「本を読みたいのに、なかなか読めない…」そんな悩みを抱えている人は多いでしょう。

実際、最新の研究データでもその傾向ははっきり示されてまして、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究チームが2025年に発表した大規模調査では、アメリカ人の読書率が過去20年間で年3%ずつ減少し続けていることが明らかになっていたりします[1]。具体的には、2004年の28%から2023年の16%まで、12ポイントも下落していたとのこと。

さらに、この傾向は若い世代ほど顕著だということもわかってたりします。モニタリング・ザ・フューチャー調査によると、17-18歳の若者に限定すると、読書の習慣がある人は1970年代後半の60%から2016年には16%まで激減していたそう[2]。ただ、面白いのが、「本を読みたい」というニーズ事態が大きく減っているわけではないという点。つまり、読む文化と体力が、世代を超えて着実に失われているというわけですな。

私自身、比較的本を読む方だと思ってまして（定期的におすすめ本をまとめた記事も書いてます）、月に最低でも10冊程度は読むように心がけています。いわゆる「読書体力」はある方だと思うんですが、今回はそんな私が何を意識しているか？といったあたりをエビデンスベースも交えて共有しようかな、と。

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おくさん 2025-06-25

ちなみに、ここでいう「読書体力」を簡単に定義してみると、集中を切らさずに、難しめの文章を"意味が立つ"ところまで読み抜く持久力といったあたりでしょうか。単なる速読でも根性でもなくて、注意の持続・メタ認知・動機づけ、環境ノイズに抗する実行機能の総合力みたいなイメージっすね。

以前、どうやったら読んだ本の内容を効率的に記憶・応用できるのか？みたいなテーマで記事を書いたことはありましたが、今回はその前段階としてそもそも読書に集中できない！最後まで読み切れない！をなくすための対策って感じの位置づけですね。

【読書術マスター】より多く読み、より多く記憶し、より多く楽しむ方法
おくさん 2024-07-10

本記事のゴールというか目指すところはシンプルで、「読みたい本を、読み切れる自分」を取り戻すこと。今年こそ読書の秋にしてやるぞ！と思ってる皆様にとって何らかご参考になれば幸いでございます。

本ニュースレターでは、徹底的に調べあげたエビデンスをベースに「より信頼でき、真に価値ある情報」をレポートし、ゴミがあふれるネット上においてキラリと光る質の高いコンテンツをお届けすることを目指しています。あなたの人生を彩るヒントとしてご活用いただければ幸いです。

目次

1. 1. 読書前の「3–20分の軽い有酸素運動」で集中力爆上げ
2. 2. マインドフルネスで「今ここ」の集中力を鍛える
3. 3. マイクロブレイクで「集中のリセット」を習慣化する
4. 4. 音楽は「最初にテンションを上げるため」だけに留める
5. 5. 深い読解には紙が優位？
6. 6. 邪魔断ちで「本を読むしかない」状況に追い込む
7. おわりに
8. 参考文献

1. 読書前の「3–20分の軽い有酸素運動」で集中力爆上げ

「読書前に運動なんてしたら、逆に疲れちゃうんじゃない？」と思うかもしれませんが、個人的には実はこれが読書体力を鍛える最も効果的な方法の一つだと思っております。

例えば、2024年にCommunications Psychologyに発表されたメタアナリシスでは、113の研究から4,390人分のデータを分析した結果、たった一度の軽い有酸素運動でも認知機能が小さいながらも確実に向上することが明らかになってます[3]。具体的には、運動後の認知タスクの反応時間が27%も短縮し、実行機能（計画、抑制、ワーキングメモリ）では18%の改善が見られたとのこと。

私自身、読書をがっつりしたい日には事前（または途中）に10-15分の軽い散歩やストレッチを習慣にしているんですが、これがなかなか効果的。特に難しい本を読む前には、必ず軽い運動を入れるようにしていたりします。

なぜ運動が読書に効果的なのか？という点に関して、運動が認知機能を向上させるメカニズムは、主に3つあると考えられております。

1. 脳血流の増加
軽い有酸素運動を行うと、脳への血流が増加し、特に前頭前野（集中力や判断力をつかさどる部分）の活動が活発になる。研究では、運動後30分間は脳血流が15-20%増加し続けることが確認されている[4]。

2. 神経伝達物質の分泌
運動により、ドーパミン、ノルアドレナリン、BDNFなどの神経伝達物質が分泌される。これらの物質は、集中力、記憶力、学習能力の向上に直接関わってくる[5]。

