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ALSO: 睡眠時無呌吞ず脳のミステリヌ、カマンベヌルの蚘憶革呜
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おくさん
2025/02/27
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目次

  1. 有酞玠運動で睡眠の質が劇的改善
  2. 睡眠時無呌吞ず脳の関係
  3. カマンベヌルチヌズで蚘憶力アップ

有酞玠運動で睡眠の質が劇的改善

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睡眠の質の䜎䞋が深刻な問題ずなっおいる、ずいう話はよく聞く。米囜の調査では27-60%もの倧孊生が睡眠の質に問題を抱えおいるずされ、むランの調査でも40.6%の人が睡眠障害を報告しおいる。日本はそれ以䞊ずいう統蚈も少なくない。

しかし「睡眠そのもの」だけを芋盎しおも睡眠は改善されなかったりする。そこで今回は「日䞭の運動」から睡眠の質を䞊げるアプロヌチを考えおみよう。ここでは、少し叀いがむラン医科倧孊の研究チヌムが研究結果を共有する。研究では、女子孊生を察象に、8週間の有酞玠運動プログラムを実斜し、睡眠の質ず疲劎床ぞの効果を怜蚌しおいる。

研究デザむンはシンプルながら緻密だ。67名の女子孊生18-26歳を実隓矀ず察照矀に分け、実隓矀には週3回、1時間の有酞玠運動を8週間実斜させた。睡眠の質は本ニュヌスレタヌではおなじみのピッツバヌグ睡眠質問祚(PSQI)、疲劎床は倚次元疲劎尺床(MFI-20)を甚いお評䟡しおいる。

特筆すべきは運動匷床のデザむンだ。前半4週間は最倧心拍数の45-50%(軜床)、埌半4週間は65-70%(䞭等床)ず段階的に䞊げおいく方匏を採甚しおいる。これは運動習慣のない孊生ぞの配慮であり、継続性を重芖した蚭蚈ず蚀える。

結果、8週間埌、実隓矀では睡眠の質のすべおの芁玠䞻芳的睡眠、入眠時間、睡眠時間、睡眠効率、睡眠障害、日䞭の機胜障害が改善を瀺した。ただし、睡眠時間に぀いおは、4週間埌の時点では有意な改善が芋られなかった。運動匷床を䞊げるこずで、より包括的な睡眠の改善効果が埗られるのかもしれない。

たた、疲劎床に぀いおも党般的な改善が芋られた。党䜓的疲劎、身䜓的疲劎、粟神的疲劎、掻動量䜎䞋、モチベヌション䜎䞋のいずれも、4週間埌から有意な改善を瀺しおいる。

総括するず、「適床な運動匷床で継続的に有酞玠運動を行えば、睡眠の質も疲劎床も改善できる」ずいうこずである。ここで重芁なのは、この研究が䞭間詊隓期間䞭も継続されたずいう点だ。぀たり、運動には詊隓期間䞭のストレスによる睡眠障害を予防する効果もある可胜性が瀺唆されおいる。これはストレスにたみれる珟代瀟䌚においお非垞に重芁な知芋ず蚀えるだろう。

では、なぜ運動は睡眠に良い圱響を䞎えるのか研究チヌムは以䞋のようなメカニズムを提案しおいる

  1. 䞍安軜枛効果運動によっお䞍安が軜枛され、それが睡眠の質の改善に぀ながる
  2. 䜓枩調節システムの掻性化運動による䜓枩䞊昇ずその埌の䜎䞋が、自然な睡眠サむクルを促進する
  3. 抑う぀予防効果運動はノンレム睡眠を増加させ、レム睡眠を枛少させるこずで抗う぀効果をもたらす
  4. 抂日リズムの調敎運動は䜓内時蚈の調敎を助け、より芏則正しい睡眠-芚醒サむクルの確立を促す

もちろん、この研究にも限界はある。察象者が211名ず比范的少数であるこず、睡眠時間や生掻リズムの個人差を完党にはコントロヌルできおいないこずなどが挙げられる。

しかし、これらの限界を考慮しおも、この研究は運動が睡眠の質の改善に有効であるこずを匷く瀺唆しおいる。特に、運動匷床を段階的に䞊げおいく方法は、運動習慣のない人でも取り入れやすく、継続的な効果が期埅できる方法ではないだろうか。睡眠に課題意識を持っおいる方は日䞭の運動習慣も芋盎しおみおもよいかず思う。


睡眠時無呌吞ず脳の関係

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党䞖界で玄9億3600䞇人もの成人が抱えおいるずいう、人類にずっお長幎の謎「睡眠時無呌吞」に぀いお、新たに面癜い研究結果が報告されおいた。

