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🧘‍♂ マむンドフルネス瞑想、どこたで効くのか問題
ALSO: 結婚しない人の性栌、痛みの原因は䜓重ではなく食事説
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おくさん
2025/02/28
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目次

  1. マむンドフルネス瞑想、どこたで効くのか問題
  2. 生涯独身を貫く人の性栌
  3. 食事で䜓の痛みは軜枛できるか問題 【肥満は関係なかった】

マむンドフルネス瞑想、どこたで効くのか問題

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䞍安症の治療ず蚀えば、倚くの人が真っ先に思い浮かべるのは抗䞍安薬だろう。しかし近幎、マむンドフルネス瞑想が䞍安症の治療に効果があるずいう研究が増えおきおいお、実際医療珟堎でも泚目を集めおいるようだ。

そこで今回は、「マむンドフルネス瞑想ず抗䞍安薬、どっちが効くの」ずいう玠朎な疑問に答えようずした倧芏暡な臚床詊隓のデヌタをチェックしおみよう。

この研究、なかなかの本栌掟で、276名もの䞍安症患者を察象に、マむンドフルネスベヌスのストレス䜎枛法MBSR、やり方が気になる方は本曞を激しくおすすめず抗䞍安薬゚スシタロプラムの効果を盎接比范しおいる。参加者の75%が女性で、平均幎霢は33歳。人皮的にも倚様性があり、アゞア系が19%、黒人が15%、ヒスパニックが9%、癜人が60%ず、たあたあバランスの取れたサンプルずなっおいる。

研究デザむンはこんな感じ。


  • 被隓者は党員、パニック障害、瀟亀䞍安障害、党般性䞍安障害、広堎恐怖のいずれかの蚺断を受けた人
  • MBSRグルヌプ136名は週1回のクラスに参加し、様々な瞑想法の理論ず実践を孊んだ
  • ゚スシタロプラムグルヌプ140名は8週間にわたっお薬物治療を受け、投䞎量は10-20mg/日の範囲で調敎された
  • 評䟡は患者の自己報告ず医垫による蚺断の䞡方を䜿甚。䞍安、う぀、生掻の質など、倚角的な指暙で効果を枬定


その結果を敎理しおみるず、


  • 䞡グルヌプずも、䞍安症状は顕著に改善した
  • 8週間埌の時点で、MBSRず抗䞍安薬の効果に臚床的に意味のある差は認められなかった効果量は小さく、d = 0.01-0.20
  • 治療開始4週間埌の時点では、抗䞍安薬のほうが若干早く効果が出る傟向が芋られたが、8週間埌には差がなくなった
  • 副䜜甚に関しおは倧きな差があり、抗䞍安薬グルヌプの78.6%が䜕らかの副䜜甚を経隓したのに察し、MBSRグルヌプでは15.4%に留たった


芁するに、「マむンドフルネス瞑想でも抗䞍安薬ず同等の効果が埗られる」ずいうこずだ。䞡グルヌプずも時間経過ずずもに䞍安スコアが着実に䜎䞋しおおり、その掚移はほが同じような軌跡を描いおいるのが面癜い。

瞑想なんお「そんなんで本圓に効くの」っお思われがちだし、実際、最近マむンドフルネスに懐疑的なデヌタも倚いので個人的にも怪しんでいる郚分は結構あったのだが、殊䞍安症ずいう点ではかなり䜿える手段なのだろう。

加えお、MBSRなら副䜜甚もかなり少ない。抗䞍安薬による副䜜甚に悩む人は倚いし、薬物療法に抵抗感を持぀人も少なくない。そういう人たちにずっお、MBSRは魅力的な遞択肢になるだろう。

ただし、この研究にも限界はあるのは事実。䟋えば、MBSRグルヌプのほうが指導者ずの察面時間が長かったため、その人的な関わりが結果に圱響を䞎えた可胜性は吊定できない。たた、耇数の二次的なアりトカムを扱っおいるため、統蚈的な怜出力が十分でない可胜性も指摘されおいた。

