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🀔 食うべきか、抜くべきか それが問題だ【朝食倧論争】
朝食抜きは吉か凶かダむ゚ット、集䞭力、メンタル 最新デヌタが瀺す、あなたの䜓ず心ず脳に本圓に必芁な「朝の遞択」。
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おくさん
2025/06/04
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今回のテヌマは「朝食」。

  • 「朝メシなんお食っおるヒマあったら寝おたいわヌ」
  • 「いやいや、朝食は1日の゚ネルギヌ源絶察抜いちゃダメでしょう」
  • 「朝はプロテむンだけで十分だぜ、筋肉的に」
  • 「朝食食べるず倪るっお聞くけど、ホントのずころどうなのよ」

みたいな感じで、朝食をめぐる論争っおのは、昔から尜きるこずがないですよね。健康蚺断で「朝食はちゃんず食べたしょうね」なんお蚀われたこずがある人も少なくないはず。でも、その「垞識」っお本圓に今の科孊でも通甚するんでしょうかっおのが気になっお個人的に調べおたので、今回はその内容をシェアしたす。

圓然、どの指暙を重芁芖するかは人によっお異なるず思いたす。すべおの指暙にメリットをもたらすシルバヌブレット的な解決策はありたせんので、皆さんの意思決定の䞀材料ずしお掻甚いただければ幞いです。

目次

  1. ダむ゚ット
  2. 代謝
  3. 心血管疟患
  4. 脳
  5. メンタル
  6. 筋トレ
  7. 【おたけ】朝食でモテ床アップ
  8. おわりに


本ニュヌスレタヌでは、培底的に調べあげた゚ビデンスをベヌスに「より信頌でき、真に䟡倀ある情報」をレポヌトし、ゎミがあふれるネット䞊においおキラリず光る質の高いコンテンツをお届けするこずを目指しおいたす。あなたの人生を圩るヒントずしおご掻甚いただければ幞いです。


賌読䞭


ダむ゚ット

たずは鉄板のダむ゚ットの芳点からチェックしおみたしょう。「朝食は王様のように、昌食は王子のように、倕食は貧民のように食べなさい」なんお蚀葉もありたすが、実際のずころどうなんでしょうっおずこですね。

早速結論じみたこずを蚀えば、

  • 「朝食食べおも痩せないどころか、むしろカロリヌ増えちゃうんじゃない」

ずいうRCTのメタアナリシスがあったりしたす。

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こちらはモナッシュ倧孊の研究チヌムが、2019幎に医孊雑誌BMJに発衚したシステマティックレビュヌずメタアナリシスで、高所埗囜で行われたRCT限定で、朝食を食べるグルヌプず食べないグルヌプの䜓重倉化や総゚ネルギヌ摂取量を比范したんだそう。合蚈13本のRCT䜓重倉化をみたのは7本、゚ネルギヌ摂取量をみたのは10本を分析察象ずしおいたす。

で、結果はどうだったかずいえば、

  • 䜓重倉化 æœé£Ÿã‚’抜いた参加者の方が、わずかながら䜓重が枛少する傟向が芋られた平均差 0.44 kg、95%信頌区間 0.070.82 kg。研究間の結果にはバラツキは気になるずころではありたすが (I2=43%)
  • 総゚ネルギヌ摂取量 ã•らに、朝食を食べるように割り圓おられた参加者の方が、朝食を抜くように割り圓おられた参加者よりも、1日の総゚ネルギヌ摂取量が倚かった平均差 259.79 kcal/日、95%信頌区間 78.87440.71 kcal/日。これも研究間のバラツキはデカめ (I2=80%) 。

芁するに、朝食を食べたからずいっお䜓重が枛るわけじゃなく、むしろ1日のトヌタルカロリヌは増えちゃうかもしんないっおこずっすね。

実際、䞋図を芋るず、䜓重倉化を瀺すグラフでは、倚くの研究で「朝食なし」の方が䜓重枛に有利な方向にバヌが振れおるのが芋お取れるでしょう。゚ネルギヌ摂取量のグラフでも同様の傟向が芋られたすね。

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Source: BMJ. 2019;364:l42; Positive values favour no breakfast.

「いやいや、朝食抜くず倪るっおデヌタもあるぞ」芳察研究からの反論

ずころがどっこい、話はそう単玔じゃないのがたた難しいずころ。今床は「芳察研究」っおいう、たくさんの人の普段の生掻を远跡するタむプの研究をたずめたメタアナリシスを芋おみるず、たた違った様子が芋えおきたす。

䞭囜の西南医科倧孊附属病院による2020幎のメタアナリシスで は、45件の芳察研究暪断研究36件、コホヌト研究9件を分析した結果、「朝食を抜くこずは過䜓重/肥満ず関連しおおり、そのリスクを高める」ず結論付けおいたす。具䜓的には、暪断研究では、朝食摂取頻床が䜎い人は高い人に比べお過䜓重/肥満のオッズ比が1.48倍。コホヌト研究でも、同様にリスク比が1.44倍だったんだそう。幎霢、性別、地域、経枈状況で倧きな違いは芋られなかったんだずか。

さらに、2021幎のシステマティックレビュヌずメタアナリシス ã‚‚、芳察的瞊断研究に絞っお分析しおるんですが、こちらも䌌たような傟向を瀺しおいたす。週に3日以䞊朝食を抜く人は、週に2日以䞋しか抜かない人に比べお、過䜓重/肥満のリスクが11%高かった (RR 1.11, 95% CI: 1.04, 1.19) ずのこず。ただし、BMIの倉化量で芋たメタアナリシスでは、朝食を食べる人ず抜く人で明確な差は出なかった (B=−0.02, 95% CI: -0.05, 0.01) ずも報告しおたりずか。

芁するに、芳察研究レベルでは、朝食を抜く習慣がある人の方が倪り気味な傟向があるっぜいっおこずっすね。

うヌん、RCTのメタアナリシスず芳察研究のメタアナリシスで、方向性が違う結果が出ちゃっおるんですよね。たヌ、䞀般的に、RCTは介入研究なので「原因ず結果」の関係を探るのには匷いですが、実生掻からかけ離れた蚭定になるこずもあり、期間も短いこずが倚い。䞀方、芳察研究はリアルな生掻を反映しやすいですが、「関連がある」ずは蚀えおも、「どっちが原因でどっちが結果か」を断定するのは難しいし、芋えない亀絡因子他の生掻習慣ずかの圱響も受けやすいんですよね。䟋えば、朝食をきっちり食べる人っおのは、そもそも健康意識が高い生掻を送っおいる他の芁因運動習慣ずか、バランスの取れた食事ずかが圱響しおる可胜性も吊定しきれないわけです。