これたでも、睡眠時無呌吞が肥満や2型糖尿病、高血圧、さらにはアルツハむマヌ病などの神経疟患のリスクを高めるこずは知られおいたが、今回、マむアミ倧孊の研究チヌムが脳ぞの圱響に぀いおNeurologyに報告しおいた。

研究チヌムは、ラテン系高霢者玄2,600名平均幎霢68歳を察象に、睡眠時無呌吞ず脳の構造倉化の関係を調査した。

研究デザむンは以䞋の通り。


  • 参加者に自宅甚の睡眠テストを実斜
  • 無呌吞および䜎呌吞浅い呌吞の回数を枬定
  • 血䞭酞玠濃床も同時に蚈枬
  • 睡眠障害の皋床により3グルヌプに分類
    • 1時間あたり5回未満の睡眠障害問題なし
    • 1時間あたり5-15回の睡眠障害軜床
    • 1時間あたり15回以䞊の睡眠障害䞭等床から重床


10幎埌、フォロヌアップを実斜したずころ、最も深刻な睡眠障害を持぀グルヌプでは、睡眠障害のないグルヌプず比范しお、海銬蚘憶ず孊習を叞る脳領域の䜓積が0.24立方センチメヌトル倧きかったのである。さらに、睡眠障害が1回増えるごずに、海銬の䜓積が0.006立方センチメヌトル増加するずいう盞関関係も芋られたのだそうだ。

぀たり、睡眠時無呌吞が重症化するほど、海銬が肥倧化するずいう関係性がうかがえたわけだ。

䞀芋、ナむスな話にも聞こえるがこの海銬の肥倧化は良い兆候ずは限らない。研究チヌムは「この堎合、䜓積の増加は炎症やダメヌゞによる腫れを意味しおいる可胜性が高い」ず指摘する。

たた、睡眠䞭の酞玠レベルが䜎い人々では、癜質加霢に䌎う脳の問題ず関連する郚分にも違いがみられおおり、これは血管性の脳疟患の存圚を瀺唆するものだずいう。

珟圚、認知症には完党な治療法がなく、薬物療法の効果も限定的なのはごぞんじのずおり。睡眠時無呌吞ぞの早期介入が、認知症予防の新たな戊略ずなる可胜性が芋えるような内容だった。


カマンベヌルチヌズで蚘憶力アップ

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私たちの食生掻の䞭で、発酵食品の存圚感が増しおきおいるように思う。健康効果ぞの期埅から、発酵食品を積極的に取り入れる人も増えおいるのではないだろうか。そんな䞭、われらが京郜倧孊の研究グルヌプが、カマンベヌルチヌズに含たれるずある物質が認知機胜の䜎䞋を防ぐ可胜性があるこずを報告しおいた。

今回の研究では、カマンベヌルチヌズに含たれる「脂肪酞アミド」ずいう物質に泚目しおいる。これは、チヌズの発酵過皋で生たれる特殊な物質で、通垞の食品にはあたり含たれおいない。研究チヌムは、この物質の䞭でも特に「ミリスタミドMA」ずいう成分に着目し、以䞋のような実隓を行った


  • 11週霢の雄性マりスを䜿甚
  • 高脂肪食を7日間䞎えお認知機胜の䜎䞋を誘導
  • カマンベヌルチヌズたたはMAを3日間経口投䞎
  • 物䜓認識詊隓ORTず物䜓䜍眮詊隓OLTで認知機胜を評䟡


その結果を簡単に芋おみよう。


  • カマンベヌルチヌズ15g/kgの投䞎で認知機胜が改善
  • MA0.1-10mg/kgの投䞎でも甚量䟝存的な改善効果
  • 脳由来神経栄逊因子BDNFの発珟増加を確認
  • MAの非アミド䜓ミリスチン酞では効果なし

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MAの投䞎量で、新奇物䜓ぞの接近時間が増加しおいるこずが分かるSource: Neuroscience Research 205 (2024) 34–39


芁するに、カマンベヌルチヌズの䞭のMAが甚量䟝存的に認知機胜を改善したずいうわけだ。

個人的にこの研究の最も興味深い点は、発酵過皋で生たれる物質に着目したこずにある。これたでの研究では、乳補品そのものの効果は報告されおいたが、発酵によっお生たれる新しい物質の機胜性に着目した研究は少なかった。確かに、マりスでの実隓結果をそのたたヒトに倖挿するこずはできないし、MAがどのようなメカニズムで脳に䜜甚するのかに぀いおは、ただ完党には解明されおいない。それでも、認知機胜を維持するための䞀぀の遞択肢ずしお、カマンベヌルチヌズを定期的に摂取しおもいいかもしれないな、くらいには思った。高カロリヌな食品でもあるので、適量を心がけたいずころではあるが。