ずはいえ、276名ずいう芏暡は粟神医療の臚床詊隓ずしおはかなり倧きく、研究デザむンもしっかりしおいるので、結果の信頌性はそれなりに高いず考えおよいのではないか。

MBSRは8週間のプログラムを終了すれば、その埌も自分で続けられる。薬物療法のように継続的なコストがかからない点も、メリットずしお挙げられるだろう。結論、「マむンドフルネス瞑想は、䞍安症治療の䞻力遞手になれる」ポテンシャルが十分ある、ずいうこずで蚘憶しおおこうず思う。


生涯独身を貫く人の性栌

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独身ず蚀えば昔は「できそこない」のような偏芋の目で芋られがちだったが、近幎は単身䞖垯が増加の䞀途をたどっおおり、むしろ圓たり前の遞択肢の䞀぀になり぀぀ある。日本では40歳たでに䞀床も結婚しおいない人が男性で31%、女性で20%もいるずいう。

ずなるず気になるのが、生涯独身の人ず䞀床でも結婚経隓のある人ずの間にどんな違いがあるのだろうずいうずころだ。ペヌロッパ27カ囜、7侇7千人を察象にした倧芏暡な研究では、䞡者の性栌や幞犏床を比范しおくれおいた。

この研究では、健康・高霢化・退職に関する調査(SHARE)のデヌタを掻甚し、平均幎霢68.5歳の参加者を察象に、性栌特性(おなじみビッグファむブ)ず人生満足床を比范しおいる。独身の定矩は3段階で蚭定されおおり、「䞀床も結婚しおいない」「同棲経隓がない」「恋愛の経隓がない」の3぀。いわゆる「恋愛経隓れロ」から「結婚はしおいないが恋愛経隓はある」たで、幅広い独身のパタヌンを芋おいる点が面癜い。

分析の結果、以䞋のような傟向が明らかになっおいた。


  • 倖向性生涯独身者は、明らかに倖向性が䜎い。これは3぀の独身定矩すべおで䞀貫しお芋られる傟向だが、特に「恋愛関係がない」グルヌプで顕著だった
  • 誠実性生涯独身者は誠実性も䜎い傟向にあった。ただし、その差は倖向性ほど倧きくない
  • 開攟性「恋愛関係がない」人は開攟性が䜎いが、結婚経隓のない人だけを芋るず、その差は消倱する。぀たり、恋愛経隓の有無が開攟性ず関連しおいる可胜性がある
  • 協調性単玔な差は芋られなかったが、「結婚経隓がない」人の䞭でも、恋愛や同棲の経隓がある人は、協調性が䜎い傟向があった
  • 神経症傟向予想に反しお、生涯独身者ず既婚経隓者の間に倧きな差は芋られなかった


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生涯独身者ず既婚経隓者の性栌特性の違い。特に倖向性ず誠実性の差が目立぀。Source: PS. 2024;35(12):1364–1381

芁するに、「生涯独身者は内向的で、やや誠実性に欠ける傟向がある」ずいうこずだ。

この結果に぀いおは、2぀の解釈が可胜だろう。䞀぀は「そういう性栌だから結婚しにくい」ずいう遞択効果。もう䞀぀は「結婚生掻を送るこずで倖向的になり、責任感が育぀」ずいう瀟䌚化効果である。今回の研究ではどちらが正しいか刀断できないが、おそらく䞡方の芁因が絡み合っおいるのだろうなず感じた。

さらに付加がっおみるず、たた別の面癜い違いも芋぀かる。


  1. 性別による違い男性の方が、独身ず既婚の性栌差が顕著だった。特に倖向性、開攟性、誠実性においお、この傟向が芋られた。
  2. 幎霢による圱響若い独身者の方が、高霢の独身者よりも神経症傟向が高かった。幎霢ずずもに、独身生掻に適応しおいく可胜性がある。
  3. 囜による違い男性の比率が高い囜ほど、独身者の神経症傟向が匷かった。これは「結婚垂堎」の需絊バランスが、粟神的健康に圱響を䞎える可胜性を瀺唆しおいる。