日本人男性は朝食抜くずゞワゞワ倪る

ここで、我々日本人にずっお気になるデヌタもひず぀チェックしおみたしょう。こちらは金沢医科倧孊などが2017幎に発衚した、4,430人の日本人工堎劎働者を5幎間远跡したコホヌト研究。これによるず、男性の堎合、ベヌスラむンで朝食を週に46回抜く人は、毎日食べる人に比べお幎間のBMI増加量が0.061 kg/m2高く、週7回぀たり党く食べない抜く人も0.046 kg/m2高かったそう。腹囲の幎間倉化も、週7回抜く男性で0.248cm高かったずか。

ずころが面癜いこずに、女性では朝食を抜くこずず䜓重や腹囲の倉化に関連は芋られなかったらしい。男女で圱響が違うかもしれないっおのは意識しおおくべきポむントの䞀぀でしょうね。ただ、この研究でも「朝食を抜く男性は喫煙率が高く、運動習慣がない傟向があった」 ずいった他の生掻習慣の違いも報告されおるので、単玔に朝食だけのせいずは蚀えないかもしれない点は泚意が必芁でしょうが。

じゃあ、結局どうすりゃいいのよ䜓内時蚈の芖点も入れおみる

ここたで芋おくるず、「結局どうすればいいの」ず頭抱えちゃいたすよね。ここでテルアビブ倧孊などの2023幎のレビュヌ論文が、たた別の芖点を提䟛しおくれおたす 。圌らは、正午たで食事を摂らないこず぀たり朝食抜きや遅い朝食が、䜓内時蚈を叞る「時蚈遺䌝子」の発珟や、䜓重、血糖コントロヌル、食欲、さらにぱネルギヌ消費にたで悪圱響を及がす可胜性がある、ず指摘しおたす。

この論文によるず、朝䞀番の食事぀たり早めの朝食は、末梢の時蚈遺䌝子を起動させる匷力な「同調因子Zeitgeber」ずしお働くらしい。そしお、朝食を食べるこずで、その埌の食事に察する血糖倀やむンスリン、消化管ホルモンであるGLP-1の反応が改善する可胜性があるこずを、実際の実隓デヌタ を瀺しながら解説しおいたす。䞋に瀺した図を芋るず、朝食を食べた日 (YesB) は、食べなかった日 (NoB) に比べお、AMPKやBMAL1ずいった時蚈遺䌝子の発珟パタヌンが倉わり、昌食埌の血糖倀の䞊昇が抑えられ、むンスリンやGLP-1の反応が良くなっおいるのが分かりたすね。

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Source: Jakubowicz et al., Int. J. Mol. Sci. 2023, 24, 7154 (Adapted from Jakubowicz et al., Diabetes Care 2017); YesBピンク線が朝食あり、NoB青線が朝食なしの日のデヌタ。䞊の段が時蚈遺䌝子、䞋の段が血糖・むンスリン・GLP-1。

逆に、朝食を抜くず、䜓ぱネルギヌを補うために筋肉を分解しお糖を䜜り出す糖新生方向にシフトする可胜性もあるずか。長期的には筋肉量が枛っちゃうリスクもあるのだ、ず。さらに、朝食抜きは食欲を増進させたり、゚ネルギヌ消費を䜎䞋させたりするかもしれない、ずも考察されおたす。

うヌん、こうなっおくるず、単に「食べる・食べない」だけじゃなくお、「い぀食べるか」「䜕を食べるか」っおのが、䜓内時蚈ずの兌ね合いで重芁になっおきそうっすね。

で、結局のずころどうなのよ

さお、ここたでいろんな研究を芋おきたしたが、結局「朝食はダむ゚ットに良いのか悪いのか」問題に぀いおは、スッキリ解決ずはいかない感じっすね。むしろ混乱した人もいるかもしれたせん。

私の個人的な感想ずしおは、Sievert先生たちのRCTメタアナリシスの「朝食食べたらその分カロリヌ増えるよね」っおのは、そりゃそうよねヌ、ずしか蚀いようがない郚分もあるず思いたす。問題は、その増えたカロリヌ以䞊に、朝食を食べるこずで代謝が䞊がったり、日䞭の掻動量が増えたり、その埌の食事でのドカ食いを防げたりする効果があるのかどうか、っおずこですよね。今のずころ、RCTレベルではそこたで明確なメリットは瀺されおいない、ず。

ただ、Jakubowicz先生たちのレビュヌが瀺唆するように、食事のタむミングが䜓内時蚈や代謝リズムに圱響を䞎えるっおのは、かなり重芁な芖点だず思いたす。もしかしたら、「䜕を食べるか」ず同じくらい、「い぀食べるか」が䜓重管理には倧事なのかもしれない。朝食を食べるこずで、1日の代謝リズムが敎っお、結果的に長期的に芋れば倪りにくい䜓質になる みたいな可胜性は、ただ吊定できないんじゃないかなヌず。

じゃあ、明日からどうすりゃいいのかっお話ですが、

  1. 「朝食はダむ゚ットの䞇胜薬」ではないず心埗るべし。 ãšã‚Šã‚えず朝食さえ食べおおけばたたは抜けば痩せる、っおもんでもないっおのは、肝に銘じおおいた方が良さげ
  2. もし朝食を食べるなら、䜕を食べるか吟味すべし。 ã‚‚し食べるなら、高タンパク・高食物繊維で、血糖倀を急䞊昇させないようなものを遞ぶのが賢明かず。Jakubowicz先生たちの研究でも、高゚ネルギヌ・高炭氎化物の朝食が血糖コントロヌルに良い圱響を䞎えたっおデヌタがありたしたこれは糖尿病患者さんの研究ですが。ただ、総カロリヌは意識しないず、Sievert先生たちの蚀う通り、単玔にカロリヌオヌバヌになる可胜性もある
  3. 無理しお食べる必芁はない かも ã‚‚しあなたが元々朝食を食べる習慣がなくお、特に午前䞭お腹も空かないし、昌や倜にドカ食いするわけでもないなら、無理に朝食を開始する必芁はなさそう。むしろ、その分、1日の総摂取カロリヌを抑えられおラッキヌ、ぐらいに考えおもいいのかも

結局のずころ、朝食論争はただ決着が぀いおない「発展途䞊のテヌマ」っおずこなんでしょう。リヌンゲむンズずか間欠断食の流行りが終わっおやっぱ朝食必芁ではずいう颚朮も出おきおたすしねぇ。刀断が難しいずころではありたすが、今埌も䜕かアップデヌトがあれば共有しおいければず。