3. ストレスホルモンの調整
軽い運動は、コルチゾールの分泌を適度に調整し、過度なストレスによる集中力の低下を防ぐ[6]。

理論はさておき、具体的な実践方法としては、以下のようなあたりを意識するのがよろしいかと。

運動の種類：

• 散歩（10-15分）
• 軽いジョギング（5-10分）
• ストレッチ（10-15分）
• 階段の昇降（5-10分）
• ヨガの基本ポーズ（10-15分）

運動の強度：
「会話しながらできる程度」が目安。心拍数が少し上がる程度で、息が切れるほど激しくする必要はない（むしろ逆効果になりかねない）。

タイミング：
読書開始の5-10分前に運動を終えるのが理想。運動直後は興奮状態にあるため、少しクールダウンしてから読書を始めるのが吉。

私の実際のルーティン：

1. 読書予定の30分前に軽い散歩（10-15分）
2. 帰宅後、ストレッチ（5-10分）
3. 深呼吸を3回
4. 読書開始

このルーティンを始めてから、集中力の持続時間が明らかに長くなった感覚がありまして、特に、難しめの専門書や哲学書を読む際の効果は顕著っすね。

ただし、注意点として、以下のようなあたりは気を付けておくのが良いとされてます。

• 激しすぎる運動は逆効果：激しい運動は疲労を招き、集中力を低下させる
• 運動時間は20分以内：長時間の運動は疲労の原因となる
• 水分補給を忘れずに：軽い脱水でも集中力は低下する

2. マインドフルネスで「今ここ」の集中力を鍛える

読書中に「あ、そういえば明日の会議の準備しなきゃ」「この本、本当に読む価値あるのかな？」といった雑念が浮かんで、集中が途切れてしまうケースも多いでしょう。こいつの対策として私が日ごろ取り組んでいるのがマインドフルネスです。

2024年に発表されたメタアナリシスでは、111のRCT（9,538人）を分析した結果、マインドフルネスベースの介入（MBI）が認知機能に小さいから中程度の有意な効果をもたらすことが明らかにされてます[7]。最近はマインドフルネスって思ったほど効果ないんじゃない？ってな風潮もありますが、私としては少なくともメンタルや認知機能に関してはまだまだ有力な手段なんじゃない？という認識でおります。読書体力に関連して特に注目すべきデータとしては、実行機能の抑制精度が64.3%も改善し、持続的注意の精度も36.7%向上したことでしょう。

▼ 参考

• 🧘‍♂️ マインドフルネス瞑想、どこまで効くのか問題
• マインドフルはモチベーションを下げる？

マインドフルネスが読書に効果的な理由は、主に2つのメカニズムで説明されます。

• 集中力の向上: マインドフルネス瞑想では、呼吸や体の感覚に注意を向け続ける練習をする。この練習により、読書中に雑念が浮かんでも、すぐに本の内容に注意を戻すことができるようになる
• メタ認知の向上: マインドフルネスは、自分の思考や感情を客観的に観察する能力を鍛える。これにより、「今、集中が切れているな」「この本の内容を理解できていないな」といった状態を自覚し、適切に対処できるようになる

具体的なトレーニング方法としては、以下のようなあたりを意識するのがよろしいかと。

1. 基本の呼吸瞑想。椅子に座って背筋を伸ばし、目を閉じて自然な呼吸に意識を向ける。雑念が浮かんでも、判断せずに呼吸に注意を戻すことを繰り返す。時間はとりあえず5-10分程度で十分
2. ボディスキャン。頭の先から足の先まで、体の各部分に順番に意識を向けていく。これにより、体の緊張や疲労に気づき、リラックスした状態で読書に臨むことができる

詳しい方法を知りたければ、「マインドフルネスストレス低減法」を読んでいただくのがよいでしょうが、とりあえずこの2つが分かりやすいし（実際他の方法に比べて離脱率が低い傾向にある）、コストもかからないのでおすすめです。

ただし、注意点として、以下のようなあたりは気を付けておくのが良いとされてます。

1. 完璧を求めすぎないこと：瞑想中に雑念が浮かぶのは自然なことなので、それを責めずに、呼吸に注意を戻すことを繰り返す
2. 短時間から始めること：最初は3-5分程度から始めて、徐々に時間を延ばしていくべき
3. 継続が重要：一度や二度では効果は実感できないが、継続することで確実に読書体力が向上する

