最近読んで面白かった論文まとめです​！

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目次

1. ストレスが重なると寝る時間が遅くなる
2. 嫉妬心を仰ごうとするのは、実は逆効果!?
3. 「悪い性格」の似た者同士が惹かれ合う!

ストレスが重なると寝る時間が遅くなる

「今日は忙しかったから、早めに寝よう……」って思って結局夜更かし。そんな経験はよくあるでしょう。いわゆる「bedtime procrastination」ってやつで、幼少期の経験が影響しているってデータをご紹介したことがありましたね。

この点、最近の研究によると、ストレスの多い日ほど就寝時間が遅くなりがちで、睡眠の質も下がってしまう、という逆説的な傾向が明らかになっておりました。

これはドイツのハイデルベルク大学の96名の学生を対象にした14日間の調査。参加者にはFitbitを着けてもらって睡眠時間を計測しながら、毎日の、

• ストレスレベル
• 予定の就寝時間
• 実際の就寝時間
• 睡眠の質

を記録してもらいました。

で、それらのデータの関係性を分析してみると、

• 平均して15分予定よりも就寝時間が遅れていた
• 遅くなる時は平均より102分も後ろ倒しになっていた
• ストレスが高い日ほど、就寝時間が遅くなりやすい傾向があった
• 遅くなった日は睡眠時間が短く、質も低下していた
• スマホ依存の傾向がある人は、より遅くなりやすい傾向もみられた

ってなことが分かったらしい。疲れてるんだから早く、ぐっすり休むべきなのに、むしろ寝る時間は遅くなるわ睡眠時間は遅くなるわで難儀な話ですねぇ。

参考文献より引用

おそらくストレスを感じている日にはSNSとかの使用に走る傾向が関連しているんじゃないかなーとか考察されてまして、とりあえず強いストレスを感じた日にはデジタル機器の使用は制限しておこうーとか思いました。

嫉妬心を仰ごうとするのは、実は逆効果!?

「パートナーに嫉妬してもらえると、愛されてる感じがする」なんてのはよく聞く話。しかし研究によると、嫉妬を仰ぐような行為は意外と危険かもしよ！って話になっておりました。むしろ、関係を壊すきっかけになりかねない、と。おそろしや。。

これはThe Journal of Sex Researchっていう性科学分野のトップジャーナルに掲載された研究で、研究チームは3つの実験を通じて「パートナーが他人から好意を寄せられた時」の反応を調べています。

一つ目の実験では、参加者に「パートナーが他人からアプローチされる場面」を想像してもらい、その時の感情を分析。2つ目の実験では、VRを使って仮想的な場面を作り出し、より現実に近い反応を観察。そして最後の実験では、実際にあった経験を思い出してもらって、その時の行動や感情を詳しく聞いています。

その結果どんなことが分かったかといえば、パートナーが他人に好意を寄せられている場面を想像・体験すると、

• パートナーに感じる魅力が低下
• 関係を維持しようとする意欲が減少
• ライバルへの対抗意識が増加

という、なかなかショッキングな傾向が見えてきたんだそう。

特に興味深いのは「付き合う前」と「付き合ってる時」で、同じ状況の受け止め方が全然違うってところ。つまり、

• 付き合う前：「他の人が興味を持ってる＝魅力的な人なんだ！」
• 付き合っているとき：「他の人が興味を持ってる＝なんか冷める。。」

っていう感覚の違いがみられたんだそう。要するに、付き合っている相手に「嫉妬させて愛情を確認したい」という気持ちは分かるけど、それは実際には逆効果になる可能性が高いってわけですね。付き合う前だと有効に機能するせいでその戦略が付き合ったあとでも使えるんだと勘違いしてしまうケースもありそうっすね。

研究チームも「嫉妬を使って関係を強めようとするのは、実は関係を壊すリスクが高い」って警告してます。嫉妬心が高くなると整形とか美容とか無駄にお金使い始めちゃったりもするんで、それもいやっすよね。まぁ、ちょっとした嫉妬心は自然な感情かもしれませんが、それを意図的に利用するのは避けたほうが無難なんだろうなーってことで。

「悪い性格」の似た者同士が惹かれ合う!

「似た者同士が惹かれ合う」って言いますが、これは「悪い性格」同士でも当てはまるらしい。マキャベリアン的な性格（策略的で打算的）、ナルシスト的な性格、サイコパス的な性格を持つ人は、同じような傾向の人とカップルになりやすいんだとか。

これは英国とフィジーで行われた3つの調査をまとめた研究。イギリスでは104組、フィジーでは99組のカップルを対象に、以下の「ダークトライアド」について調べています：

• マキャベリアン的性格：
• • 他人を操作する傾向
  • 戦略的な思考
  • 世界を冷笑的に見る
• 自己愛的性格：
• • 誇大性
  • 特別扱いへの期待
  • 共感性の欠如
• サイコパシー的性格：
• • 衝動性が高い
  • 共感性が低い
  • 社会規範を無視

で、これらの性格特性をカップル間で比較したところ、

• カップル同士で「ダークトライアド」の傾向が似ている
• この類似性は偶然とは考えにくい水準で高かった（とはいえばらつきもかなり大きいですが）
• 付き合い始めの時点から似ていた（時間経過で似てくるわけではない）
• 特にマキャベリアン的性格での一致度が高い

ってことが分かったらしい。さらにおもろいのは、以前の研究で「似たような『ダークトライアド』を持つパートナー同士のほうが、関係の満足度が高い」という結果も出ていること。数として似たような性格を持っているカップルが多いというだけでなく、そういったカップルのほうがうまくいきやすいのでは？ってわけですね。

要するに、

• 価値観の共有：「悪い」性格であっても、似た考え方だと理解し合える
• 相性の重要性：単に「良い性格」「悪い性格」じゃなく、お互いの特性の組み合わせが大切
• 自己理解の必要性：自分の性格特性を理解して、相性の良いパートナーを見つけることが大事

ってところでしょうか。「性格いい人と付き合いたい！」みたいな話はよく聞きますけど、当人の性格がよくない場合には当てはまらないってのはなかなか皮肉が聞いてる話だなーとか感じた次第でありました。