「職場で政治の会話を耳にした時のこと」を思い出してもらって、その時の感情を詳しく聞いていったそう。普通の会話（仕事の話とか個人的な話とか）を聞いた時と比べると、政治の会話を聞いた人のほうが明らかにネガティブな感情が強かったらしい。

さらに面白かったのは2つ目の調査。これは127名の労働者を対象に、なんと3週間にわたって追跡調査をしてます。しかも2018年の中間選挙の前後2週間を含むタイミングで行われたので、かなりリアルな状況が確認できてます。

具体的には、参加者には1日3回（朝・昼・夕方）アンケートに答えてもらって、

• 政治の会話をどのくらい耳にしたか
• その時どんな感情を感じたか
• 仕事の目標達成度はどうだったか
• 仕事の満足度は？

といった項目をチェック。すると、「政治の会話を耳にした人は、その日の仕事の満足度が下がりやすい」「目標達成も難しくなる」という傾向まで見えてきたんだそうな。

また、3つ目の調査（これは2パートに分かれてて、計919名が参加）では、「政治の会話の内容に同意できるかどうか」「周りの人と価値観が似てるか違うか」という要素も加えて分析。その結果、

• 同意できない政治の話を聞くと、ネガティブな感情が増える
• 同意できる政治の話なら、むしろポジティブな感情も
• でも一番重要なのは「周りの人との価値観の近さ」
• 価値観が近いと感じる人たちの中での政治の話は、たとえ同意できない内容でもそこまでストレスにならない

というわけで、「政治の話を聞くだけでストレスになる！」というのは、ある意味で本当だったみたい。特に「周りと価値観が違う」と感じている人にとっては、これはかなりの精神的負担になりそうっすね。

じゃあどうすれば良いのか？ というと、以下のようなポイントを意識するのがよさげ。

• 政治の話をする時は場所を選ぶ：オープンスペースでの政治の話は、誰かの仕事の邪魔になってるかも。会議室とかランチタイムとか、シーンを限定するのが無難。
• チームの多様性を意識する：価値観の違いがストレスの原因になるなら、普段から「違いを認め合える」雰囲気作りが重要。政治の話に限らず、多様な意見を受け入れる文化があると良さそう。
• 自分の反応をコントロール：逆の立場で考えると、「たまたま聞こえてきた政治の話にイライラする」のは、実は自分の価値観の偏り（またはその認識）に起因している可能性もある。「違う意見があって当然」って考え方を意識するだけでも、ストレスが減る可能性がある。

個人的には、政治話がお好きな皆様には少し声のボリュームを下げていただけるとありがたいです。。

ZOOMの背景で疲労度が変わる

コロナ以降、すっかり定着したビデオ会議。最近では「背景を変える機能」も当たり前になってきてますな。が、実は「背景の種類によって疲労度が全然違うんだぜ！」という面白論文が出てました。

これは南洋理工大学の研究チームによる調査で、600人以上の参加者を対象に「ビデオ会議での背景」と「疲労度」の関係を調べています。参加者は22歳から76歳までの幅広い年齢層で、週に約3日在宅勤務をしている人たち。ハイライトは、背景を以下の4種類に分類して、それぞれの影響を詳しく分析している点。

• 動画背景（動いている映像）
• 静止画背景（写真など）
• ぼかし背景
• バーチャル背景なし

で、「全体的な疲労」「視覚的な疲労」「社会的な疲労」「モチベーションの低下」「感情的な疲労」という5つの観点から疲労度を測定したんだそう。

結果的に何が分かったかというと、

• 動画背景が最も疲労度が高い！
• ぼかし背景も、静止画より疲れる
• 自然をテーマにした背景は、疲労度が低い
• リラックスした場面では、ユーモアのある背景が最も疲労が少ない

参考文献より引用

だったらしい。確かに背景が動いてる人との会議の後につかれる感覚はなんとなくわかりますな。

このメカニズムについて、研究チームは「脳が新しい情報にどれだけ反応するか」の観点を指摘しておりました。つまり、

• 静止画背景：最初は新しい情報だけど、すぐに慣れちゃう
• ぼかし背景：新情報は少ないけど、時々実際の背景が見えることで注意が逸れる
• 動画背景：常に新しい情報が入ってくるので、脳が休まらない