3. マイクロブレイクで「集中のリセット」を習慣化する

読書中に「あ、集中が切れてきたな」と感じたとき、「ちょっと無理して続ける」という行為も読書体力を最も削ぐ行為の一つだったりします。

2022年のメタアナリシスでは、22の実験研究（2,335人）を分析した結果、10分以内のマイクロブレイクが活力を36%向上させ、疲労を35%軽減することを明らかにしています[8]。特に、ブレイクの時間が長いほどパフォーマンスが向上するという結果も出ていて、ブレイク時間が1分延びるごとにパフォーマンスが7%向上なんてデータもあったりします。

私自身も、読書中に集中が切れたと感じたとき、（または切れそうな予感がしたとき）は、必ず5-10分のマイクロブレイクを取るようにしています。これにより、読書の質が明らかに向上し、長時間の読書でも疲労を感じにくくなりましたね。

マイクロブレイクが読書に効果的な理由は、主に3つのメカニズムで説明されます。

• 認知リソースの回復：読書は継続的な注意と記憶を要する認知負荷の高い活動。マイクロブレイクにより、消耗した認知資源が回復し、再び集中できる状態になる
• 注意のリセット：長時間の読書により注意が散漫になった状態を、ブレイクによりリセットし、新鮮な注意で読書に臨むことができる
• 疲労の軽減：読書による精神的・肉体的疲労を軽減し、活力を回復させることで、持続的な読書が可能になる

具体的な実践方法としては、以下のようなあたりを意識するのがよろしいかと。

1. タイミングの設定：読書開始から25-30分経過した時点で、集中力の低下を感じる前にブレイクを取る
2. ブレイクの長さ：5-10分程度が最適。短すぎると効果が薄く、長すぎると読書のリズムが崩れる
3. ブレイクの内容：読書とは異なる活動を行う。散歩、ストレッチ、深呼吸、軽い体操などが効果的。スマホ等激しい刺激が入ってくる活動は避ける

別に厳格に決めているわけではないのですが、私の実際のルーティンとしては、読書開始から30分経過した位のタイミングで、5分間の散歩またはストレッチを行うようにしてます。その後、深呼吸（マイクロ呼吸瞑想）を3回してから読書を再開します。

注意点は以下の通り。

1. ブレイクの内容は読書と異なるものにする：読書中にスマホを見たり、他の本を読んだりするのは、認知負荷を軽減しないため効果的ではない
2. ブレイクの時間を守る：短すぎても長すぎても効果が薄れるため、設定した時間を守ることが重要

▼ 参考

• 【最速27.4秒】『ちょっと休憩』のポテンシャル
• 作業の合間の小休憩って生産性や幸福度にどんな影響をもたらすの？のメタ分析

4. 音楽は「最初にテンションを上げるため」だけに留める

読書中に音楽を聴くかどうかは、かなり派閥が別れますよねぇ。「音楽を聴きながら読書をすると集中できる」と感じている人がいる一方で、実際の研究では音楽が読書パフォーマンスを阻害することが明らかになってるよねーってのは前にも述べた通り。

一つ研究を紹介すると（以前にもここで紹介した気もしますが）、2023年にJournal of Cognitionに発表された研究では、123人の大学生を対象に、無音、インストゥルメンタル音楽（lo-fi hip-hop）、歌詞付き音楽の3条件で読書理解力を比較[9]。その結果、歌詞付き音楽は読書理解力を約30%低下させ、インストゥルメンタル音楽も統計的には有意ではないものの、パフォーマンスを阻害する傾向が見られてます。特に注目すべきは、参加者が音楽による阻害効果を正確に認識しておらず、むしろ「有益」であると誤って認識していたことっすね。

つまり、音楽は読書の邪魔になることが客観的には証明されているにも関わらず、多くの人が「音楽があると集中できる」と感じてしまっているということ。これは、音楽の動機づけ効果（気分が良くなる、テンションが上がる）と認知パフォーマンスへの影響を混同してしまっているからだと考えられてますね。

私自身も、読書中に音楽を聴くことがありますが、その使い方はかなり限定的です。基本的には「読書開始時のテンションを上げる」ためだけに使用し、集中が深まってきたら必ず音楽を止めるようにしています（うるさ、て自然に思ったときに止めるだけなのですが）。これにより、音楽の阻害効果を最小限に抑えながら、読書への動機づけを高めることができてるんじゃないかなー、と。

ちなみに、音楽が読書に与える影響は、主に2つのメカニズムで説明されます。まず、Irrelevant Speech Effect（無関係音声効果）と呼ばれるやつです。歌詞付き音楽は言語情報を含むため、読書という言語処理タスクと競合し、認知資源を奪います。次に、注意の分散です。音楽は常に注意を引く刺激として機能し、読書に必要な集中力を削ぐことになる、というわけですね。