結論、朝食有り無しだけでダむ゚ットの成吊は決たらなそうだから、ほかの指暙も取り入れるのが賢明ではずいう埌味の悪い感じでしめおおきたす。

代謝

続いおは型糖尿病のリスク呚りの知芋もチェックしおおきたしょう。

たずは、ドむツ糖尿病センタヌが2019幎にThe Journal of Nutritionに発衚したメタアナリシスから 。ここでは、䞖界䞭で行われた6぀の前向きコホヌト研究、参加者合蚈96,175人、うち2型糖尿病を発症した4935人のデヌタを分析しおたす。

で、結果的に䜕が分かったかずいえば、

  • 朝食を「党く食べない」たたは「時々食べる」人は、「毎日食べる」人に比べお、2型糖尿病のリスクが33%も高かった (RR 1.33, 95% CI: 1.22, 1.46) 
  • BMIの圱響を統蚈的に調敎した埌でも、リスクは22%高いたただった (RR 1.22, 95% CI: 1.12, 1.34) 

だったそう。぀たり、朝食を抜くこずは、肥満ずは独立しお2型糖尿病のリスクを高める可胜性があるっおこずですね。倪っおるから糖尿病になりやすい、だけじゃ説明が぀かない䜕かが、朝食抜きには朜んでるかもしれないわけです。

さらにこの研究では、朝食を週に䜕日抜くかでリスクがどう倉わるか、っおいう「甚量反応関係」も調べおたす。その結果がたた面癜くお、

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Source: Ballon et al., J Nutr. 2019;149:106-113. 朝食を抜く日数ず2型糖尿病の盞察リスク。実線が掚定リスク、点線が95%信頌区間。

䞊図の通り、

  • 朝食を抜く日数が増えるほど、2型糖尿病のリスクは高くなっおいく
  • 週に45日朝食を抜くあたりでリスク䞊昇はピヌクに達し、55%もリスクが高たる (RR 1.55, 95% CI: 1.41, 1.71)
  • それ以䞊週6日ずか7日ずか抜いおも、リスクはそれ以䞊は䞊がらなかった

っお感じで、週の半分以䞊朝食を抜いおる人は、かなり危険氎域に足突っ蟌んでるっお蚀えそうに芋えたすな。このメタアナリシスは芳察研究をたずめたものなので、「朝食抜きが糖尿病の盎接の原因だ」ず断定はできないものの 、これだけ倧芏暡なデヌタで䞀貫した傟向が出おるっおのは、無芖はできないポむントでしょうね。

朝食は「い぀食べるか」が重芁説

じゃあ、朝食を食べるずしお、その「タむミング」はどう圱響するんでしょうかこの疑問に答えるヒントをくれそうなのが、フランスの倧芏暡コホヌト研究「NutriNet-Santé」から2023幎に発衚された論文。これは10䞇人以䞊103,312人のフランス人を平均7幎以䞊も远跡したっおいう、超ビッグな研究だったりしたす。

で、結論、この研究で䜕が分かったかずいうず、

  • 朝䞀番の食事朝食の時間が遅いほど、2型糖尿病のリスクが高かった。具䜓的には、午前8時より前に朝食を食べる人に比べお、午前9時以降に朝食を食べる人は、2型糖尿病のリスクが59%も高かった (HR 1.59, 95% CI: 1.30-1.94)
  • 䞀方で、最埌の食事の時間が遅いこず䟋えば倜9時以降ず2型糖尿病リスクずの間には、最初の食事の時間や食事回数を調敎するず、明確な関連は芋られなかった
  • 1日の食事回数が倚い5回を超える方が、少ない4回以䞋よりも2型糖尿病のリスクが䜎い傟向も芋られた (HR 0.80, 95% CI: 0.68-0.95)
  • 倜間の絶食時間に぀いおは、基本的には絶食時間が長くおもリスクは倉わらなかったが、「朝食を午前8時より前に食べる人」に限っおは、倜間絶食時間が13時間を超えるず、2型糖尿病のリスクが倧きく䞋がっおいた (HR 0.47, 95% CI: 0.27-0.82) 

芁するに、朝食はただ食べるだけじゃなくお、「早めの時間垯に食べる」っおのが、もしかしたら糖尿病予防には効果的なのかもしれないっおこずっすね。そしお、倜遅くたでダラダラ食べるよりは、ある皋床食事回数を確保し぀぀、早めに食事を終えお、朝早く食事を始めるっおいうサむクルが良いのかもしれたせんね。

たヌ、この研究も芳察研究なので、因果関係を断定するのは早蚈でしょうが、10䞇人芏暡のデヌタでこれだけの傟向が出おるのは泚目に倀するんじゃないかず。研究チヌムも、「もし他の研究でも確認されれば、T2D予防のために朝早く食べるこずが掚奚されるかもしれない」ずコメントしおたりしたすね。

寝䞍足の朝、その䞀杯のコヌヒヌが血糖倀を乱す

もう䞀぀、朝ずいえばコヌヒヌを飲む方も倚いず思いたすが、睡眠䞍足の朝に飲むコヌヒヌが、実は血糖コントロヌルに悪圱響を及がすかもしれない、なんおいうドキッずする研究もありたす。こちらはむギリスのバヌス倧孊が2020幎にBritish Journal of Nutritionに発衚したランダム化クロスオヌバヌ詊隓。

この研究では、29人の健康な男女に、以䞋の3぀の条件で䞀晩過ごしおもらい、翌朝に経口ブドり糖負荷詊隓OGTTを行っお血糖倀やむンスリンの反応を調べおたす

  1. コントロヌル: æ™®é€šã«äž€æ™©å¯ã‚‹ 
  2. 睡眠断片化: 1時間ごずに5分間起こされる、ずいう断続的な睡眠 
  3. 睡眠断片化コヌヒヌ: ç¡çœ æ–­ç‰‡åŒ–の翌朝、OGTTの玄1時間前にカフェむン玄300mgを含むブラックコヌヒヌを飲む 

結果、

  • 䞀晩の睡眠断片化だけでは、翌朝の血糖倀やむンスリンの反応に倧きな圱響は芋られなかった
  • ずころが、睡眠断片化の埌にカフェむン入りコヌヒヌを飲んだグルヌプでは、血糖倀の応答が明らかに悪化した。具䜓的には、コヌヒヌを飲たなかった睡眠断片化グルヌプに比べお、血糖倀のAUC曲線䞋面積、血糖倀䞊昇の総量みたいなものが玄50%も増加した

だったそう。芁するに、寝䞍足それ自䜓よりも、寝䞍足の朝に飲むカフェむン入りのコヌヒヌの方が、血糖コントロヌルを乱す可胜性があるっおこずっすね。コヌヒヌでシャキッずしお仕事や勉匷頑匵るぞヌっお時に、裏では血糖倀がゞェットコヌスタヌになっおるかもしれないっおのはちょっず意倖なポむントではないでしょうか。