そう説明されるとぼかしが一瞬外れた時に注意がとぎれて結果疲れるって話もうなずけますな。

ってわけで、少なくとも「動く背景は見た目が派手で楽しそう！」的な理由で動画を使ってる方は実は知らず知らずのうちに疲れを誘発してるかもしれないっすね。

ってことで、その他の研究の知見も踏まえると、背景選びについては、以下のポイントを意識するのがよさげ。

• 仕事のミーティング：自然をテーマにした静止画またはシンプルな背景で画像の設定はなしがベスト。オフィスや公共スペースの背景だと、「その場所にいる時のような振る舞いをしなきゃ」というプレッシャーが出てしまい、不要な疲労につながる（ただしターンテイキングの回数を増やせる可能性はある）。
• カジュアルな場面：面白い背景やユーモアのある背景でOK。むしろ、場の雰囲気を和ませる効果がある。
• 長時間の会議：動画背景は絶対回避。知らず知らずのうちに認知資源を使い果たしちゃう。

背景選びの際には「なんとなく」「見た目の印象」だけで決めがちですけど、「脳への負荷」という観点から考えてみるのも大事っぽいですな。特に「1日中ビデオ会議！」みたいな方はどんな背景を使っているか、見直してみるとよいかもです。

BRATダイエットの科学的検証

近年、胃腸の不調時の食事療法としておすすめされることもあるBRATダイエットについて軽くまとめておきましょう。

そもそも「BRATダイエット」って何かといえば、以下の4つの食品で構成される食事療法のこと。

• Banana（バナナ）
• Rice（米）
• Applesauce（りんご煮）
• Toast（トースト）

これらの食品は、低脂肪、低タンパク、低繊維なのが共通点でして、消化が容易で、胃腸への負担が少ないんじゃね？ってことで、特に下痢や嘔吐などの症状がある場合の食事として、昔から推奨されてきたんですな。

実際、上記4つの食品がおなかにいい効果をもたらすことは複数の研究で示されてまして、

• 2023年の研究では、調理したバナナが5歳未満の小児の下痢症状の改善に効果があることが示された
• 2019年のシステマティックレビューでは、バナナのパルプに含まれるペクチンが、消化管の健康に寄与することが示されている（特に、下痢と便秘に対して改善効果が認められてる）
• 2016年の研究では、経口補水液と併用した場合の米のスープの有効性が実証されている。特に小児の下痢症状の改善に効果的

って感じで「個別に見れば」それなりに優秀な食品群であるのは間違いなし。ただし、「おなかの調子が悪ければBRATダイエット！」と飛びつくのは危険。実際、国際消化器疾患財団（IFFGD）も、BRATダイエットって栄養学的にいろいろ不足しているからって理由で安易に実践しないでねーって言ってたりします。その根拠として、

• 重要な栄養素の不足
• • タンパク質
  • 必須脂肪酸
  • 食物繊維
  • ビタミンA、B12
  • カルシウム
• 十分なカロリー摂取が困難
• 長期的な栄養不足のリスク

といったところを指摘してたりしますね。以前から「食事の質」「多様性」が大事ってところはお伝えしてきた通り、あんまり少数の食品の割合を高めすぎないほうがいいよってのはBRATダイエットでも同様に言えるって感じっすね。

特に子供にとっては、リスクが大きくて、アメリカ小児科学会は、栄養不足の危険性を考慮し、BRATダイエットはやめてね！とはっきり言ってたりします。特に成長期の子供にとって、必要な栄養素が不足すると様々な悪影響が出てしまう可能性があるってわけですな。

ってなわけで、おなかに不調を感じた場合の食事としては、BRATダイエットに飛びつく代わりに、おとなしく以下のような要素を考慮するのが賢明。

• 適度な水分・電解質の補給
• • 経口補水液
  • スポーツドリンクや果汁
  • ココナッツウォーター
• バランスの取れた食事
• • 消化しやすい「様々な」食品の摂取
  • 必要に応じたプロバイオティクスの活用
  • 段階的な通常食への移行

まー、BRATに限らず、個別に見ていけば腹痛になったときにこれを食べれば症状が改善する！みたいな食品は様々あるわけですが、結局広く栄養バランスの取れたアプローチが前提だからねってことで。