てなわけで、具体的な実践方法としては、以下のようなアプローチを提案してみます。

1. 読書開始時のみ音楽を使用：読書を始める前の5-10分間だけ、テンションを上げるための音楽を聴く
2. 歌詞なしの音楽を選択：どうしても音楽が必要な場合は、歌詞のないインストゥルメンタル音楽を選ぶ
3. 音量を低く設定：音量を極力抑え、読書の邪魔にならないようにする
4. 集中が深まったら音楽を止める：読書に集中できていると感じたら、迷わず音楽を止める

自然音とかホワイトノイズがいいぞ！というデータもまああるんですけど、一貫した結果が得られてなかったりするんで、私の場合、最近は完全に無音に落ちついちゃってますねー。ちなみに、ホワイトノイズの音量についてはこちらで論文を紹介してましたのでご興味あれば。

5. 深い読解には紙が優位？

読書体力を考える上で、もう一つ重要な要素が「紙 vs デジタル」の選択でしょう。最近は電子書籍やタブレットでの読書が主流になってきてますが、深い読解には紙の方が優位という研究結果も出ていて、正直個人的にも悩ましい問題だなーと思ってたりします。

2018年のメタアナリシスでは、2000-2017年の研究を分析し、171,055人を対象に紙とデジタルでの読書理解力を比較[10]。結果、紙での読書がデジタルよりも理解力で優位（Hedge's g = -0.21）であることが明らかになっています。特に、この優位性は時間制限がある読書や長いテキストでより顕著になっていたとのこと

（この辺の詳しいデータは以下を参照）

📱 スマホ時代の読書術：紙とデジタルの賢い使い分け
おくさん 2025-03-26

私自身も、以前に自分でテストしてみたことがあるんですが、紙とデジタルで読んで内容を思い出すと、明らかに紙の方が思い出しやすかったんですよね。特に、どのページに何が書いてあったかという「空間的な記憶」が紙の方が圧倒的に強かったです。

ただし、ここで判断が難しいのが、この傾向にはいくつかの限界があるということです。まず、個人差が大きいこと。また、コンテンツの種類によっても効果が異なり、小説などの物語文では紙の優位性が小さい一方、学術論文や専門書では紙の優位性が大きくなります。

さらに、慣れも重要な要素です。デジタル読書に慣れている人は、デジタルでも高い理解力を発揮できるようになります。つまり、「絶対に紙でなければならない」というわけではなく、個人の好みや状況に応じて選択することが重要なんでしょうな。

参考までに、私の現状の使い分けとしては、以下のような感じです。

• 紙で読む本：覚えておきたい本、難しい専門書、哲学書、長編小説
• デジタルで読む本：軽い読み物、雑誌、参考書（検索機能を活用）

ちなみに、紙の優位性が生まれる理由としては、主に以下のようなメカニズムが考えられています。

1. 空間的記憶の活用：紙では物理的な位置情報（どのページのどの位置）が記憶の手がかりになる
2. 触覚的フィードバック：ページをめくる感覚が読書のリズムを作り、集中力を維持する
3. 視覚的疲労の軽減：紙の反射光は目に優しく、長時間の読書でも疲労しにくい
4. 注意の分散の減少：デジタルデバイスには通知や他のアプリなど、注意を引く要素が多い

まー、デジタル読書にも利点はあるのは間違いなくて、検索機能、ハイライト機能、持ち運びの便利さ、コストの安さなどは捨てがたいでしょう。これらの利点を活かしながら、読書の目的に応じて使い分けることが、読書体力を最大限に発揮するコツなんでしょうねー。

6. 邪魔断ちで「本を読むしかない」状況に追い込む

最後に、読書体力を鍛える上で、最も重要な要素の一つが「スマホ対策」でしょう。現代人は間違いなくスマホに囲まれて生活しており、こいつが読書の集中力を著しく阻害していることは、多くの研究で明らかになっているところ。

例えば、2025年にPNAS Nexusに発表された最近の研究では、スマホのモバイルインターネットアクセスを2週間ブロックした結果、持続的注意力が向上し、メンタルヘルスと主観的幸福感も改善することが明らかになってます[11]。特に注目すべきは、スマホの「mere presence effect（単純存在効果）」で、スマホが視界にあるだけでワーキングメモリと持続的注意力が低下するという結果まで示されてます。