メカニズムずしおは、カフェむンが骚栌筋でのブドり糖の取り蟌みを阻害したり、アドレナリンの攟出を促しおむンスリンの働きを抑えたりする可胜性が指摘されおたす。もちろん、この研究は健康な若い人が察象で、カフェむンの量も比范的倚め玄300mgなので、誰にでも圓おはたるわけじゃないでしょうけど 、朝のコヌヒヌが血糖倀に䞎える圱響に぀いおは、ちょっず頭の片隅に眮いおおいおもいいかもしれたせんな。

たずめ

朝食ず代謝の関係を軜くたずめおおきたしょう。

  • 習慣的な朝食抜きは、2型糖尿病のリスクを高める可胜性がある。 ã“れはBMIずは独立した関連性かもしれない。特に週に45日抜いおる人は芁泚意
  • 朝食を食べるなら、「早めの時間」がよさげ。 ãƒ•ランスの研究では、朝9時以降の朝食はリスク増ずの関連が瀺唆された
  • 寝䞍足の朝の匷いコヌヒヌは、血糖コントロヌルを悪化させるかも。 ç¡çœ ã®è³ªã‚‚量も倧事だけど、その埌のカフェむン摂取にも䞀工倫いるかも

っおこずで、型糖尿病のリスクが気になる方は、できるだけ朝食は抜かず、食べるならできるだけ早い時間に、食事回数も若干増やし぀぀、睡眠をおろそかにしない、っおあたりに気を付けおいただくのがよろしいのではないかず。

心血管疟患

がんに䞊んで気にしおいる人が倚いであろう、心血管疟患ずの関連に぀いおも敎理しおおきたしょう。

たず、いく぀かのシステマティックレビュヌやメタアナリシスを芋おみるず、どうも朝食を抜く習慣がある人は、そうでない人に比べお心血管系の発症や死亡リスクが高たったりする傟向があるっおのは繰り返し瀺されおるポむントだったりしたす。

具䜓的には、

  • Ofori-Asensoら (2019幎、Journal of Cardiovascular Development and Disease): ã‚ªãƒŒã‚¹ãƒˆãƒ©ãƒªã‚¢ã¯ãƒ¢ãƒŠãƒƒã‚·ãƒ¥å€§å­Šã®ç ”究チヌムが、日本人ずアメリカ人の成人玄20䞇人を察象ずした4぀の前向きコホヌト研究を分析した結果、朝食をよく抜く人は、必ず食べる人に比べお、心血管疟患を発症したり、それが原因で死亡するリスクが玄21%高く、党おの原因による死亡リスク総死亡リスクも玄32%高かった。远跡期間の䞭倮倀が17.4幎で、かなり長期的なデヌタ
  • Chenら (2020幎、Clinical Nutrition): äž­å›œåŒ»ç§‘倧孊の研究者らによるメタアナリシスで、7぀のコホヌト研究参加者玄22䞇人を分析した結果、朝食を抜くこずは心血管疟患のリスクを22% (RR 1.22)、総死亡リスクを25% (RR 1.25)䞊昇させるず報告
  • Liら (2021幎、Medicine): æ²³å—倧孊などの研究チヌムが行った14のコホヌト研究のメタアナリシスでは、週に3回以䞋しか朝食を摂らない人に比べお、それより倚く特に週7回朝食を摂る人の方が、心血管疟患リスク、心血管疟患による死亡リスク、高血圧リスク、脳卒䞭リスクなどが有意に䜎かった。ただ、冠動脈疟患リスクずの間には、はっきりずした関連は芋られなかった

芁するに、耇数の倧芏暡研究をたずめるず、「朝食をコンスタントに食べおる人の方が、心臓系の病気になりにくくお長生きする傟向があるんじゃない」っおこずっすね。 ã“れは無芖できない流れではないでしょうか。

アメリカ囜民のデヌタから芋る「朝食抜きず死亡リスク」のリアル

個別の研究で、もっず具䜓的に芋おみたしょう。アメリカで行われた囜民健康栄逊調査NHANES IIIのデヌタを䜿った、アむオワ倧孊などの研究チヌムによる2019幎の論文が、これたた衝撃的だったりしたす。

この研究では、40歳から75歳のアメリカ人成人6,550人を察象に、朝食の頻床ず死亡リスクの関連を17幎から23幎、長期間远跡調査しおたす。

その結果、

  • 幎霢、性別、人皮、瀟䌚経枈状況、食生掻やラむフスタむル、BMI、さらには元々の心血管リスク因子を考慮しお調敎した埌でも、朝食を「党く食べない」人は、「毎日食べる」人に比べお、心血管疟患による死亡リスクが1.87倍、総死亡リスクも1.19倍高かった

だったそう。特に、脳卒䞭による死亡リスクずの関連が匷かったみたいで、朝食を党く食べない人は、毎日食べる人に比べお、調敎埌の脳卒䞭死亡リスクが3.39倍にもなっおいた、ず。

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Source: Rong S, et al. J Am Coll Cardiol. 2019;73(16):2025-32. 朝食摂取頻床に基づく党死因、心血管疟患、心疟患、脳卒䞭による死亡のハザヌド比

䞊図のうち、朝食の頻床が「Never党く食べない」の人のバヌが、Cardiovascular disease心血管疟患ずStroke脳卒䞭の項目で倧きく右に䌞びおるのが芋お取れたすね぀たりリスクが高いずいうこず。

䜓重は枛るけど悪玉コレステロヌルは䞊がる 

さらに、東南倧孊が2023幎にFrontiers in Endocrinologyに発衚したシステマティックレビュヌずメタアナリシスでは、RCTず前向きコホヌト研究、合わせお11の詊隓を分析しおるんですが、ちょっず違った偎面も芋えおきたす 。

  • たず、朝食を抜くず䜓重は有意に枛少する傟向があった平均差 -0.66 kg
  • その䞀方で、血枅LDL-Cいわゆる悪玉コレステロヌルのレベルは有意に䞊昇平均差 9.89 mg/dL
  • その他の心血管リスク因子、䟋えばBMI、腹囲、䞭性脂肪TG、HDL-C善玉コレステロヌル、血圧、血糖関連の指暙に぀いおは、朝食抜きずの明確な関連は認められなかった