さらに研究では生涯独身者の幞犏床も調べおおり、やはり既婚経隓者より䜎い傟向にあった。ただし、その差は高霢になるほど小さくなっおおり、幎霢ずずもに独身生掻ぞの「適応」が進むこずを瀺唆しおいる。

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生涯独身の人は、人生の満足床やQOLも䜎いSource: PS. 2024;35(12):1364–1381

最近では、生涯独身でも幞せそうな人が目立っおいるように思うが、党䜓で芋れば、パヌトナヌがいるほうが幞せになれる人のほうが倚いのではないかず思わされた。それに必ずしも「結婚」ずいう圢をずる必芁がないこずも今回の研究からわかる。


食事で䜓の痛みは軜枛できるか問題 【肥満は関係なかった】

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最近は、統蚈的にも䜓の痛みに悩む人が増えおいるそうだ。慢性的な痛みは䞖界人口の2030%が経隓する重倧な健康問題ずなっおいるらしい。この痛みの原因ずしお、肥満ずの関連を指摘する研究は倚いのだが、実はそれよりも「食事の質」が倧きく圱響しおいる可胜性が出おきた。

サりスオヌストラリア倧孊の研究グルヌプが、Nutrition Research誌に発衚した研究を芋おみよう。この研究では、654人(女性57%)を察象に、食事の質ず䜓の痛み、そしお䜓脂肪ずの関係を詳しく分析しおいる。

研究デザむンは以䞋の通り。


  • 食事の質オヌストラリアの食事ガむドラむンに基づくDGI(Dietary Guideline Index)を䜿甚。90点満点で評䟡
  • 䜓の痛みSF-36ずいう囜際的に認められた評䟡尺床を䜿甚
  • 䜓栌指暙BMI、り゚スト、䜓脂肪率(DXAスキャンで枬定)を䜿甚
  • 解析手法構造方皋匏モデリングずいう統蚈手法を䜿っお因果関係を分析


参加者の平均幎霢は50.4歳で、71%が過䜓重か肥満。食事の質を瀺すDGIスコアは平均44.1点ず、90点満点の半分以䞋だった。特に男性は40.9点ず䜎く、女性(46.5点)より有意に䜎かったずのこずだ。

本題の分析をしたずころ、以䞋の結果が分かった。


  • 食事の質が高いほど、䜓の痛みは少なくなる傟向が芋られた
  • この関係は、BMIや䜓脂肪率ずは独立しおいた
  • ぀たり、倪っおいるかどうかに関係なく、食事の質が良ければ痛みは少なくなる
  • 特に女性においお、この関係が顕著だった


男女差が深がられおいる点も面癜い。女性の堎合、野菜、果物、乳補品、䞍飜和脂肪酞の摂取が倚いほど痛みが少なくなるずいう関連が芋られた。これらの食品に含たれる抗酞化物質や抗炎症成分が、痛みの軜枛に寄䞎しおいる可胜性がある。䞀方で男性の堎合、アルコヌル摂取量が倚いほど痛みが少なくなる傟向が芋られた。ただし、これは適床な飲酒量の堎合であっお、過床な飲酒は逆効果だろう。実際、男性の30%は健康のリスクが高たる飲酒量を超えおいたりする。

個人的には、やはりこの研究で最も泚目すべきは「食事の質ず痛みの関係が䜓栌ず独立しおいる」ずいう点だず思う。これたでは「痩せれば痛みが改善する」ずいう単玔な図匏で考えられがちだったが、実はそれ以䞊に日々の食事の質のほうがよっぜどが重芁かもしれない。もちろん肥満ず慢性痛の関連を指摘する既報も倚いので、ダむ゚ットできるならしたほうがいいだろうずは思うが、時間もかかるしストレスが痛みをブヌストしおしたう可胜性も高い。であれば「食事の質」にフォヌカスしおしたっお、぀いでに痩せれたら儲けもん、くらいにずらえおおいたほうが珟実的かもしれない少なくずも足元の課題ずしお「痛みの改善」を抱えおいるいるのであれば。