なんでそんなにダメージが大きいのかといえば、以下の複数の要素が複合的に影響してくるからだといわれています。

1. 注意の分散：スマホの通知やアプリが注意を引く刺激として機能し、読書に必要な集中力を削ぐ
2. 認知負荷の増加：スマホの存在を意識することで、認知リソースが消費される
3. 習慣的な反応：スマホを見る習慣が自動的に作動し、読書の流れを中断する
4. 不安の増大：通知を見逃すことへの不安が、読書の集中を阻害する

また、重要なのは、実際に通知が来なくても、「通知が来るかもしれない」という心配だけでも集中力が落ちるということ。これは「attention residue（注意の残存）」と呼ばれる現象で、前のタスクの残りが次のタスクのパフォーマンスを阻害するという研究結果がありますね。

ってことで、具体的な対策としては、以下のようなアプローチが効果的です

1. 物理的な隔離：スマホを別の部屋に置く、または電源を切る
2. 通知の完全停止：読書中は全ての通知をオフにする
3. 環境の整備：家族や同僚に読書時間を伝え、話しかけられないようにする
4. 心理的な準備：読書前に「この時間は読書だけに集中する」と自分に言い聞かせる

私自身は、がっつり読書をしたいときには徹底的にスマホ（および注意を持っていかれる（可能性のある）もの）を排除するようにしています。具体的には、通知を完全にオフだし、インターホンも鳴らないように設定し、話しかけられることもない環境を作っています。つまり、「本を読むしかない」状況に自分を追い込むという感じですね。

まあどこまで徹底するかは自身の状況と判断次第でしょうが、まずは「環境」を適切に構築してみるのもかなり重要なんじゃないでしょうかねぇ。

おわりに

読書体力は、一朝一夕で身につくものではありません。しかし、今回紹介した6つのアプローチを組み合わせることで、確実に「読みたい本を読み切れる自分」に近づくことができるはずです。重要なのは、完璧を求めすぎず、自分に合った方法を見つけて継続すること。

現代は情報に溢れ、注意を引く刺激が至る所に存在します。だからこそ、読書という「深い思考」を要する活動には、意識的な環境づくりと習慣化が不可欠です。最高の「読書の秋」にするため、ぜひこれらの方法を試してみてください。あなたの読書体験が少しでもいい方向に変われば幸いです。

今回は以上。

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ではまた！

参考文献

1. Bone, J. K., Bu, F., Sonke, J. K., & Fancourt, D. (2025). The decline in reading for pleasure over 20 years of the American Time Use Survey. iScience, 28(9), 113288.
2. Twenge, J. M., Martin, G. N., & Spitzberg, B. H. (2019). Trends in U.S. adolescents' media use, 1976–2016: The rise of digital media, the decline of TV, and the (near) demise of print. Psychology of Popular Media Culture, 8(4), 329-345.
3. Garrett, J., Chak, C., Bullock, T., & Giesbrecht, B. (2024). A systematic review and Bayesian meta-analysis provide evidence for an effect of acute physical activity on cognition in young adults. Communications Psychology, 2, 82.
4. Hillman, C. H., Erickson, K. I., & Kramer, A. F. (2008). Be smart, exercise your heart: exercise effects on brain and cognition. Nature Reviews Neuroscience, 9(1), 58-65.
5. Basso, J. C., & Suzuki, W. A. (2017). The effects of acute exercise on mood, cognition, neurophysiology, and neurochemical pathways: a review. Brain Plasticity, 2(2), 127-152.
6. McMorris, T., Tomporowski, P. D., & Audiffren, M. (2009). Exercise and cognitive function. Wiley-Blackwell.
7. Zainal, N. H., & Newman, M. G. (2024). Mindfulness enhances cognitive functioning: A meta-analysis of 111 randomized controlled trials. Health Psychology Review, 18(2), 369-395.
8. Albulescu, P., Macsinga, I., Rusu, A., Sulea, C., Bodnaru, A., & Tulbure, B. T. (2022). "Give me a break!" A systematic review and meta-analysis on the efficacy of micro-breaks for increasing well-being and performance. PLOS ONE, 17(8), e0272460.
9. Souza, A. S., & Barbosa, L. C. L. (2023). Should We Turn off the Music? Music with Lyrics Interferes with Cognitive Tasks. Journal of Cognition, 6(1), 24.
10. Delgado, P., Vargas, C., Ackerman, R., & Salmerón, L. (2018). Don't throw away your printed books: A meta-analysis on the effects of reading media on reading comprehension. Educational Research Review, 25, 23-38.
11. Castelo, N., Kushlev, K., Ward, A. F., Esterman, M., & Reiner, P. B. (2025). Blocking mobile internet on smartphones improves sustained attention, mental health, and subjective well-being. PNAS Nexus, 4(2), pgaf017.