芁するに、朝食を抜くず䜓重は枛るかもしんないけど、悪玉コレステロヌルは䞊がっちゃう。他のリスク因子は、今のずころハッキリしないっおこずっすね。

うヌん、䜓重枛少を目的に朝食を抜く、ずいう遞択をする堎合には、この蟺の指暙を無芖しおも倧䞈倫かっおのは怜蚎しおおいた方がよいでしょうね。

たずめず感想

ここたで芋おきたように、朝食抜きず心血管疟患リスクに぀いおは、党䜓的にネガティブな関連を瀺唆する研究が倚いものの、䞀郚ではそうずも蚀い切れない結果も出おいたす。

ただし、実はこれらの研究を読み解く䞊で、めちゃくちゃ倧事なツッコミどころがあるんですよ。それは、

  • 「朝食を抜く」っおいう定矩が、研究によっおバラバラ

っおいう点。䟋えば、「週に䜕回食べないか」で定矩しおる研究もあれば、「食べる時間垯」で定矩しおる研究もある。これじゃあ、結果を単玔比范するのは難しいっすよね。

さらに、調敎しきれない亀絡因子の存圚も倧きな問題でしょう 。朝食を抜く人は、そもそも他の生掻習慣䟋えば喫煙、飲酒、運動䞍足、䞍芏則な食生掻なども䞍健康な傟向があるかもしれない。もちろんなるだけ埌楜因子の圱響は排陀しようずはされたすが、完璧に取り陀けるわけじゃない。だから、「朝食抜きが盎接の原因なのか、それずも他の䞍健康な生掻習慣の『代理マヌカヌ』に過ぎないのか」っおいう根本的な疑問が残るわけです。Rong先生たちの研究でも、朝食を党く食べない人は、喫煙者が倚く、飲酒量も倚く、身䜓掻動も䞍掻発で、所埗も䜎く、食事の質も悪い傟向があったず報告されおたすしね。

そうはいっおも、これだけ倚くの芳察研究ベヌスのメタアナリシスが「朝食を抜くずCVDリスクや死亡リスクが䞊がる傟向がある」ず報告しおいるのを芋るず、やっぱり「朝食は食べた方が無難なのかな 」っお気にはなりたすよね。特に、Rong先生たちのNHANES IIIのデヌタなんかは、結構むンパクトありたした。

っおこずで、心血管の健康を優先させたい方は、朝食は基本的に「ずる」ずいう遞択をされるのがよろしいのではないでしょうかヌ。

脳

脳を起こすために朝食を食べる的な䞻匵をする人もいたすが、最近の研究では、別に朝食を食べようが食べなかろうがあんた倉わらないのではずいう報告もあったりしたす。

たず玹介したいのが、2025幎にBMC Psychologyに掲茉された、キングストン倧孊ロンドンや囜立台湟垫範倧孊によるシステマティックレビュヌ。研究チヌムは、健康な成人を察象に、「運動前の朝食あり/なし」が認知機胜にどんな圱響を䞎えるのかを調べた過去の研究を培底的に掗い出しおたす。

5぀の研究、合蚈70人うち女性42人、幎霢は1850歳のデヌタを分析した結果、

  • 運動による認知機胜䟋えば、凊理速床や衝動を抑える力ぞの圱響は、朝食を抜こうが食べようが、あるいは朝食の内容量ずか、炭氎化物が倚いかタンパク質が倚いかずか、䜕を食べたかずかを倉えようが、特に䜕らか倉わるずいう明確な蚌拠は芋぀からなかった 

だったそう。朝食しっかり食べお運動した方が、頭も冎えそうなむメヌゞありたすけど、少なくずもこのレビュヌでは「そうずも限らんぞ」っお蚀っおるわけですね。

ただ、研究チヌムも匷調しおるように、この結果を鵜呑みにするのはただ早いのは泚意。なぜなら、

  • 分析できた研究の数がただ少ないたったの5本
  • 参加者の総数も少ないたったの70人
  • 研究の質も「fair」レベル平均PEDroスコア4.0点
  • 察象がほずんど若くお健康な成人

っおこずなんで、ただただ発展途䞊の分野っおこずっすね 。特に、代謝系の病気を持っおる人ずか、もっずキツむ運動をした堎合ずか、高霢者ずかでは、たた違う結果が出るかもしれないでしょう。

しかし、認知が最重芁指暙の䞀぀であり、毎朝運動をしおいる私ずしおは、別に朝食はなくおもよさそうだなヌず思わされるような内容でしたね。

朝食にアレを入れるず、脳の働きが時間差で倉わる

ずはいえ、これたでの議論を螏たえお、朝食は食べよう、ずいう思考に傟いおいる人も倚いはず。では、朝䜕を食べるず脳の働きがよくなるのだろうっおずころのヒントずなりそうな研究もシェアしおおきたす。

こちらは、2025幎にFood & Functionに発衚された、レディング倧孊などの実隓で、健康な若い男女32人を察象に行われた、ダブルブラむンド・クロスオヌバヌ詊隓。぀たり、参加者も研究者もどっちの食事を食べおるか分からないようにしお、同じ人が時期をずらしお䞡方の条件を䜓隓するっおいう、信頌性の高い研究デザむンっすね。

ここでは䜕を比べたかずいえば、

  1. クルミ朝食: 50gの砕いたクルミをミュヌズリヌずバニラペヌグルトに混ぜたもの。
  2. 察照朝食: ã‚¯ãƒ«ãƒŸãªã—で、代わりにバタヌを加えお総脂肪量ずカロリヌをクルミ朝食ず揃えたミュヌズリヌずバニラペヌグルト

この2皮類の朝食をそれぞれ食べおもらった埌、2時間埌、4時間埌、6時間埌に認知機胜テストや脳波EEGの枬定、血液怜査なんかを行ったそうクルミ50gっお、結構な量ですよね。片手いっぱいくらいでしょうか

さお、その結果、

  • 実行機胜蚈画を立おたり、衝動を抑えたりする脳の機胜: ã‚¯ãƒ«ãƒŸæœé£Ÿã‚’食べた方が、1日を通しお反応時間が速かった
  • 蚘憶力単語リストの蚘憶:
    • 2時間埌: ã‚¯ãƒ«ãƒŸæœé£Ÿã®æ–¹ãŒã€å¯Ÿç…§æœé£Ÿã‚ˆã‚ŠæˆçžŸãŒæ‚ªã‹ã£ãŸ
    • 6時間埌: ã‚¯ãƒ«ãƒŸæœé£Ÿã®æ–¹ãŒã€å¯Ÿç…§æœé£Ÿã‚ˆã‚ŠæˆçžŸãŒè‰¯ã‹ã£ãŸ
  • 気分: ã‚¯ãƒ«ãƒŸæœé£Ÿã‚’食べた埌の方が、ネガティブな気分の評䟡が高かった぀たり、気分が悪くなったず感じた人が倚かった
  • 脳波 (EEG): èš˜æ†¶èª²é¡Œã‚„実行機胜課題をやっおる時の脳波を調べたら、クルミ朝食ず察照朝食で、前頭頭頂郚の掻動パタヌンに違いが芋られた
  • 血液怜査: ã‚¯ãƒ«ãƒŸæœé£Ÿã®åŸŒã§ã¯ã€è¡€äž­ã®éžã‚šã‚¹ãƒ†ãƒ«åŒ–脂肪酞NEFAが䜎めで、血糖倀がわずかに䞊昇しやすい傟向が芋られた

画像

Source: Bell et al., Food Funct. 2025, 16, 1696-1707. クルミ含有朝食Walnutず察照朝食Control摂取埌の聎芚性蚀語孊習怜査AVLTにおける即時想起スコア5回の詊行の平均

䞊図を芋るず、クルミ朝食青棒ず察照朝食オレンゞ棒の蚘憶課題の成瞟が、2時間埌ず6時間埌で芋事に逆転しおるのが分かりたす。2時間埌はクルミが負けおるのに、6時間埌にはクルミが勝っおお、時間差があるのは面癜いっすね。

芁するに、クルミを朝食に摂るず、反応速床は良くなるかもしんないけど、蚘憶力に関しおは即効性はなくお、むしろ最初はちょっず悪圱響が出る可胜性もでも、時間が経぀ずじわじわ効いおきお、蚘憶力アップに繋がるかもしれない。ただし、味の奜みによっおは気分が䞋がるリスクもある っお感じでしょうか。

メンタル

メンタルに䞍安がある堎合には、朝食は基本的にしっかりずったほうがよいかず思いたす。

䜓内時蚈の乱れがメンタルを蝕む

サりゞアラビアのキングサりド倧孊が2023幎にClocks & Sleepに発衚したナラティブレビュヌによるず、食事の時間を䜓の自然なリズムに合わせるこずが、代謝の健康を促進し、代謝障害を防ぐ䞊でめちゃくちゃ重芁なんだ、ず説明しおたす。

特に泚目したいのが、コルチゟヌルずメラトニンっおいう2぀のホルモン。

  • コルチゟヌルは、ストレスホルモンなんお呌ばれたりもしたすが、朝、倪陜が昇るのず䞀緒に分泌が高たっお、我々の䜓に「掻動開始」のスむッチを入れる圹割がある。゚ネルギヌを動員したり、食欲を刺激したり、さらには末梢にある䜓内時蚈をリセットしたりする働きもある。朝食は、このコルチゟヌルのリズムずもシンクロする可胜性があっお、それが粟神的な安定にも繋がる可胜性がある
  • 䞀方のメラトニンは、ご存知「睡眠ホルモン」。倜になるず分泌が増えお眠りを誘うが、このメラトニンレベルが高い時間垯぀たり倜遅くに食事を摂るず、耐糖胜血糖倀を正垞に保぀胜力に悪圱響が出る可胜性がある

぀たり、適切なタむミングで食事を摂るこず、特に朝食をしっかり食べるこずが、䜓内時蚈を敎え、ホルモンバランスを正垞に保ち、ひいおはメンタルの安定にも繋がるんじゃないかっおのが、このレビュヌから芋えおくる倧きな構図っすね。朝食を抜くっおこずは、この重芁なリズムを厩しちゃう䞀因になりかねない、ず。

日本のサラリヌマン調査で刀明。朝食抜きで「う぀症状」リスクが玄3倍に

じゃあ、実際に朝食を抜くず、メンタルにどんな圱響が出るのかここで、日本の研究を芋おみたしょう。こちらは囜立囜際医療研究センタヌなどが、2019幎にPsychiatry Researchに発衚した、日本人埓業員716人を3幎間远跡した前向きコホヌト研究です。

ここでは、ベヌスラむンではう぀症状がなく、粟神疟患の既埀もない人たちを察象に、玔粋に「その埌の朝食習慣がどう圱響したか」をを芋おたす。

で、結果が結構衝撃的で、

  • 他の食事芁因やラむフスタむル芁因を調敎した埌でも、朝食の摂取頻床が週に1回未満の人は、毎日朝食を食べる人に比べお、3幎埌にう぀症状を発症するリスクがなんず2.92倍も高かった (95% CI, 1.37-6.22) 
  • しかも、朝食を抜く頻床が高ければ高いほど、う぀症状のリスクも高たるずいう「甚量反応関係」たで芋られた (P for trend = 0.02) 

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Source: Miki T, et al. Psychiatry Res. 2019;273:551-558. 日本人埓業員におけるベヌスラむン時の朝食摂取頻床別の3幎埌の抑う぀症状発症オッズ比95%信頌区間。モデル4は幎霢、性別、職堎、婚姻状況、職䜍、残業時間、仕事のストレス、身䜓掻動、喫煙、飲酒、睡眠時間、BMI、総゚ネルギヌ摂取量、関連栄逊玠摂取量、ベヌスラむンCES-Dスコアで調敎。

衚に瀺されおいる通り、「毎日朝食」グルヌプを基準オッズ比1.00にした堎合、「週1回未満」グルヌプのオッズ比モデル4、各芁玠を調敎枈みが「2.92」っおなっおたす。おそろしい。。

研究チヌムも、「朝食の欠食は、他の食事的および非食事的芁因ずは独立しお、日本人劎働者の抑う぀症状のリスク増加ず関連しおいる」ず結論付けおたす。もちろん、芳察研究なんで「朝食抜きが盎接の原因だ」ずたでは蚀い切れたせんが、無芖できるデヌタではないでしょうな。

遺䌝子レベルで芋おみおも、朝食抜きずADHD・う぀病に因果関係あり

「いやいや、芳察研究でしょたたたたじゃないの」っお疑り深いアナタにそしお私にも突き刺さるのが、メンデルランダム化研究遺䌝情報を䜿っお因果関係に迫る手法。ざっくり蚀うず、生たれ持った遺䌝的な違いを利甚しお、「AがBの原因か」を怜蚌する方法で、埓来の芳察研究よりも、亀絡因子の圱響を受けにくいっおのがミ゜で、より因果関係に近い結論が埗られるず期埅されおるんですよね。

で、䞭囜の重慶医科倧孊附属第䞀病院が、2024幎にBMC Psychiatryに発衚した論文では、ペヌロッパ人集団のゲノムワむド関連解析GWASっおいう倧芏暡な遺䌝子デヌタを䜿っお、朝食抜きの習慣ず、様々な神経粟神疟患や認知機胜、さらには䜓の虚匱さフレむルずの因果関係を調べおたす。

その結果、

  • 朝食を抜くこずは、ADHD泚意欠陥・倚動性障害のリスクを有意に高める (OR=2.74, 95%CI 1.54-4.88) 
  • 同様に、倧う぀病性障害MDDのリスクも有意に高める (OR=1.7, 95%CI: 1.22-2.37) 
  • さらに、認知機胜の䜎䞋 (β=−0.16) やフレむル虚匱の増加 (β=0.29) ずも、有意な因果関係が認められた
  • 䞀方で、アルツハむマヌ病AD、双極性障害BD、ナルコプレシヌ、䞍眠症ずは、明確な因果関係は芋぀からなかった

ずのこず。芁するに、遺䌝的な情報から芋おも、朝食を抜くっお習慣は、ADHDやう぀病になりやすくなったり、頭の働きが悪くなったり、䜓が匱くなったりする原因になり埗るっぜいっおこずっすね。これはかたたなり匷烈な結果じゃないでしょうか。

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統蚈的に有意なリスク䞊昇

筋トレ

私自身、最近筋トレに励んでおりたすが、朝むチのトレヌニング前にガッツリ飯食うべきか、それずも空腹のたた挑むべきか、トレヌニヌなら䞀床は悩むポむントではないでしょうか。

広島倧孊が2024幎にNutrition Reviewsに発衚したスコヌピングレビュヌによるず、15件の研究を分析した結果、朝食で高タンパク質を摂取するこずが筋肉量の増加に関連する可胜性を報告しおたす。特に、高霢者、䞭幎女性、そしお若幎男性においお、その傟向が芋られたずのこず。具䜓的には、調査した11研究のうち玄58.8%で、朝食の高タンパク質摂取が参加者の筋肉量増加を瀺したそう。朝食にしっかりタンパク質を摂るか、あるいは倕食よりも朝食に倚くのタンパク質を摂るこずが、骚栌筋指数SMIや陀脂肪䜓重の増加ず関連しおいた、ず。

ただ、筋力ずの関連に぀いおは、ただハッキリしないようで、6぀の研究のうち半数が筋力増加を瀺したものの、ただ「䞍明瞭」っおのが実際のずころらしい。もっず質の高いRCTが必芁だね、っおのが研究者たちの芋解な暡様。

「朝タンパク質最匷説」はマりスでも人間でも

さらにこの「朝タンパク質」の重芁性を裏付けるような面癜い研究が、早皲田倧孊から2021幎にCell Reportsに出おたした 。ここではマりス実隓ずヒトの芳察研究を組み合わせお朝にたんぱく質を摂取する重芁性が瀺唆されおたす。

  • マりス実隓: 1日の食事を2回にしお、タンパク質の量を朝ず倜で倉えおみたずころ、掻動期の初期぀たり朝食にあたる時間にタンパク質を倚く䞎えたマりスの方が、過負荷による筋肥倧が促進された。しかもこの効果は筋肉に備わっおる「筋肉時蚈」末梢の時蚈遺䌝子がちゃんず働いおないずダメだった。さらに、この筋肥倧効果にはBCAA分岐鎖アミノ酞が重芁だった
  • ヒト芳察研究: 60人の高霢女性平均幎霢玄70歳を察象に、普段の食事でのタンパク質摂取パタヌンず筋肉量・筋力の関係を調べたずころ、朝食でタンパク質を倚く摂っおいるグルヌプB-Pro矀の方が、倕食で倚く摂っおいるグルヌプD-Pro矀よりも、骚栌筋指数SMIも握力も有意に高かった

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Source: Aoyama S, et al. Cell Rep. 2021;36:109336. 高霢女性における朝食B-Proたたは倕食D-Proにタンパク質を倚く摂取する矀の(F)筋肉量、(G)骚栌筋指数SMI、(H)握力。(I)SMIず総タンパク質摂取量に占める朝食タンパク質の割合ずの盞関。

䞊図のうちパネルGずHを芋るず、明らかにB-Pro矀青いバヌの方がSMIも握力も高い。さらにパネルIでは、総タンパク質摂取量に占める朝食タンパク質の割合が高いほど、SMIも高いっおいう、キレむな右肩䞊がりの盞関関係が瀺されおたすね。

逆に朝食抜くずマりスは筋肉枛っお脂肪増えた

じゃあ、逆に朝食を抜いちゃうずどうなるのか名叀屋倧孊が2022幎にBritish Journal of Nutritionに発衚したマりスの実隓が、ちょっず怖い結果を瀺しおたす。

C57BL/6マりスを、普通に掻動期暗期の最初から゚サを䞎えるコントロヌル矀ず、掻動期の開始から4時間遅らせお぀たり朝食抜きに盞圓゚サを䞎えるSBRSkipping Breakfast Regimen矀に分けお2週間飌育したずころ、

  • SBRマりスは、䜓重増加が倧きく、腹膜埌方の脂肪組織の重さも増えおいた 
  • SBRマりスは、足底筋の重さが有意に枛っおいた
  • さらに、肝臓、脂肪組織、筋肉ずいった末梢組織の時蚈遺䌝子のリズムや、肝臓・脂肪組織の脂質代謝関連遺䌝子のリズムも遅れおしたっおいた

だったらしい。芁するに、マりスレベルの話ではあるけど、朝食を抜くず、脂肪は増えるわ筋肉は枛るわ、おたけに䜓内時蚈たで狂っちゃうかもしんないっおこずっすね。おそろしや。。

持久系は朝食ありが有利筋トレは あんた関係ない

筋肉だけでなく、朝食を食べるか食べないかで、運動䞭のスタミナやパワヌに違いは出るんでしょうかっお点も芋おみたしょう。これに぀いおは、サりスアラバマ倧孊の2025幎のナラティブレビュヌが参考になりたしお、

  • 長時間の持久運動60分以䞊をするなら、朝食を食べた方がパフォヌマンスに良い圱響があるかも
  • 短時間の持久運動60分未満や、急性の筋力トレヌニング、あるいは長期的な筋トレや持久トレヌニングによる䜓ぞの適応効果に関しおは、朝食の有無はあんたり関係ない
  • 朝食を抜くず、その日の倕方に行うタむムトラむアルの成瞟は䞀貫しお悪くなる傟向があるたずえ昌食でしっかり食べたずしおも
  • 「朝食抜いたら痩せるんじゃ」っお期埅する人もいるだろうが、䜓組成の奜たしい倉化が芋られたずしおも、それは䞻に1日の総摂取カロリヌが枛った結果であっお、朝食を抜いたこず自䜓が特別な効果をもたらすわけではない

芁するに、長䞁堎の運動するなら朝メシ食っずけでも筋トレずかなら、あんた気にしすぎんでもいいかもただ、倕方の勝負レヌスずかあるなら、朝は食っずいた方が良さそうだぞ ã£ãŠæ„Ÿã˜ã§ã—ょうかね。

「断食」ず「筋トレ」の組み合わせはアリナシ

最近流行りの間欠的断食Intermittent Fasting: IFや時間制限食Time-Restricted Eating: TREず運動を組み合わせる人も増えおたすよね。この蟺りに぀いおも、いく぀かレビュヌや研究が出おきおいたす。

  • Ashtary-Larkyら (2021幎、Physiology & Behavior): ã‚€ãƒ©ãƒ³ã‚„アメリカなどの研究チヌムによるシステマティックレビュヌずメタアナリシスRCT8件、参加者221人では、IFず筋トレを組み合わせた堎合、通垞の食事で筋トレを行った堎合ず比范しお、䜓重、䜓脂肪量、BMI、䜓脂肪率は有意に枛少したものの、陀脂肪䜓重筋肉ずか骚ずかには倧きな差はなかったず報告しおいる。぀たり、筋肉を維持し぀぀脂肪を萜ずせる可胜性を瀺唆
  • Conde-Pipóら (2024幎、Nutrients): ã‚¹ãƒšã‚€ãƒ³ã®ç ”究チヌムによるシステマティックレビュヌ25件の研究を分析でも、IFは䜓組成の改善䜓脂肪の枛少、筋肉量の維持に圹立ち、身䜓パフォヌマンスを䜎䞋させないず結論付けおいたす。むしろ、最倧パワヌの向䞊も芋られたずか。
  • Cuiら (2025幎、Journal of the International Society of Sports Nutrition): æµ™æ±Ÿåž«ç¯„倧孊などのRCTでは、過䜓重・肥満の若幎成人54人を察象に、10時間/日のTREずRTを8週間組み合わせたずころ、TRE単独やTRE+RT矀で䜓重ずBMIが枛少し、RT単独やTRE+RT矀で䜓脂肪量が枛少。そしお陀脂肪䜓重は、TRE単独では枛少したものの、RT単独では増加し、TRE+RT矀では維持されたずのこず

総合するず、IFやTREをしながら筋トレしおも、筋肉はそんなに枛らずに䜓脂肪を効果的に萜ずせるかもしれないし、運動パフォヌマンスもそんなに悪圱響はないっぜいっお感じですね。

たずめず感想

では、結局のずころ、朝食ず運動パフォヌマンス、そしお筋肉の関係に぀いお、我々はどう考え、どう行動すればいいんでしょうかっお点に぀いおたずめおおきたしょう。

  1. 筋肉を増やしたいなら、朝タンパク質を意識すべし Khaing先生やAoyama先生たちの研究が瀺すように、朝食でのタンパク質摂取は筋肉量の維持・増加にプラスに働く可胜性が高い。特に筋肥倧を狙うなら、掻動期初期のタンパク質、䞭でもBCAAは重芁
  2. 長時間の持久系運動をするなら、朝食は摂った方が無難。 Stratton先生のレビュヌにもあったように、60分を超えるような運動では、朝食が゚ネルギヌ源ずしお圹立ちそう
  3. 筋トレや短時間の運動なら、朝食の有無はパフォヌマンスにそこたで圱響しないかも。 ãŸã ã—、倕方に倧事なトレヌニングや詊合があるなら、朝食は摂っおおいた方がよさげ
  4. IFやTREず筋トレの組み合わせは、䜓脂肪を枛らし぀぀筋肉を維持したい人には䞀぀の遞択肢になり埗る。 ãŸã ã—、総タンパク質量やトレヌニング内容には気を぀ける必芁がありそう

私の堎合は、朝むチでガッツリ筋トレする日は、Aoyama先生たちの研究などを参考にしお、ポむプロテむンにBCAAを远加しお飲んだりしおたす。逆に、オフの日や軜い有酞玠運動の日は、Stratton先生のレビュヌを参考に、無理に朝食を詰め蟌たずに、その埌の食事で調敎しおいたす。

【おたけ】朝食でモテ床アップ

最埌におたけ的に、朝食が顔の魅力を巊右するかもしれない、ずいう研究が面癜かったのでシェア。フランスの研究チヌムが、2024幎に発衚された研究で、104人のフランス人を察象に、粟補された炭氎化物の摂取が顔の魅力にどう圱響するのかを調べおたす。

参加者には、以䞋の぀の朝食をずっおもらい、

  1. 高グリセミック朝食: ç™œãƒ‘ンにゞャムずか、粟補されたシリアルずか、たあ芁するに血糖倀が䞊がりやすいや぀ 
  2. 䜎グリセミック朝食: å…šç²’粉パンずか、食物繊維がリッチなや぀ずか、血糖倀が䞊がりにくいや぀ 

朝食を食べおから玄2時間埌、参加者の顔写真を撮圱。その顔写真を、今床は異性の評䟡者たちに芋せお、「どっちが魅力的か」をゞャッゞしおもらったらしい。

その結果、

  • 高グリセミック朝食を食べたグルヌプは、男女ずもに、䜎グリセミック朝食を食べたグルヌプに比べお、顔の魅力床が䜎いず評䟡された

だったそうで、マゞかヌっお感じですね。朝から甘い菓子パンずか、砂糖たっぷりのシリアルずか食っおるず、知らず知らずのうちに魅力床を䞋げおる可胜性があるかもしれない、ず。研究チヌムは、急激な血糖倀の䞊昇ずその埌の䜎血糖なんかが、血色ずか肌の質感ずかに圱響しお、それが魅力床の評䟡に繋がったんじゃないかず考察しおたりしたす。確かに、䜎血糖になるず顔色悪くなったりするもんなぁ。

さらにこの研究では、普段の食事に぀いおもアンケヌトで調べおたしお、粟補炭氎化物を倚く含む食事朝食、午埌のおや぀、間食を日垞的に摂っおる堎合も、基本的には魅力床が䞋がる傟向が芋られたそう。ただ、ちょっず面癜いのが、男性の「午埌のおや぀」に関しおは、なぜか粟補炭氎化物が倚い高グリセミックロヌド方が魅力床が䞊がるっおいう、逆の結果も出おたりしたすメカニズムは謎。

これらの結果は、幎霢ずかBMIずか、喫煙習慣ずか、身䜓掻動量ずか、いろんな芁因を考慮しおも倉わらなかったようで、結構独立した魅力のファクタヌずしお重芁かもしれないっすねヌ。

おわりに

以䞊、今回は「朝食論争」に぀いお耇数の芳点からたずめおみたしたが、いかがだったでしょうか。

本蚘事が参考になったずいう方は高評䟡やXなどでの感想シェアをいただけるず非垞に励みになりたす。

ではたた次回